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横浜が誇る歴史と伝統あるバー「シーガーディアン」の今と昔を徹底レポート!

ココがキニナル!

ホテルニューグランドにあるシーガーディアンⅡ(ツー)を特集してください。ちなみに横浜そごうにシーガーディアンⅢ(スリー)もありますが、シーガーディアンⅠはないのでしょうか。(悠介さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

1927(昭和2)年にシーガーディアンが開業し、現在はシーガーディアンⅡ(ツー)、Ⅲ(スリー)の2店舗が営業中。それぞれの特徴は記事を参照。

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ライター:篠田 康弘

日本の百貨店で唯一の英国式本格バー、シーガーディアンⅢ(スリー)



そして横浜市内には、シーガーディアンがもう一軒存在する。それがこれから紹介する「シーガーディアンⅢ(スリー)」だ。こちらは2005(平成17)年の開店で、そごう横浜店の10階にある。
 


シーガーディアンⅢ(スリー)


こちらでは前述の和田さんと、バーテンダーの氏家秀信(うじいえ・ひでのぶ)さん、そしてそごう横浜店販売促進部・広報の花岡陽子(はなおか・ようこ)さんからお話を伺った。
 


バーテンダー、氏家秀信さん
 


そごう横浜店の花岡さん
 


シーガーディアンⅢ(スリー)の店内


シーガーディアンⅢ(スリー)をそごう横浜店に開店した経緯について、和田さんと花岡さんに伺った。

当時ニューグランドでは「本物のバーを多くの人に紹介したい」と思っており、同じころそごう横浜店では飲食フロアの改装を計画しており「横浜でナンバーワンのバーに出店してもらい、ほかの百貨店にはない場所にしたい」と思っていたそうだ。そんなお互いの思いが一致し、横浜にしかない「本物のバーがある百貨店」が誕生したとのことであった。

客層についてだが、氏家さんによれば百貨店という場所の違いもあり、シーガーディアンⅡ(ツー)よりも若いお客様が多く来店するとのことであった。海が見えるという開放感もあり、注文されるメニューの傾向も若干違っているそうだ。

 


逆方向から見たシーガーディアンⅢ(スリー)店内。左奥の窓の外には横浜港が広がる


そんなシーガーディアンⅢ(スリー)の特徴としては、シーガーディアンⅡ(ツー)がバータイムのみの営業であるのに対して、こちらは午前11時午後5時までをティータイムとして、お酒以外の飲み物や菓子を提供している点が挙げられる。今回はティータイムに販売されている、コーヒーor紅茶とケーキを味わえるケーキセット(1300円)をいただいた。
 


ケーキセット


通常は飲み物一杯とケーキ1個だが、今回は撮影用にモンブランとサヴァランを用意していただいた。コーヒーはシーガーディアンⅢのオリジナルブレンドで、菓子類はホテルニューグランドで手作りしたものを持ち込んでいるとのことであった。
 


モンブラン


モンブランは栗本来の味を最大限まで引き出した濃厚なクリームと、しっかりとしたスポンジの食感が最高の相性を生み出している。甘いけれど甘くない、大人のためのケーキだ。
 


サヴァラン


サヴァランはしっかりと染み込んだお酒の味に、生地とクリームの上品な甘さがとても良く合っている。濃厚で芳醇な、まさに大人の味である。

氏家さんによれば「シーガーディアンⅢ(スリー)のターゲットは大人。大人のための大人の味を提供しています」とのことであった。昼下がりにこのような菓子を食べ、おいしいコーヒーを飲む時間は、まさに大人の優雅なひと時だ。

 


カクテルはティータイム中でも飲むことができる


そして酒類だが、酒類は営業時間を通して販売しているので、ティータイムでも飲むことができるとのことであった。どのようなカクテルがお勧めかを氏家さんに伺ったところ「シーガーディアンと言えば、やはりヨコハマとバンブーでしょう」ということであったので、この2つをいただくことにした。

まずはヨコハマをいただいた。横浜の色と言うと青を連想する人が多いと思うが、氏家さんいわく、横浜=青のイメージは、1968(昭和43)年のいしだあゆみのヒット曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』によって作られたといわれている、とのこと。ではそれ以前からあるヨコハマの色は何色か? 答えは以下の写真を見てもらおう。

 


ヨコハマ(1360円)


そう、ヨコハマの色は赤である。氏家さんによれば、これは客船が入港するときの夕焼けの色を表現しているとのことであった。

引き続きヨコハマに関する話を伺おうとすると「お話は後にして、まずは飲んでみてください」と勧められた。言われるままに飲んでみると、飲み口がシャリシャリとしている。どうやら細かく砕いた氷が浮かんでいるようだ。なるほど、この食感を溶けてしまう前に楽しんでほしいということだったのか。

 


