【後編】「横浜高校の指定バッグ」が女子高生の間で大流行中の理由とは?
ココがキニナル!
女子高生が「YOKOHAMA」と書かれたバッグを持っているのを見かけます。男子校の指定バッグらしいのですが。彼氏のバッグなの? 入手経路や持っている理由を調査願います。(まさしさん)
はまれぽ調査結果!
「横高バッグ」は1990年代中ごろから流行。女子高生が使っていることについて、横浜高校も横浜高校の生徒も「悪い気はしていない」とのこと。
ライター:幸谷 亮
横高バッグが流行したことで生じたデメリットと対策とは?(つづき)
こうして横高バッグが広く世に知れわたるようになり、学校にとってはポジティブな要素でもある反面、時にはネガティブな結果を招くこともあったという。
「例えば、電車内での態度が悪かったりタバコを吸っている生徒がいたりすると、学校にクレームの電話が入ってきます。そして、実際に現場に駆けつけると、横浜高校の生徒ではなく他校の生徒なんです。通報する方は、バッグにプリントされている『YOKOHAMA』の文字を見て横浜高校の生徒と判断してしまいますからね・・・」
横高バッグを持っているだけで、横浜高校の生徒と判断されてしまう
こういった事件が頻発したことで、学校側は横浜高校の生徒以外が横高バッグを入手できないよう、対策を講じる必要に迫られたのである。そこで制服の販売店に対して、横浜高校の生徒手帳を持参した生徒にしか販売しないように促したのだ。
さらに、複数のバッグを一度に大量に購入し転売するなどの、横浜高校生の不正な行為も禁止しているとのこと。
制服の販売店にも協力を要請(写真はイメージ)
また、不必要に横高バッグが世に出回らないよう、ネットオークションやフリマアプリなどで販売する行為を校則で禁止。とはいえ、卒業した後の4月1日以降は横浜高校の生徒ではなくなってしまうため、どうしても野放しになってしまうそう。
さらに、卒業時に「YOKOHAMA」のプリント部分を赤色で塗り潰すことで、販売できないように対策を講じたこともあったとのこと。しかし、「弟がおさがりで使いたい」などといった要望が生じたため断念せざるを得なかった。
フリマアプリの「メルカリ」では、横高バッグが4000円前後で取引されている
ちなみに、横浜高校には1階に購買部が設置されているが、平日の授業時間帯しか開いていない。つまり、ほかの高校の生徒が購買部を訪れて購入することは不可能なのである。
授業時間帯が過ぎると購買部は閉まってしまう
女子高生の憧れとして使用されているバッグは3402円で購入可能
最後に、女子高生インタビュー時にゲットした「文化祭の時に横高バッグを購入できる噂」について確認してみると、「文化祭の時に学生服やYシャツなど、不用品を持ち込んで販売するバザーを開催しています。そこに中古の横高バッグが紛れ込んでいることもあるので、運が良ければ買えるかもしれないですね」と教えてくれた。
横浜高校の文化祭「横高祭」で買えるという噂は間違ってはいなかった
他校生が使っているのはOK? 横浜高校生の本音を調査!
池田先生へのインタビューが終わったのがちょうど下校時刻ということもあり、多くの横浜高校生に遭遇した。そこで、女子高生をはじめとした他校生が横高バッグを使っていることについて、横浜高校生にインタビューをしてみることに。
ちなみに横浜高校生は3種類の指定バッグの内、ひとつ以上を入学時に購入して、通学時には用途に応じて利用する必要がある。ゆえに、全員が横高バッグの愛用者なのだ。
まずは、女子高生と同様、小サイズのショルダーバッグを使用している2人組に話を聞いてみると、「自分が通う学校の指定バッグが使われているのは、そんなに悪い気はしません」と話してくれた。
「小と中の2つ持っています」
1年生4人組は「JKであれば使っていてもなんとも思いませんが、他校の男子生徒が使っているのはキモいなーと思います」と、少々辛口なコメント。
「女子高生が持っているのもちょっと・・・」という意見も
最後に5人組の横浜高校生に意見を求めると、「横高の指定バッグなので、他の高校の生徒が持っているのはいいと思わない」「はじめて見たときは違和感を感じましたが、今は特に何も思っていません」「かわいい女子高生が持っているとうれしいです」「別にかわいくもカッコ良くもないのになんで持っているのか疑問」「自分が通う高校のバッグなので誇らしいです(笑)」と賛否両論だった。
「女子高生は許せるけど男子校生は許せないかも(笑)」
男子校ゆえに(?)、女子高生が使うことには寛大な横浜高校生も、他校の男子高生が横高バッグを使うことに対しては許せないという意見が目立った。これは偽りのない本心なのかもしれないが、「自分の学校の指定バッグが流行っている」件に関しては、多くの横浜高校生が誇りを持っている様子だった。
前編と後編の2回にわたって調査を進めた横高バッグの謎。紐解けた部分もあれば、なにがそこまで女子高生を虜にさせるのかなど、謎めいている部分も大いにある。今後も横高バッグはもちろん、高校生の間で流行しているものについて引き続き調査していきたい。
取材を終えて
池田先生いわく、バッグを作った当時は現在のように他校の生徒をも巻き込んだ流行を生み出すことになるとは想像もしていなかったとのこと。ゆえに、学生が使用するものであることが前提でファッション性はそこそこに、コスト面のみを追求してデザインしたそうだ。にも関わらず、1990年代の中ごろから流行りだしたということで、「なぜこんなに流行っているのか分からない」と言っていた。
これは推測だが、横高バッグを現役で使っている学生の中にも、なぜ流行っているのか分からずに、「みんな持っているから」という理由だけで使っている女子高生がたくさんいるはずだ。
しかし、流行とは意外とそんなものである。もしかしたら、流行の意味を追求すること自体がナンセンスなのかもしれないが、探究心がくすぐられる取材だった。
―終わり―
快特|品川方面泉岳寺さん
2017年07月27日 17時32分
ずっと何で他校のカバンを持つのかな?疑問に思ってましたがそういう流行りだったのですね。長年の謎が解けました。
新時代主義さん
2017年05月02日 20時42分
>保健体育科の教諭で公務主任の池田幸一(いけだ・こういち)先生(諸事情により顔出しNG)。 ググれば検索候補でも出てくるんだから意味無いと思うがw
駅馬車さん
2017年03月08日 21時46分
やっと私が知らない理由が分かりました。私の世代はこのバッグが無かった(^^;