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工事中に氾濫!? 保土ケ谷駅近く「終わらない河川工事」の進捗は?

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保土ヶ谷駅そばの踏切周辺の河川工事は、いつごろ改修が終わるの?(えみりさぱぱさん)/上岩間踏切周辺の河川工事の影響で自動車の迂回路が通りづらい。工事が何の目的?(shutanさん)

はまれぽ調査結果!

河川の治水対策が目的。踏切付近はJR線の線路下の河川工事であることなどの影響で、2010年度末完成予定だった工事が、2017年度完成予定になった

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ライター:小方 サダオ

再び現地を訪れる



十数年ぶりに道路の形が以前のように戻った、という情報が入ったので、再び現地に向かった。以前の曲がりくねった迂回路はなくなり、まっすぐ通れるようになっている。

 

道がまっすぐに通れるようになった
 

前回訪れた時の迂回路(写真右)の先が工事現場に変わった
 

現場では重機が作業をしている
 

以前の曲がりくねった迂回路はなくなり、まっすぐ通れるようになっている。

 

大掛かりな工事のようだ
 

踏切の左折帯の工事だろうか
 

踏切の前の左折帯は踏切事故時の渋滞解消のためだろうか
 

前出の近藤さんに話を伺うと「道が以前のようにまっすぐに戻ってくれてよかったです。走りやすくなったからか車はスピードを出すようになりましたが、人通りも多くなった印象で、助かっています」と答えてくれた。

 

整備後、線路の下をまっすぐに流れる今井川
 

JR線の線路の下ということで時間がかかったことについて話すと「JRの敷地の工事は、JRが主体で行っているようです。自社で全部施工を行うため、お金がかかるようですが、市が行っていたら半額ぐらいで済む、という話もあるようです」

「また今井川は2級河川のため、神奈川県の治水事務所の管轄になります。国の予算と関わるため、2009(平成21)年に行われた『事業仕分け』の費用のカットの対象になったと聞きました」

 

「かなざわ道」の道標
 

保土ケ谷宿の史跡などが示された案内図
 

「工事現場を通る道は、『かなざわ道』という歴史的価値があることをもっとアピールして、散策などの利用者が多くなれば、もっと早く工事をしてくれたかもしれませんね」と答えてくれた。

続いて近藤さんに町内会の事情に詳しいYさんを紹介してもらった。

工事現場の近くに住むYさんに話を伺うと、工事が影響して災害が起こったという。
「2004(平成16)年の工事を始めるときに、まず川の中にH鋼という杭を打ちました」

 

工事開始時に杭が打ちこまれた
 

台風22号で浸水した区域
 

「まず川を広げるシミュレーションをして、問題ないかどうかを確認してから杭打ちを行ってほしかったです。工事を開始した2004年に大型台風(台風22号)が来ました。しかし川幅はそのままの状態で川に杭が立っていたので、予想通り川の水が堰き止められ増水。今井川沿いの道路や住宅など周辺一帯が水浸しになったのです。自宅も浸水し、畳28枚がダメになりました」

 

「今井川水害対策委員会」による取り組みの経過概要
 

「工事現場上流の保土ヶ谷町では50軒が被害に遭いました。原因は川の中に立っていた杭が流れを堰き止めたためだったので『天災ではなく人災だ』と主張し『今井川水害対策委員会』を発足し、市と話し合いをしました。しかし当局は『河川の現況流下能力を超えた時間最大64~71mmを記録したため』と『杭が原因である』ことは認めず、住民の補償要求にも応じてくれませんでした」

「工事の影響で増水したことの証拠に、2014(平成26)年の台風18号の際も今井川は危険水位の状態となりました」

 

ボックスカルバート内部の様子。これで川をまっすぐにし幅を確保した
 

「この工事は線路の下で曲がっている川をまっすぐにする整備です。誰も要望していません。今まで70年間一度も川があふれたことなどはありませんでした」と答えてくれた。

 

「今井川水害対策委員会」の要望と市の対応の概要
 

また、そのほかの住民に工事に関して伺うと「夜間工事ですよ。うるさくて寝れませんよ。長年悩まされていますが、我慢してきました」と答えてくれた。

 

保土ケ谷橋の交差点
 

保土ケ谷橋の付近は台風22号で浸水した
 

工事現場の上流が台風22号で増水
 

前出の台風の被害に関して国道1号線沿いのお店のKさんに伺うと「あの日は夕方になって前が見えないほどの雨が降ったのでシャッターを閉めましたが、シャッターの隙間から水が入ってきました。あっという間に水位がひざ上くらいまで上がって、商品はもちろん、家の1階にあった着物などが入った洋服ダンスも浸水し、すべて捨てました。上流では首まで水に浸かりながら柱につかまって助かった人もいましたね」と答えてくれた。

 

工事現場のすぐ上流が鋭角に曲がっている
 

保土ケ谷橋の上流の被害を受けたあたり
 

被害を受けた家では体調を崩す人たちがいた、という
 



取材を終えて



増水を防止するための整備工事が原因で河川の増水が起こり、被害が出たのなら皮肉だ。
Yさんは工事前は氾濫した記憶がないというが、今井川は以前の金沢橋の下を流れる形で問題なかったのかもしれない。ただ、今はゲリラ豪雨などの現象もあり、昔とは状況が変化している部分もあるのだろうか。

 

歴史ある旧東海道に沿って流れる今井川
 


―終わり―
 
 

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  • この工事、最初は 環状1号線がとうとうJRをパスし旧東海道側と井土ヶ谷/保土ヶ谷橋側がつながるんだなと思ってました。 

  • 地名でも分かるように元々谷の下にある土地なので、大雨降れば洪水になることは分かっていた。人間の都合で川幅を狭め、地面をコンクリートで覆い、それが更に洪水を招いている。洪水被害はきちんと都市整備を進めなかった行政の責任であり、工事の遅れはJR側と連携を取らず、独自で計画を進めようとしたため調整が上手くいかなかった結果でもあり、ここにも役人の上から目線が引き起こした失策がここまでもたらした。渋谷のように地下に大きな水路を設けないと、最近頻発するゲリラ豪雨に対処出来ず町全体が水浸し、鉄道、国道の大動脈も寸断し、どれだけの被害が発生するか?行政はそこまで考えているのかな?

  • 踏切付近はJR線の線路下の河川工事であることなどの影響で・・・最初からJR踏切下は解っている事なので、それが理由の遅れは理解出来ないですよ!この工事に限りませんが、全てに渡り予算にしても工期にしても当初の計画が「承認させる為の偽装」としか思えませんね!

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