カクテルの表面に、細かい氷が浮かんでいる


ヨコハマはジン、ウオツカ、オレンジジュース、グレナデンシロップ(ザクロの果汁のシロップ)にペルノを一滴加え、氷と一緒にシェイカーでシェイクするカクテルなのだが、シーガーディアンではシェイカーを“ハード”に振る伝統があるため、氷が砕けてカクテルの中に入ってしまうそうだ。偶然生まれた副産物が、ほかにはない飲み口を生み出しているのだ。

オレンジジュースやグレナデンシロップが入っているヨコハマは、甘くて飲みやすいカクテルだ。氏家さんは「“ヨコハマ”は口当たりがよく、当店の看板カクテルです」と話していた。

 


ヨコハマは口当たりのよい、飲みやすいカクテルだった


ヨコハマに続いてもうひとつの名物、バンブーをいただいた。
 


バンブー(1360円)


グラスに注がれたバンブーを見ていると、どことなく和を感じる気がした。そして実際に飲んでみると、口当たりのよさの中に独特のコクがあり、日本酒に近いように感じた。
 


どことなく和を感じる


バンブーはドライシェリー、ドライベルモット、オレンジビターズを混ぜたカクテルだ。シェリーもベルモットも強い酒だが、絶妙のバランスで混ざり合うことで口当たりがよくなり、オレンジビターズが加わることで独特のコクが生まれている。

こちらはヨコハマとは好対照な、竹(バンブー)をスパッと割ったような、とてもすっきりとしたキレのあるカクテルだ。ゆっくり、じっくり味わいたい一杯だ。

 


バンブーはゆっくり、じっくりと味わいたい


なお氏家さんによれば、ヨコハマもバンブーもシーガーディアン発祥のカクテルではないそうだ。ヨコハマは明治から大正にかけて横浜に寄港していた客船の中で出されていたカクテルで、バンブーはグランドホテルの支配人だったルイス・エッピンガー氏が考案したものだそうだ。どちらもシーガーディアンでは1927(昭和2)年の開業当時から提供しているとのことであったので、歴史を重ねていくうちに名物になったのだろう。
 


バンブーが誕生したグランドホテル


氏家さんいわく「ヨコハマとバンブーを作れるようになって、初めてニューグランドのバーテンダーになれる」とのことであった。ただレシピなどはないので、先輩の仕事を見ながら作り方を覚えていき、常に変わらない味を表現できるようになって初めて、一人前のシーガーディアンのバーテンダーとして認められるそうだ。

場所は変わっても、シーガーディアンの80年以上に渡る伝統が間違いなく継承されているのだ。

最後に氏家さんに面白い話をうかがった。シーガーディアンⅡ(ツー)・Ⅲ(スリー)どちらのカウンターにも肘掛けがあるのだが、あれは肘掛けなのではなく手すりだそうだ。客船の中にあるバーには揺れた時につかまるための手すりがついており、客船の中をイメージして作られているシーガーディアンにもそのまま受け継がれたのだそうだ。

 


シーガーディアンⅢ(スリー)のカウンター


また揺れた際にグラスが飛び出さないように、カウンターの端には返しが付いていたりと、見えないところにおしゃれ心が満載されているのだ。

買い物帰りにちょっと寄るのもよし、夜に夜景を楽しみながらゆっくりグラスを傾けるのもよし。シーガーディアンⅢ(スリー)は、バーの新しい可能性を感じる空間だった。



取材を終えて



今回の取材を通じて、バーは酒を楽しむだけの場所ではないのだなということを知った。その店の内装、音楽、風景、店員、酒、そして客、これら全てが組み合わさって初めて、バーという空間の本当の味わいが生まれるのだ。これからは口で酒を味わうだけでなく、全身の感覚を駆使して、そのバーが持つ魅力を体験するようにしよう。シーガーディアンⅡ(ツー)・Ⅲ(スリー)の関係者の皆様、素晴らしい経験をさせていただきありがとうございました。


―終わり―


シーガーディアンⅡ(ツー)
住所:横浜市中区山下町10番地 ホテルニューグランド本館1階
電話番号:045-681-1841(代表)
営業時間:17:0023:00(LO22:30)
定休日:無休
ホテルニューグランドHP:http://www.hotel-newgrand.co.jp/

シーガーディアンⅢ(スリー)
住所:横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店10階「ダイニングパーク横浜」内
電話番号:045-465-5995
営業時間:11:00〜23:00(LO22:30)
ティータイムは11:0017:00(LO16:30)
定休日:そごう横浜店の定休日に準じる
そごう横浜店10F「ダイニングパーク横浜」
HP:https://www.sogo-seibu.jp/yokohama/diningpark/
 

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  • みやもとさん、ありがとう。此が全てです。

  • 大好きなバーです♡

  • 昔勤めていながら知らなかった素敵な逸話に感動です。改めてHNGファンになりました。有難うございました。思い出一杯の勤務時代に思い残す事唯ひとつ、フロントから間一髪で裕次郎さんの後ろ姿しか見れなかった事です(笑)

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