鶴見区の住宅街の一角にある四季折々の植物が完璧に手入れされている「馬場花木園」とは?
ココがキニナル!
「馬場花木園」は四季折々の植物が完璧に手入れされた庭園。なぜこの住宅地にあり、一角にある屋敷は植物好きの誰かの寄贈か。無料とは思えない素晴らしさ、もっと評価されるべきだと思う(タロー先生さん)
はまれぽ調査結果!
馬場花木園は古民家と日本庭園を備える風致公園。横浜市が藤本家の屋敷を取得、整備して開園。多くの利用者を求め無料に。都市化で失われる自然と日本の歴史文化を残す素晴らしい空間だ。
ライター:久保 仁美
馬場花木園について横浜市の担当部署へ
古民家や植物の管理など維持費がかさむであろうことを来園者の一人として心配になってしまった。横浜市環境創造局北部公園緑地事務所の担当係長・鹿島祐(かしま・ゆう)さんに、無料である理由も含めて疑問をいくつかぶつけてみた。
黙々と仕事をする事務所の人たち
――なぜ無料なのですか?
(リニューアル)当時、有料化を検討したこともありましたが、多くの方々に広くご利用していただけるように無料の施設といたしました。ですが、無料に関係なく、花木園として名に恥じないように高水準を下げないよう努めていきたいと思っております。
――管理費は年間おいくらですか?
(古民家部分が拡張された)今年度の公園全体の指定管理料(人件費、事務費、光熱費、清掃費、施設保全費等を含む)は約4000万円です。
――なぜ「馬場花木園」は風致公園として開園したのでしょうか
花木園近辺(馬場)の優れた自然の景観や昔ながらの古民家周辺の景観を守るためです。
――植物公園との違いは?
植物公園は、市内では南区の「こども植物園」がその代表ですが、植物公園とするには馬場花木園は規模が小さく、違う種別だと考えております。
鹿島さんからお話を伺い、横浜市の役割やサポートがどのようなものなのかが理解できた。
当園は維持や管理に関わる人たちにはもちろん、周辺住民の多くに愛されていることがわかる。手入れが行き届き、塵が一つもない。季節を彩る植物があふれる日本庭園の中には古民家が見事にマッチして、散策していると雑踏に揉まれて生きている日常の時間を忘れていた。住宅街を抜けて突如現れる、昭和初期へタイムスリップしたような、懐かしさがこみ上げてくる空間だった。
取材を終えて
「鶴見駅」と「菊名駅」のちょうど間で、便が悪いのに専用の駐車場もない。近隣に知らない人がいるのも実情だ。しかし、リニューアルされた古民家は、日本人の心を引き継ぐかのように素材と技術にこだわり、「伝統」を守り、生活に密接した「歴史」を学べる場所だ。高齢者から子どもまで楽しめる風致公園で、耐震対策した建物、園内の通路はスロープ状で幅は広く、多目的トイレもバリアフリーを施して時代のニーズにも応えている。俳句、紙芝居の教室も行われて、思った以上に地域住民に一役を買っていた。
リニューアルオープン時に来場者へ配布された8枚のハガキ
上記の来場者に配られたハガキの通り、当園は四季折々の見どころが凝縮された場所だと言えるだろう。大盛況の春祭りでは1300~1400名の来園者を記録したこともあるそうだ。
華々しい時期とは対照的に閑散としていた今回だったが、裏側で支える人たちの強い思いが伝わってきた。自然や歴史文化に触れることで、心を充実させれば「これからを生き抜く力」を得られるだろう。
ひっそりとした“桃源郷”へ、今度は鮮やかな色のある季節に訪ねてみよう。道に迷うことなく!
―終わり―
取材協力
馬場花木園
住所/横浜市鶴見区馬場2-20-1
電話/045-585-6552
開館時間/通常9:30~16:30、7月~8月9:30~17:30
休館日/毎月第3火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
アクセス/JR「鶴見」駅西口またはJR・東急東横線「菊名」駅から、川崎鶴見臨港バス鶴01系統「東高校入口」下車徒歩約8分
JR「鶴見」駅西口から、市営バス41系統または38系統(鶴見駅西口循環は不可)「西寺尾建功寺前」下車徒歩約8分
※駐車場なし
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/babakabokuen/
株式会社 建文
住所/東京都中野区中央1-22-13
電話/03-3365-0771
http://www.kenbun.co.jp/kaisyagaiyou.html
横浜市役所環境創造局 北部公園・緑地事務所(こども自然公園内)
住所/神奈川県横浜市旭区大池町65−1
電話/045-353-1166
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/kankyo/soshiki-gyomu/hokubukoen.html
参考資料
馬場花木園の「旧藤本家住宅及び東屋」を含むエリアについて(横浜市記者発表資料)
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kankyo/2019/10311042104.html
川崎市立日本民家園
http://www.nihonminkaen.jp/http://www.kenbun.co.jp/kaisyagaiyou.html
横浜市こども植物園公式
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/kodomo/
ウォッカさん
2020年03月24日 18時00分
記事、大変面白かったです! 行ってみたくなりました。ただ、ツワブキのキャプションがある画像は、椿ではないでしょうか? おそらくツワブキはその手前にあったのだと思います。黄色い花の、違う植物ですよ。
三日坊主さん
2020年03月24日 12時55分
此処は一度、お茶会か何かの催しで行きたいと思い、バスの路線図を見たり、主催者にバス停からの行き方を聞いたりしましたが、非常に分かりづらく、時間が無かった事もあり断念した記憶が有ります。
先日、某参院議員が (国会を揶揄して) 「鯛は頭から(総理大臣から)腐る」と発言し、言われた側が小声でオフレコで言った発言を聞き咎めて物議を醸しました。
横浜市政とその長も、同じように言われても仕方がないような事ばかりしてますが、此の馬場花木園に携わった方々は、とても良い仕事をされていると感動致しました。
中区の三渓園にも匹敵するかと思われ、今後の発展を心より祈願し、私も寄与出来る部分があれば、したい位です。
柴犬さんさん
2020年03月24日 11時29分
真冬の取材だと魅力が伝わりにくいけど、確かに季節ごとの楽しみがあるからリピートしちゃう。蓮は壮観だし、藤も良好きだけど、個人的には牡丹がお気に入りです。アクセス悪いし、最初の数回は絶対迷うけど、行く価値はある!コロナで民家内入れなかったりしたけど、これからの季節が真価を発揮していくから、また行かなきゃ