南ヨーロッパの片田舎を思わせる街を父娘コンビが旅する、はま旅Vol.112「いずみ野」編
ココがキニナル!
横浜市全駅全下車の「はま旅」第112回は、相鉄いずみ野線「いずみ野」の旅。昭和そのままの商店と南ヨーロッパの片田舎のようなカフェやレストランが交錯する知られざる街を父娘コンビがショートトリップ!
ライター:久保田 雄城
田園地帯に忽(こつ)然と現れたおしゃれなカフェ
「やっぱり何もないねえ」と牧歌的な風景の中を歩きながら慣れない仕事にちょっと疲れた様子のジョシュが、背中を少し丸めて言う。
あとちょっとだけ遠くまで行こうと、僕がそんなジョシュを励まして歩いていると、こんな看板が。
田園地帯に忽(こつ)然と現れた看板
看板はあるのだが、一体どこにカフェがあるというのだ!
風薫る五月、新緑と花々と青い空があれば、もう何もいらない
この草花のゲートが入口
ものすごくわかりにくい入口から100メートル以上、緑の小径を歩いてようやく玄関かと思いきや、カフェはまだ階段を下りた先のようだ。
しゃれた書体で「Cafe de DA・RA」と壁面に書かれている
いきなり玄関の横のテラスでなごむジョシュ
熊除けの鐘ではない(と思う・・・)
通路の脇に「この鐘を鳴らしてから、お入りください」と書いてある。まさか、熊とかいないよな? それとも何かの儀式なのかとブツブツ言っていると、ジョシュにくだらないこと言っていないで、早くお店に行きましょうと、厳しい口調で手を掴まれる。
オーナーの安西さん、クールすぎる!
カフェの中は、ぬくもり感を残しながらも洗練された空間が構築されていた。オーナーの安西さんは、とても感性がアーティスティックな人だった。
聞けば、服飾デザイナーが本業とのこと。なるほどと納得。この「Cafe de DA・RA」はオープン5年目。安西さんは生まれも育ちもいずみ野だそうだ。
一人で勝手にくつろぐジョシュ
薔薇(ばら)ティー、ハーブのカモミールティー、各500円
カフェには常に生花を絶やさないとのこと
たった6時間弱の「はま旅」であったが、旅とは移動の距離ではなく、心のあり方だと、再認識させてくれた「いずみ野」だった。
バイバイ、にわとりくん。また来るよ
取材を終えて
正直言って、実際にいずみ野に行くまでは、きっとあまりネタがないだろうと思い、「いずみ野線が、JR平塚駅までの延伸可能な免許を国交省から受けているが、現時点で具体的な予定はない」とか、「(いずみ野エリアは)明治時代は、鎌倉郡に属していた」等の下調べはしておいた。その歴史を中心に書いていくつもりだった。
しかし旅を始めてみると、自然に情報が僕らのところへ集まり、次から次へと魅力あふれる人々を取材することができた。街の古い歴史に頼らずとも、現在進行形の生きた街として「いずみ野」を描くことができた。嬉しい誤算である。これはひとえに、いずみ野の地元の人々の飾らない気さくな人柄のおかげだ。
最後に、ジョシュとカメラマンをしっかりと務めてくれた、僕の娘・薫美の人なつこい笑顔と振る舞い、そして彼女の撮影のセンスなしには、ここまで充実した取材を行うことができなかった。感謝したい。
■今回のはま旅「いずみ野」周辺
(Googleマップより)
・「リカーショップ そとぐち」泉区和泉町6236-8
・「いずみ野ドラッグ」泉区和泉町6224
・「野菜直売店横山」泉区和泉町6224
・「affratello」泉区和泉町6216-3
・「Cafe de DA・RA」泉区和泉町5876-6
―終わり―
のーりおさん
2013年05月24日 14時04分
カフェおしゃれで良いですね。行ってみたいと思いました。いつもじっくり原稿を書かれる記者さんとのことですが、だからこその誠実でしっかりした「はま旅」のれぽーとですね、面白かったです。ありがとうございました。
ひろヒロりんさん
2013年05月24日 13時25分
地元なので知ってる方々が登場してていつもより何倍も楽しかったし、最後のカフェの看板の前を何度も通り過ぎながら一度も入ったコト無かったので、近々行ってみます!
雲葉 @since1992さん
2013年05月24日 10時21分
住宅地あり畑ありで散歩には意外と飽きない街だと思います。駅からもっと南に「馬亭」というステーキレストランがあったのですがまだ健在でしょうか。ではジョシュさんのはまれぽでの今後のご活躍に期待いたします。