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武相国境の位置や当時の生活感はどうだった?

ココがキニナル!

相模・武蔵の国堺の位置や、両国の生活や文化の違い、当時はどちらの国が栄えていたのか、行き来は容易だったのか、どんな生活が営まれていたのか、是非とも調査していただきたい。(ハマっこ3代目さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

武相国境は現在の区境と重なる部分もあれば位置が不明な部分もある。両国に目立った違いはなく、国境は現在の県境のような感覚だった。

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ライター:ほしば あずみ

国境の現在は?



武相国境の厳密なラインは時代とともに変遷を繰り返しており、宅地開発の造成で地形も変わってしまった箇所もあるためすべてを辿ることは難しい。

歴史博物館の回答も、
「図書館で明治・大正くらいの古い地図を見てもらえばある程度はわかるかと思いますが」
というものだった。

とはいえ市内にはいくつか国境をしめす碑や案内版などが残っている。

たとえば旭区のこども自然公園。ピクニック広場の脇に武相国境の「境道」の案内板がある。
また瀬谷区の三ツ境駅そばの野境道路も武相国境の古道にあたる。
区内を縦断するように武相国境のラインがはしる港南区では、下永谷小学校の校門に、卒業制作だという国境表示がある。

よく知られているのが、前述の権太坂上にある境木。その名も、武相国境に由来するもので、境を示す柱が立てられていたともケヤキの木があったとも言われている。


国境で旅人を見守り続けてきた境木地蔵尊


街道の宿場と宿場の間には「立場(たてば)」という、休憩所が設けられていた。現代の高速道路におけるサービスエリアやパーキングエリアのようなもので、この地にも境木立場という立場があった。
 


 

現地に立つ境木立場の案内版に、かつての様子を伝える絵図があった


権太坂や焼餅坂、品濃坂という街道の難所を越えた眺めの良い高台で、旅人たちは名物「牡丹餅」を味わったという。

京方面を目指す人には最初の、江戸方面を目指す人には最後の国境。感慨もひとしおだったのではないだろうか。
 


 

旧東海道、戸塚方面へ向かう焼餅坂


境木地蔵尊周辺は比較的史跡案内が充実している。
武相国境について詳細に触れているというわけではなく、やはり旧東海道の名所であったため、街道に関する案内が中心だ。

周囲はマンション群の建設が進み往時のおもかげはないが、街道の一里(約4キロメートル)ごとにつくられた目印「一里塚」も残っており、県の史跡に指定されている。
 


品濃坂途中にある石仏。年代不明
 

公園として整備されている品濃一里塚 




まとめ



武相国境、鎌倉道、旧東海道など、横浜市内にはさまざまな古道が通っている。時を経てより便利な道を開通させていくにつれ昔の道は次第に忘れられ、道路の拡張や宅地開発によって面影をたどるのが困難な場合も多い。

だが昔の地図に描かれた古道のラインを現在の地図に重ねると、日ごろ何気なく歩いていた道が、千年遡ることができる歴史を秘めているかもしれない。

意外と身近なところにあるそんな歴史に、時には触れてみてはいかがだろうか。


―終わり―
 

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  • 横浜市18区の中で「区内に「武相国境」が存在する」のは港南区だけです。港南区の歴史を調べますと、昭和2年に武蔵の国久良岐郡日下村が横浜市中区に編入され、遅れて昭和11年に相模の国鎌倉郡永谷村と野庭村が横浜市中区に編入され、昭和18年に中区より「南区」に分区し、更に昭和45年に南区より分かれて「港南区」が誕生致しました。(ハマッコ)

  • 泉区緑園の6丁目53(旭区との境)付近にも武相国境を表す石板があります。国境にそって歩けばいろいろな発見があるかもしれません。江戸時代より更に遡って、律令行政が崩壊する以前は大きな違いがあったのでしょうかね。

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