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100種類以上のパンを毎日提供、関内「レェ・グラヌーズ」の閉店理由は?

ココがキニナル!

関内にあるパン屋さん、レェ・グラヌーズが7月9日で閉店のようです。いつもわくわくしながら選んでいたのに残念です。閉店の理由とお店人気パントップ3を調べてください(すみれさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

原材料の高騰などで、店の良さを失うくらいならと閉店の道を選んだ。人気ナンバーワン商品はセサミのメープルバタートーストだった。

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ライター:松田 麗

20年間作り続けたパンへのこだわり


店頭にならぶパンの種類は常時約100種類。お昼の時間帯に一番種類が多くなるように焼き上げているのだとか。
 


美味しそうなパンが並ぶ

 
100種類準備するのは大変ではないか伺うと「パンの生地だけで10種類はあるから、それをベースに味を10個作れば、それで100種類になるんだよ」と稲川さん。

笑いながら話しているが、100種類ものパンを20年間作り続けるのは簡単なことではないだろう。

「でもね、これがファンを作るコツ」と稲川さんは話を続けてくれた。

店のパンはすべて手作りなので、1日に焼ける数に限りがある。なので、多くの種類を提供するとなると、1種類あたりの個数が少なくなる。1日6個のみの限定品もあるのだとか。個数を少なくするには、理由があった。

「パンひとつひとつがタレントのような存在にならないといけない」と稲川さん。
 


お惣菜パンも豊富

 
ひとつひとつのパンがファンを持てば、そのパンを求めてお客さんが来るようになる。多くの種類を提供することで、その「根強いファン」を増やしてきた。
新商品を作るときは利用者のニーズだけではなく、ちゃんと自身のこだわりもこめている。

店頭に並ぶようになるには「自分が美味しいと思うパン」という条件をクリアしてから。だから、チェーン店やコンビニエンスストアとは一味違うレェ・グラヌーズにしかない味が作れるのだ。大勢が美味しいと言うのではなく、たった一人でも美味しいと言ってくれるお客さんを作るために味を追及してきたのである。
 


焼き場も案内してくださった(テンションあがりました!)


「レェ・グラヌーズのジャニーズ」と呼ばれるイケメンが!

 
あたりにただようパンの香りに、食欲が・・・。では、続いて投稿にあった同店人気のパン上位3位を発表しよう。



レェ・グラヌーズの人気パン BEST3
 


第3位「湯種(ゆだね)食パン(300円)」 


触った瞬間からもちもちふわふわ感が伝わってくる。ほんのり感じる甘みやもちもちふわふわ食感がたまらない。レェ・グラヌーズの中でも多くのファンをもつ一品。
 


第2位「アップルパイ(270円)」 


リンゴがシャキシャキとしていて、食べながらリンゴを見つめてしまった。パイの甘さとシナモンの香りが絶妙。
 


第1位「セサミのメープルバタートースト(290円)」取材中に完売に・・・

 
発売開始当初、「ウチのスタッフには、絶対に売れない!」とまで言われたが、今では大人気商品になった一品。クリーム無しと有りを選べるのも、うれしい。
 


特別に目の前でホイップクリームを絞ってくださる、サービス精神旺盛な稲川さん

 
ちなみに、番外編だがロングセラー商品はこちら。
 


稲川さんおすすめ「シナモンドーナツ(110円)」

 
ふんわりとした食感でシナモンの香りが口全体に広がる。濃厚な甘みとスパイスの香りがとてもいい。

失礼を承知で、今までで一番売れなかったパンについても伺ってみた。

「売れないのが不思議だったのは“ブルーベリーとカシスとチーズのパンジー”だね。美味しかったのに。俺天才! って思ったもん」と笑う稲川さん。

えー、それ絶対美味しい! と編集部・山岸と声がそろってしまった。

消費者は厳しいですねと言うと「でも、それが面白いんだよ」と稲川さん。

 

投稿にあった「ラスク」の中で一番人気「クルミとカラメルラスク(380円)」 

 
ラスクも20種類ほどあり、なかでも「クルミのカラメルラスク」が一番人気。カリカリとした食感にクルミの香ばしい香りが絶妙である。一度食べたら止まらず、気づいたら袋が空になってしまっていた・・・。

ほかにも、食べるラー油を使ったラスクもあるのだとか。「ビールに合いそう」と心の声が漏れてしまった瞬間に「君、好きそうだねー」とすかさず稲川さんからツッコミが。黙っていても漏れてしまうライター・松田の酒好きオーラをどうにかせねばと思った瞬間だった。

 

現在進行形で愛されているレェ・グラヌーズ



さて、同店に通っているお客さんは、閉店についてどう感じているのだろうか。常連さんに話を伺う。
 


10年通っているというスギハラさんは「セサミパンがマイブーム」

 
スギハラさんはただ一言。

「困る・・・」とのこと。毎朝、セサミパンを食べるのが習慣だという。「本当に困る」と言いながら、レジに向かう背中はとてもさびしそうだった。

最後に、長らく通ったお客さんにメッセージをください、と稲川さんにお願いすると「本当に申し訳ない」と一言。
 


閉店まであと少し

 
「長年通ってくださったお客さんに対して本当に申し訳ないと思っている、と伝えてほしい」と稲川さん。

閉店のお知らせをしてから、レジで泣かれてしまうこともあるという。そう話をする稲川さんも目頭が熱くなっているようだった。



取材を終えて



閉店理由を話しながらも、お客さんの話になると想いが込み上げてきている様子が印象的だった。原材料の高騰や人件費などの経費がかかり、採算が取れなくなったのが閉店の大きな理由ではあるが、「安く、たくさんのパンの種類を楽しんでほしい」というレェ・グラヌーズのよさを守る店主稲川さんには「勇退」という言葉が似合う気がした。
  
 
―終わり―
   
レェ・グラヌーズ
住所/横浜市中区常盤町5丁目57
電話/045-651-0231
営業時間/月~金8:00~20:00、土祝10:00~20:00
定休日/日曜
   

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  • 湯種(ゆだね)食パン、come back again!

  • 閉店したの知らなかったです…。半年もないくらいにここのラスク知ったばかりです。その後自分で調べて一度だけお店に入って素敵なパン屋さん見つけたな、また買いにこようと思っていた矢先にこんなとは…。もっと早くに知り合いたかったです。今までお疲れ様でした。

  • はまれぽキニナルには初投稿でしたが、調査してくださりありがとうございました。
    調べていただいた通り、いつもたくさんの種類のパンがお手頃価格でしたので買いに行くたびにどれにしようか迷って、お店にいる時間が長くなっていました。
    閉店の理由、店主の方のお話を読み、潔い…と思ってしまいました。
    寂しいですが、素敵な楽しいパン屋さんでした。
    お疲れ様でした。
    食べるラー油ラスクと、ライ麦パンのかた〜いラスクが大好物でした。
    また食べたいです。

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