横浜のシルクロード、どの道のことを指す?
ココがキニナル!
横浜のシルクロードってどこ?とても昔、授業で質問されたがわからずじまい。ずっと気になっています。(くてくてさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
一般には八王子と象の鼻パーク間を結ぶ経路がシルクロードと呼ばれていた。八王子からは、現在の国道16号線沿いとJR横浜線沿いの2つの経路があった
ライター:河野 哲弥
シルクロードの、知る苦労度
(つづき)
次は、相鉄線西谷駅から西へ15分ほどの、「白根村道橋改修碑(しらねむらみちはしかいしゅうひ)」へ行ってみよう。
愛宕(あたご)という信号機のそばにある同碑
同じく拡大した様子
同様に意訳してみる。
「この近辺の山道は、非常に険しく、しかも川もあり、人や馬の事故が起こっていた。そこで、農家から土地を買い、みちの改修と橋を3ヶ所架け、安全に行き来できるみちにした」
眼下に帷子川が流れている
住宅地の造成などが進み、今では想像もつかないが、わずかに「酷道」の跡をうかがい知ることができる「国道16号線」付近。シルクの輸送路が難路であったのは、このみちばかりでないだろう。
どこの道にも難所があり、人の手によって命がけで運ばれ、日本の外貨を稼ぎ出していたようだ。
シルクって、食べられるの?
そんな生糸だが、化学繊維の登場により、伝統工芸品や高級品を除くと、日常生活では身につける機会が少なくなってきた。そこで今、衣料以外の分野にも、シルクを活用する動きが出てきているそうだ。
カイコによって作られた繭が
パウダーになり (画像提供「もり陣」)
うどんに練り込まれた(天ざるうどんセット1250円・同上)
群馬県館林市のうどん店「もり陣」では、繭に含まれるシルクアミノ酸を練り込んだ「まゆ玉うどん」が、美容と健康にいいと大人気。新たな町おこしとしても、期待されているという。
横浜にもそのうち、同様な麺類がお目見えするかもしれない。駅のスタンド店で取り扱うとしたら、それはもちろん、横浜線の各駅しかありえないだろう。乾麺になった製品は、シルク博物館のショップで販売しているので、のど越しのよいうどんを自宅で楽しむこともできる。
過去で終わらせたくない、貴重な産業遺産
先人が苦労して築いたシルクロード。今後は、東北や北関東・甲信越地方などとつながる情報発信経路として、活用してみてはいかがだろう。少なくとも、八王子市や町田市、前橋市、館林市などが身近に感じられた、今回の取材だった。
―終わり―
◆和田村道橋改修碑/保土ケ谷区釜台町37
◆白根村道橋改修碑/旭区白根町163
◆もり陣/群馬県館林市堀工町1560
紀洲の哲ちゃんさん
2013年03月20日 09時38分
今回の話題とはあんまり関係ないですがかつて瀬谷区においても養蚕業が盛んでした!
都筑のふくちゃんさん
2013年03月19日 17時12分
レポート有難うございました。「神奈川みち」が二つに分かれるとは知りませんでした。長津田などの緑区の「絹の吉」は来たことがありますが、都筑区にも痕跡が残っているか探してみたいと思いました。また、全国から横浜へ絹のルートがあったという地図は「絹による町おこし」に活用できそうですね。
ムーヴさん
2013年03月18日 17時52分
私は現在は横浜市在住ですが、八王子市出身なので、今回の記事は大変興味深く拝見致しました。八王子には現在も市内南部町田市寄り(鑓水付近)の山の中にほぼ未整備のまま「絹の道」として残されています(地元民では心霊スポットとしても有名なのですが(笑))。「絹の道」と書かれた石碑もあります。絹の道は八王子から横浜まで通っていたことは知っていましたが、町田市付近から2ルートあるのは知りませんでした。横浜に住むようになってから、横浜市内では国道16号線が「八王子街道」と呼ばれているのも初めて知り、「絹の道」と深い関係があったのですね。非常に勉強になりました。素晴らしいレポートありがとうございました。