バス保有数が日本一!? 「神奈中バス」のデザインの謎を調査!
ココがキニナル!
神奈中バスは本当に日本一バスを保有しているの?(はコ。さん、山下公園のカモメさん)かなみん号やカナちゃん号、あの独特なカラーリングがキニナル(タロー先生さん、丸やさん)
はまれぽ調査結果!
神奈川中央交通は2122両の車両で日本一のバス保有数を誇る。昭和20年代にはすでに現行カラー。かなみん号はキャラクター周知のため運行。
ライター:岡田 幸子
神奈中バスの車両ラインアップって?
さて、神奈中のバスというと黄色のカラーリングが特徴的だが、村山さんによるとおそらく昭和20年代に採用されたものだという。それまで銀色に黄色い帯の車体であったが、戦後の混乱期において再生神奈中を示すものとしていくつかのデザインが検討されるなかで、当時の業務部長発案の黄色いバスに全社員の賛同が集まり実現したらしい。
暗くなっても歩行者やほかの車両から識別されやすい色ということで、事故防止や利用者の利便性を向上といった目的から選ばれたようだ。
1954(昭和29)年ごろの戸塚営業所風景。なんとなく見知ったデザインに見えるが・・・(※)
こちらは1963(昭和38)年ごろ、団地内を走るバス。色までは分からない(※)
1971(昭和46)年ころの写真でようやく確認できたバスはすでに神奈中カラーだ(※)
元は夜間高速バスのカラーリングとして採用された「ブルーイエロー」の車両もあるが、基本的には神奈中のバスは黄色にオレンジ、赤のカラーリングだという。
神奈中カラーのバスが集まるJR辻堂駅北口
でも、時々特殊なデザインのものも見かけます・・・(※)
「車両自体を広告に使ったラッピングバスも運行していますね。そのほか、2014(平成26)年から各営業所に1台ずつ、マスコットキャラクター“かなみん”デザインの車両が配されています。2014年に誕生した“かなみん”のキャラクター周知を図るために配されたこの車両ですが、実は“かなみん”もラッピングと呼ばれるシールで、オリジナルの車両は神奈中カラーです」
横浜、戸塚と横浜神奈交バス舞岡、中山の各営業所では「横浜のかなみん」(※)
相模原、大和、町田、綾瀬、多摩と相模神奈交バス相模原の各営業所では「街のかなみん」(※)
伊勢原、厚木と湘南神奈交バス秦野、津久井神奈交バス津久井、相模神奈交バス厚木の各営業所では「山のかなみん」(※)
茅ヶ崎、平塚と藤沢神奈交バス藤沢の各営業所では「海のかなみん」の4種が運行中(※)
キャラクターバスは他社でも多く採用されていて、横浜市営バスの「はまりん」号や小田急バスの「きゅんた」号、川崎市営バスの「ノルフィン」号、東急バスの「ノッテちゃん」などがある。これらのキャラクターは「日本バス協会」が主催する「バスフェスタ」で一堂に会することも。興味のある方はぜひどうぞ。
イベント情報は日本バス協会サイトでチェック!(※)
さて、神奈中の場合バスラッピングは施工費で1台約100万円、広告の場合はこれに広告費がプラスとなる。施工は意外に簡単で、プロの手で半日から1日かけて全面にシールを貼ったバスに生まれ変わるという。学校や病院などの送迎専用の車両では特殊なデザインの車両も使用しているが、これらもラッピングでの対応がほとんどだという。
「1987(昭和62)年に導入された“カナちゃん号”は、車内に児童の絵画などを飾ったギャラリーバスでした。2001(平成13)年には二代目“かなちゃん号”が導入されましたが、どちらもすでに運行を終了しています」
走るちびっこギャラリーバス“カナちゃん号”(※)
車内には子ども達の絵が飾られたギャラリーバスだった(※)
二代目“かなちゃん号”も営業運転からは引退済み(※)
また、車両前方に自転車を載せることができる「自転車ラックバス」も、本厚木駅から宮ヶ瀬までの間を運行しているが、現在4両あるラックバスのうち、3両が特別カラー、1両が通常の神奈中カラーとなっている。
宮ヶ瀬湖畔のサイクリングに最適!(※)
「そのほかでは、桜木町駅〜保土ケ谷駅間を走る11系統では、経由する山手の街並みに合わせたシックな茶系の車両“山手ライナー”が運行しています。この路線を走るのは”山手ライナー”に限定されていて、交代用のバックアップ車両を含めて全部で現在23両が用意されています」
街並みに映えるデザイン(※)
夜も素敵♡(※)
「バックアップ車両は舞岡管内の別路線を走ることもあります。思いがけないところで“山手ライナー”に出会うこともあると思いますよ」
舞岡エリアで探してみてください(※)
特殊デザイン車両は神出鬼没!?
街で目を引くこうした特別なデザインのバスだが、日によって異なる路線で見かけることも多い。特に路線を限定して運行しているわけではなさそうだ。
「弊社では車両の担当者制を導入しており、各運転士が担当車両をもって、それぞれ管理、運行しています。午前番、通し、午後番とシフトを組んで、指示書に従って勤務にあたるわけですが、車両は同じでも運行する路線はその都度異なるのです」
つまり、朝出勤したA運転士が“かなみん号”に乗ってB路線を運行したら、次は同じ“かなみん号”でC路線、D路線と営業所管区内の別の路線を走るというのだ。これにより、“かなみん号”はさまざまな路線で目撃されることとなる。
「車両を担当制にしているのは、各運転士が車両への愛着を持って乗務にあたれるようにするためもあります」
同じ道ばかりじゃ運転士さんも飽きちゃうか(※)
神奈中では「会社から車両の管理を任されている」という意識で車両に愛情をかけ、とりわけ美しく保つ努力をする運転士も少なくないという。これら運転士の管理と、整備担当者の綿密な点検整備などにより、常に安全快適なバス乗車がかなうのだ。
だから神奈中のバスは常にピッカピカなのね!
ちなみに、バスの洗車風景をご覧になったことがあるだろうか? 各営業所にはバス専用の洗車機が備えられて・・・
毎日車両をピカピカに仕上げている(※)
車内はこんな状況。営業所見学のちびっこに大人気だとか(※)
取材を終えて
毎日同じ時間に同じ路線のバスに乗っても、その都度車両や運転士が違っていること、実はこれまで不思議に思っていた。
運転士による愛情溢れる管理・運行と、それを支える事務方の綿密なシフトや指示書作成などの努力により、街じゅうで“かなみん号”を見かけることができていたのだなぁ。
車両保有数で日本一のバス会社・神奈川中央交通。みなさまの誇る「神奈川日本一リスト」にも、ぜひ加えてみてはいかがでしょうか。
―終わり―
<取材協力>
神奈川中央交通
http://www.kanachu.co.jp/
日本バス協会サイト
http://www.bus.or.jp/
※印をつけた写真や図説はすべて神奈川中央交通提供の資料です。
東戸塚に快速停車をさん
2017年05月31日 03時58分
家が舞岡管内なので、山手ライナー塗装のバスはよく見かけます。それと、古いカラー写真は東海大学で撮られたものですね。今はもっと手前の門を出たところから発着している上、平塚からの所要時間が最も短く本数も多い秦野行は構内に乗り入れなくなってしまったので、だいぶ不便になりました。
陽気なヘンリーさん
2016年07月27日 20時08分
逆に 天台交通はワーストのNo.1だったと思います。
IKさん
2016年07月22日 16時22分
昔、「スヌーピーバス」っていうのが走っていた記憶があります。たしか神奈中さんだったと。