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「横浜らしい景観」と言えばここ!? 中区山手が加わる「景観推進地区」っていったい何?

「横浜らしい景観」と言えばここ!? 中区山手が加わる「景観推進地区」っていったい何?

ココがキニナル!

横浜市が進める「景観計画」への山手地区の追加。山手にはもうまちづくりのルールがあるのに、どうしてより厳しい基準ができるの?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

これまでも歴史ある遺構が開発で失われてきた山手地区。今後の学校跡地などの開発を見据え、より厳密なルールで街づくりを進めることに!

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ライター:はまれぽ編集部

山手の景観保全を強化する意図とは?

横浜市景観計画の推進地区に山手地区が追加されることについて、都市整備局によれば「近年、山手地区の景観的特徴である既存の樹木、土木遺構等がやむを得ず撤去されるケースが増え、大規模な公有地及び民間所有地の売却並びに土地利用転換も増加しています」という。

具体的にどのような問題が起きているのかをうかがうと、「例えばうっかり樹木が傷つけられたり、遺構が失われてしまうということは、あちこちで起きています。これまでも風致保全要綱に基づいて、木を切った場合には補植してもらうなど、景観確保の取り組みは行われていますが、実効性を高めることが景観計画の狙いです」と説明してくれた。
 


景観計画の推進地区に追加されるエリア(横浜市資料より、クリックで拡大

 
これまでの風致保全要綱はあくまでも行政指導にとどまり、強制力はなかった。だが、法令に基づく景観計画に組み込まれれば、内容によっては勧告や罰則を含む対応をとることができるようになり、より実効性が増すことになるのだという。

では、景観計画ではどのような制限が行われることになるのだろう?

その内容を見ると、山手地区全域で「景観形成基準 ・眺望景観の確保のために、建物の高さや色彩の制限、樹木や緑地の保全」が行われる。
具体的には、建築物の新築や増築したり外観を変える際、また一定以上の木を伐採する際にも、事前の届け出と許可が必要になる。

また、山手本通りは「景観重要公共施設」とされており、横浜市電の敷石を石畳として再利用してきたという歴史を踏まえ、「歩道の舗装は山手地区の緑豊かな環境と歴史ある街並みと調和するもの」と定められている。
 


歩道にも歴史があった

 
また、山手本通りエリアは「特定地区」にも位置付けられ、通りに面する塀を緑化することや、敷地内の「ブラフ積み」を積極的に利活用するように求められている。
 


ブラフ積みも、残していきたい歴史ある光景

 
当然、街づくりの制限が強くなるということは、住民への負担もある。これまではいわば努力義務のルールだった樹木の伐採の制限なども、事前の届け出と承認が必要になる。だが、これまでの取材でも「山手に住むからには景観を損ねないように意識を持つことは当然のこと」と話す地域の方からは、大きな混乱は見られないようだ。
 


外観を変更するのも届け出が必要、というのは大変そうだが・・・

 
都心再生課によれば、「今までの風致保全要綱から内容そのものは大きく変えておらず、地域のまちづくり協定や都市公園(元町公園など)の指針が加えられた内容。以前から住まわれている住民の方には大きな影響はありません」とのこと。

 


元町公園などの都市公園内の洋館や遺構も保全されることなる

 
このタイミングで景観保全の取り組みが強化されたのには、山手地区内に土地利用や開発の可能性がある場所が残されていることも要因の一つのようだ。

その一つが、山手にあった中央大学の付属高校・中学校校舎。同校は現在都筑区牛久保に移転しているが、跡地の校舎はそのままの状態だ。
 


現在の校舎。人気はないまま建物が残されている

 
現時点で活用の気配はないようだが、「現在の建物をそのまま使うなら問題はありません。ですが、今後建て替えなどが発生する場合には、景観計画や法令に沿っていただくことなります」と都心再生課。今後の開発を見据えての景観計画という側面もありそうだ。

山手はもともと住宅・文教地区であるため、商業施設などは建てることができない。加えて、今回の景観計画への追加によって、学校や教会などが計画の基準を超える大規模な施設を建てる際にも、横浜市の条例に基づき公開の場(都市美審議会)で審議することになる。より実効性をもって、景観を確保した街づくりを進められることになるのだ。
 


山手ではあちこちに利用可能性のある土地が眠っている

 
街は常に開発が進むもの。その中でどのように歴史ある景観を残していくことができるかが難しい課題だ。
 


さまざまな価値を持つ地域をどう守っていくか

 


取材を終えて

山手町にはその景観を目当てにした観光客の姿も多く見られ、横浜らしい町並みは観光資源にもなっている。
横浜市によれば、「あくまでも山手は観光地ではなく生活の場と考えています。しかし、街づくりの結果として多くの方に見ていただける価値のある景観が残っています」という。
地域住民の生活の場であり、歴史を誇る景観であり、観光資源でもある。そんな山手をこれからも残していくことができるかは、これからの取り組みにかかっているようだ。


ー終わりー


 

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  • 山手だけではありません。寺家ふるさと村や舞岡ふるさと村もやたらと建築やお店の出店はおろか、自販機すら設置が厳しいと聞きました。 横浜らしい里山の風景を残すためらしいです。素敵ですよね、横浜は里山ある、港近くに明治以降の歴史溢れる街がある。横浜の里山は開港後に西洋野菜の栽培などで勢いがついて、横浜市は現在も三浦市に次いで2番目に農作物の生産量を誇るとか。古き良きものを残すことは現在に繋がると思います。

  • 映画「冬の華(78年)」(主演:高倉健)を見ると40年前の山手がよく分かる。

  • 既存樹の保存にも、もっと力を入れて欲しいですね。。

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