小田急線「片瀬江ノ島駅」新駅舎が一部供用開始。竜宮城風の駅を少しだけ紹介!
ココがキニナル!
建て替え中の小田急電鉄「片瀬江ノ島駅」が2月28日から一部供用開始との事。完成は5月頃との事だが、無事に神社仏閣技法である竜宮造りで建て替えられている新駅舎が今からキニナル!(よこはまいちばんさん)
はまれぽ調査結果!
赤い外壁に重厚感ある屋根の竜宮城を思わせる趣はそのままに「竜宮造り」という技法を取り入れて屋根の随所に装飾が施され、より本格的な竜宮城となった。当初の予定通り完成は5月予定。
ライター:若林健矢
コンコース上に五頭龍が舞う!
それでは続いて改札内へ。改札を通って目線を上げると、目の前には巨大な龍のレリーフが出現。このレリーフも江の島に伝わる五頭龍と天女の伝説にちなんで造られたもの。波しぶきや龍のうろこなど、細かい表現に心を打たれる。ちなみにこの装飾のどこかに、タコ、鯛、亀が隠れている。訪れた時はぜひ探してみよう。また、レリーフの後ろの大屋根部分にも神奈川県産の木材が使用されている。
コンコース上に五頭龍(のレリーフ)が登場!
意匠をこらした波や龍の姿形は必見
この写真のどこかにタコがいるぞ。この遊び心がまた面白い
ホーム上の屋根も明るくなった。テント屋根(膜屋根)を採用し、自然光を取り入れた明るいホームが実現されている。また、架線を支える柱を駅舎側に支持したことで、通行可能な空間が広くなった。写真には写っていないが、下の写真を撮影した位置がまさしく新たに通行可能になった通路だ。
自然光を取り入れ、明るいホームに
工事中の駅務室近くにトイレがある。男子トイレは手前、女子トイレは奥、多目的トイレは男子トイレと女子トイレの間に2ヶ所設けられた。いずれも天井には神奈川県産の杉材を使用し、清潔感と木の暖かみのある空間になっている。
トイレは楼門左の改札の近く。手前左が男子トイレ、奥が女子トイレ
今後の予定としては、楼門左側の駅舎部分に設置予定の駅事務室と外構の工事、そして新江ノ島水族館によるミズクラゲ水槽の設置工事が進められる。当初の予定通り完成は2020年5月予定だ。すでに大部分が完成しているが、ここからがラストスパート。駅舎の完成までもう少し待っていよう。
近隣住民や利用者の声を聞いてみた
旧駅舎よりさらに強い存在感を放つ片瀬江ノ島駅新駅舎、これほど見た目のインパクトが強いと一般利用者の声もキニナルところだ。
熱心に写真を撮影していた近隣住民の中井さんは、SNSでこの駅の一部供用開始を知り、駅の撮影に来ていた。リニューアルした駅の感想を聞くと、率直に「いいね」と答えてくれた。袴門が白いところなど、経年による汚れを懸念している節もあったが、「前のが90年くらい経っていたので、これは100年ぐらいもってほしいなと思います」と期待の声を寄せた。
「今は機械も素材も発達しているから、前よりも上手に作れますね」と中井さん
家族で遊びに来ていた北村さん一家からは、「純粋にすごい」という感想がうかがえた。30分圏内のところに住んでいて今日たまたま近くを通りかかったが、遠くから見てもこの駅がすぐにわかったとのこと。「これから人が来たら盛り上がりそうですね」と、新たな駅舎が江の島の盛り上げを後押ししそうと話した。
家族で遊びに来た北村さん一家も、これからの盛り上がりに期待を寄せていた
この他にも、近隣に住む女性からは「前の名残が残っているのがよかった」という感想や、ひと言で「すごい」と驚く様子も。中には毎日工事中の片瀬江ノ島駅の様子を見に来ていたという強者のおじいちゃんもいて、熱心に写真を撮っていた様子もあった。さらに埼玉から新江ノ島水族館にデートに来たというカップルからは、「中華街や沖縄みたい」という面白い感想もうかがえた。言われてみると確かにそれらのような雰囲気も感じられる。
今回声をかけさせてもらった人からはとても好評な感想を聞くことができた。一部供用開始の時点でこのような好印象がうかがえたということで、この駅が今後さらに多くの人に楽しんでもらえることが期待できそうだ。
取材を終えて
旧駅舎の面影を残しつつ、さらにパワーアップしたデザインでついに片瀬江ノ島駅がお披露目となった。雰囲気だけだった竜宮城が、神社仏閣の建築様式を取り入れて本格的に再現されており、江ノ島観光の玄関口にふさわしい進化を遂げていると筆者は実感した。
片瀬江ノ島駅新駅舎のこの迫力をぜひ、現地で体感してほしい
完成は5月予定で、その時にはクラゲが展示される点にも、江の島ならではの遊び心として個人的に注目しているが、外観の竜宮城部分はほぼ完成だ。生まれ変わった片瀬江ノ島駅にはこれからも、観光利用と日常利用の両方で愛される駅になってほしい。
―終わり―