早朝6時から反町に漂うコーヒーの香りの正体は?
ココがキニナル!
反町駅近くに朝6時にオープンしている珈琲屋があります。まだ通勤する人もまばらな時間にコーヒーの香り。周りは住宅地なためお客はそんなにいるようには思いません。なぜこんなに早く?(ハムハムさん)
はまれぽ調査結果!
自家焙煎コーヒーのカフェ「NAGI COFFEE」。焙煎時の香りが生活時間に街に漂わないようにと早朝に焙煎をしており、午前6時からモーニングが食べられる。
ライター:紀あさ
NAGI COFFEEのメニュー
メニューには、コーヒーのほかアルコールやスイーツもある(※クリックして拡大)
一番人気は、オリジナルブレンド。
ブラジルとグァテマラとコロンビアとマンダリンを配合
ナギブレンド、200グラムで950円
それぞれの豆を別々に焼いて、焼きあがったものを最後にブレンドするアフターミックスという手法を用いる。焼き上がりの日付は豆ごとにずらし、たとえばブラジルは今日、グァテマラは昨日、マンダリンとコロンビアは2日以上前に焙煎したものを混合させる。
「焼き立ての豆は苦味・酸味・コク・香りなどの特徴が個々に際立っていますがその分やや荒々しい。焙煎して2日目の豆はそれらの特徴がひとつにまとまって落ち着きが出ます。豆自身の持つ特徴のほかに、日にちによって感覚が変わってくる。異なる豆を混ぜた時にカップの中で踊ってくれるような感じになるのは2日目あたりの豆なんです」
日を変えて飲むとまた違う味わいに
「僕はそれを心地よいブレと呼んでいますが、でもコーヒーは不思議なもので、おいしいコーヒーであればあるほど、その人の体調によって味が変わるんですよ」
飲まれるまでは未完成。お客様がどういうふうに味わうかを含めて、飲んだときにコーヒーが完成する。どう感じてもらえるのかと、淹れるほうも楽しい。
スペシャリティコーヒーも提供しており、その時その時で品ぞろえが変わる
ブラジル、セルトン農園の百年樹から収穫された品種、レッドブルボンを味わった
「コーヒーがおいしいと通常は『マスター上手だな』と思うけれど、このコーヒーはマスターを通り越えて、『農園さんいい仕事!』とお客さんが感じられるほどすばらしい豆です」と中村さん。残念ながら取材日時点で在庫僅少で、現在は完売。
ほかにも希少種のエチオピアのイルガチェフ
バニラのようなホワイトチョコレートのような芳醇な甘い香りと、ふくよかなコク
ハーフサイズのアボガドサンド、450円。最大厚さ8cmもあるサンドイッチ
要予約の「ナギシュープリーズ(1200円)」。パンの器も食べられる
日替わりのスープは、雪化粧(白カボチャ)など珍しい野菜を使う日もある
どれも、本当においしい。
そしてコーヒーがなくなるころにおかわりを注ぎにきてくれたりと、気配りが行き届いていた。
NAGI COFFEEの夢
早朝、ほかのお客さんは現れず、ずいぶんゆっくり中村さんと言葉を交わした。話をそのまま紹介したい。
「たとえばひとりで静かに楽しみたい人と子連れのお客さまがいて、それは相反するものなんだけど、でもうちの店にいるときは『やなタイミングできちゃったな』という思いじゃなくて温かな気持ちで、『こどもがいるな』と見守って、子連れのお母さんもひとりのお客さんがいることを気遣ってくれるような雰囲気を促すことはできる。それが空気で、僕は芝居でやってきた空気作りで、そういう風な空間にしたいんです」
午前8時30分ごろ、妻(愛称:みるきさん)がカウンターに加わった
「もしとげとげした気分で入ってきたとしても、この空間の中では丸い心でいられて、自分が好きになれる。それが喫茶店のいいところ。子どもはすごく学習能力が高いので、それまで騒いでいた子がその空気を感じて、マナーがよくなっていく。そうすると子どもが成長する。今、お店で子どもが成長できる場所って少ないので、そういう意味でも小さいころに子どもたちが来てくれて、その経験がゆくゆく大人になった時に、NAGI COFFEEのおかげだ・・・って絶対思わないんだけど」
「絶対思わないんだけど!」と笑顔で繰り返す
「でも、その子が大きくなって偉業を達成したり、すてきな大人になっていたりしたときに、たぶん僕はすごく喜ぶと思う。そのことを知ったら、とても幸せな気持ちになるだろうと思う」
「お店にきてくれていた子がそうなって、結婚して自分の子どもを連れてまたお店に来てくれるような喫茶店になれたら」そう夢を語ってから「・・・というのはね、アロマ珈琲がそういうお店なんですよ」と静かに笑った。
3代続くお客さんがいるお店。NAGI COFFEEはまだ2年目になったばかりだけれど、カフェの未来は、きっとそういうふうに続いていくんじゃないかって、そんな気がした。
凪(なぎ)
随分長居をしてしまった。
もう9時。早朝ではなく朝の光
天気が良くて、風がやさしくて、雲が空にふわりとたゆたっていた。
NAGIに込められた思いは、凪。風がやみ、波が穏やかになること。
きっと今ごろ、海は凪かな
取材を終えて
名店になりそう、そんな予感のするカフェだった。早朝だけでなく夜の時間にも寄ったが、夜はお客さんがゆったりと過ごしていて、何気なく交わされていくお客さんとの会話はそばにいて心地よかった。
閉店は午後7時だが、週に2回だけ、みるきさんのみで午後9時まで店を開ける。
夜カフェは「みるきカフェ」の名で、みるきさん手作りのろうそくを灯す
カフェだけでなく、地域とも交流したいと、同じ建物に入る4店舗合同で月に一度、第4土曜日に蚤の市を開催している。
次回11月25日(土)は蚤の市の1周年、ぜひ行きたい
蚤の市の日だけ開く、オーナーさんの西洋骨董店も目玉
NAGI COFFEEの照明はそのお店からのもの
また、中村さんの原点となった東京駅のアロマ珈琲ってどんなお店なんだろうと、後日、八重洲地下街を訪れてきた。
棚に並ぶサイフォンと、さらに分厚いこのトースト!
中村さんを知る人がいるか尋ねると、社長は不在だったが店長がおられた。写真を頼んだら「大丈夫です! 店長、今日イケメンです!」とスタッフが店長を和ませてくれるような、いい雰囲気のお店だった。
店長の西村さんから、中村さんに一言・・・「ガンバレ!!!」
―終わり―
NAGI COFFEE
住所/横浜市神奈川区松本町3-22-8 ロイヤルドレイク103
電話/045-548-9175
営業時間/7:30~19:00 (火曜休み) 19:30~21:00(月・水のみ)
HP/https://www.nagicoffee.com/
蚤の市
ロイヤルドレイクにて、毎月第4土曜 9:00~13:00
hamatoraさん
2018年03月24日 15時17分
いつも朝前を通るたびに気になっていました。今度立ち寄ってみたいと思います♪
三日坊主さん
2017年11月25日 00時18分
これは良さそうなお店ですね……是非、行ってみたいです。