JR戸塚駅で猛禽類が大活躍!?ハトのフン害をタカで解消!
ココがキニナル!
JR戸塚駅周辺のハトやムクドリのフン害を、タカなどの猛禽(もうきん)類を使って解消しようという取り組みが試験的に行われている。人が多く行きかう駅でそんなことやって大丈夫なの?(はまれぽ編集部のキニナル
はまれぽ調査結果!
戸塚土木事務所は、駅前広場でタカやミミズクを使ってハトやムクドリの追い払いを、12月まで試験的に実施。猛禽類を間近で見れ、行き交う人にも人気の様子。
ライター:はまれぽ編集部
大迫力! 猛禽類の華麗な舞い
待ち合わせの時間になると、JR戸塚駅の方から土木事務所の職員とふくろうカフェのスタッフが大きなカゴを持って登場。中にはもちろん・・・
でたー! ミミズク
タカ(ハリスホーク)のアンちゃん(メス 4歳)、かっこいい!
ふくろうカフェ店長の千野 力(ちの・ちから)さん
猛禽トレーナーの山中香苗さん
追い払いに参加する猛禽類の鳥は、タカ1羽とミミズク3羽の計4羽。
ミミズクは、当日の体調や、追い払いに参加する回数が偏らないように選ばれている。
色々な鳥で追い払いを行うことは、ハトに刺激を与えられるそうだ。
取材当日はタカ1羽、ミミズク3羽で計4羽の猛禽スタッフが追い払いに参加
猛禽スタッフの準備が整うと、土木事務所の職員は、追い払いを行う周辺にパイロンを置き、張り紙やチラシを配布し始めた。
これを見かけたら猛禽スタッフがいる
追い払いの最中は、広場の設置物に張り紙をしている
そして、猛禽スタッフの周りには、あっという間に人だかりができ、気付けばイベント状態に。
皆さん珍しいようだ
この追い払いの取り組みは試験的ということもあり、週に1回程度、11時~17時頃(天候によって変更する場合がある)まで行われている。日中はハト、夕方はムクドリの追い払いを、JR戸塚駅周辺を巡回しながら行われている。
「朝からハトにエサをあげている人がいたので、今日はいつもより多くのハトが集まってしまっています」と山中さんが教えてくれた。
早速、ハトが集まっている場所にタカを放つ。
ハトのいる方向にタカを投げるようなイメージだ
翼を広げたタカ! ちょっとハラハラしてきた
ハトのいる場所まで一直線!!
一斉に逃げるハト
アンちゃんの華麗な舞いは、ぜひ動画でもご覧あれ。
1度逃げたハトは、追い払いをしている間は近づいてこない。追い払いを繰り返すことで、“ここは天敵である猛禽類の縄張りだ”と思わせ近づかせないようにするのだ。
タカのアンちゃんが山中さんの手に戻ってくる時、山中さんは竹の笛を軽く吹いていた。
首から下げている竹の笛
これは、“呼子(よびこ)”という笛で、吹くと猛禽スタッフは山中さんに集中するように訓練されている。
日ごろから飛行などの訓練も行っている猛禽スタッフは、小さな頃から“据え”という手にのせる訓練を行い、できるようになったら街中を散歩させ環境に慣らす“据えまわし”を行っていく。こうした徹底された訓練をしているため、こういった行政の取り組みでも活躍できる。
お利口なアンちゃん
一方、山中さんがタカを放っている間、ミミズクたちはどうしているのかというと。
もう、戸塚駅に現れたアイドルのようだ
千野さんと山中さんは、通りかかった一般の方からの質問に丁寧に答えていた。
一見、爪が鋭く怖いイメージの猛禽類だが、説明を聞きながら皆さん安心して触っていた。
はまれぽ編集部も恐る恐る触らせていただいた。
シルキーな肌触りで温かい
千野さんは、「この追い払いも大事ですが、私たち人間が、鳥が集まりにくかったり、止まりづらい建物の建設をすることも大事です。この追い払いの取り組みをしながらデータをとっていますので、今後の対策に役立ててほしいです」と教えてくれた。
山中さんは、「エサをあげている人がいなくならないと、ハトやムクドリはここなら安心してエサが食べられる場所だと認識してしまいます。エサやりをしている人にやめるよう呼びかけ続けていきたいです」と話してくれた。
また戸塚土木事務所の職員は「こんなに注目していただけて、効果も出てきているように感じます。ハトやムクドリを追い払うことは決して可哀想なことではありません。今、増えすぎてしまっている状況を正常な数に戻すために行っている取り組みですので、良い結果が出れば今後も続けていく可能性があります」と話していた。
取材を終えて
取材をしている中で、「前よりもハトが減っています」「毒や銃などを使わず、自然な形を使って追い払えるならいいかもしれないですね」というような街の声が聞こえてきた。
この試験的に行われているハトやムクドリを追い払う取り組みは、2019年の12月いっぱいまでの予定だが、良い結果が出れば今後もふくろうカフェの猛禽スタッフが活躍してくれるだろう。
しかし、千野さんが教えてくれたように鳥が集まにくく、止まりづらい建物の建設をすることや、エサやりをしないなど、私たち人間にもできることがある。
自然を相手にしていることだが、私たちの手でできることを行い、正常な状態にすることで人間も生き物も快適に共存できる環境が生まれることを学んだ。
ー終わりー
取材協力
戸塚土木事務所
ふくろうカフェ 福来楼 本牧店
http://yokohama-honmoku.fukurou-cafe.com/