突撃レポート! 観音崎の猫、何匹?
ココがキニナル!
観音崎に行ったときに、野良猫をたくさん見かけました。以前、江の島の猫が何匹いるのか調査されていましたので、今度は観音崎の猫が何匹いるのか調べて下さい。(めぇ。さん)
はまれぽ調査結果!
時期をずらして二度にわたり実施した観音崎の猫探しだったが、甚大な被害をもたらした昨年2019年の台風15・19号の影響は、いまだにこの地域の猫たちにも及んでいる模様。猫の数は極端に少ない。
ライター:結城靖博
その観音崎の猫探しを最初に実現したのは、昨年、2019(令和元)年の秋もたけなわ、10月半ばのことだった。
神奈川県立観音崎公園の場所
1回目の取材は台風19号の直後だった
だが、この取材時期は実にバッドタイミングだった。なにしろ、10月12~13日にかけて未曽有の被害を関東にもたらした台風19号が去ってから、まだ1週間と経っていなかったからだ。
台風はすでに去り、季節は秋の行楽シーズン、この先だんだん寒くなるから今のうちに取材しておこうと思った筆者の考えはまったく甘かったことを、取材を進めていくほどに実感することになる。
公園内各所に掲示されているMAP
まずは「観音崎」のバス停留所がある第1駐車場付近から、北側岩場の海岸沿いを、灯台を巻くようにして歩いてみることにする。
第1駐車場付近から入った園内の入り口
入り口には早くもこのような掲示が
台風の被害のために、園内いたるところが立ち入り禁止になっているようだ。
そして海に目を向けると、こんな光景が。
ショベルカーで海岸に打ち寄せられた漂流物を撤去している
観音崎が誇る岩場の景観はこの有り様
海岸にはどこから流れ着いたのか冷蔵庫まであった
そんな海岸沿いの道を行けども行けども猫はおらず
目にするモノは海から打ち寄せられたゴミばかり・・・
ただ、途中素晴らしく美しいアオサギに遭遇。ちょっと満足
けっこうな距離である。息が切れる
やっとたどり着いた灯台周辺を探すが、やはり猫の姿はない
灯台入り口のチケット売り場の女性に言われた。
「この辺は、もともと猫はあんまり見ませんよ」
「早く言ってよ~」と思いつつ、ため息をついて、また坂を下る。
その後さらに海岸沿いを進むとトンネルがあった
ここまで、いまだ猫ゼロ匹。
トンネルの先はいかがなものか?
トンネルを抜けると海岸東側の「展望園地」に続く
「展望園地」には博物館やレストランがあり
そして、開放的な砂浜が広がる
でも、猫はいない。
海側の背後には広々とした芝生の「たたら浜園地」があり
この奥には、豊かな森を散策できる樹林地があるのだが・・・
その入り口は閉鎖されていた
しかも、案内板が台風の影響でひしゃげている。
こりゃ、もうダメだ。収穫ゼロと決め込んで、「たたら浜園地」入り口に戻る。
そしてちょっとトイレに立ち寄る。すると・・・
茶トラが1匹、ふらりと姿を現した
「お待たせニャ~」とか言ってそう
そしてズンズン近づいてきて
いきなりリラックスしてしまった
ふと気がつくと筆者の背後にもう1匹が
この子はお洒落な道路用ボラード(境界杭)にやたらとスリスリしたのち
「うち、来る?」って表情で筆者を誘う
誘われるままについて行くと
「ここが我が家ニャ!」とかなんとか言ってそう
我が家にてくつろぎの表情を見せる
結局この日は、この2匹以外とは出会えなかった。
2匹を撮影しているときに通りがかったご近所の女性が教えてくれた。
「もともとこの辺にはもっとたくさん猫がいたのに、台風以降急に姿を見なくなった。もしかしたら、誰かが保護したのかもしれませんね」
そうであればいいと心から思いつつ、この日の取材を終えた。
2回目の取材は外出自粛要請の直前だった
せっかくそこそこ遠い距離に足を運んで「ハイ、猫は2匹でした」で終わるのはあまりにも無念だ。というわけで、もう一度日をあらためて取材をしたいと思いつつも、観音崎の樹林地の閉鎖はなかなか解けないまま冬を迎える。
冬は猫も寒くて活動が鈍る。暖かくなるのを待って再度取材を実行したのは、三浦半島の桜が咲き乱れ始める今年2020(令和2)年3月下旬だった。
観音崎公園へ続く海沿いの県道は桜のトンネルに
しかしその日は、新型コロナウイルスの感染拡大で黒岩知事が神奈川県下の外出自粛要請を出す直前でもあった。1回目は台風直後、2回目は自粛直前・・・なんとも観音崎の猫探し取材はタイミングがままならない。
「今日こそはたくさん猫に会えますように!」
そう祈って、取材前に観音崎公園近くの走水(はしりみず)神社に手を合わせた。
そしてまた、「観音崎」バス停留所のある観音崎公園 第1駐車場の前に降り立つ。
平日だというのに駐車場にはかなりの数の車が止まっていた
前回と同じ地点から取材を開始
5ヶ月前は漂流物で悲惨な状態だった岩場は、さすがにきれいになっていた
それにしても、やっぱり行けども行けども猫の姿はない
今回は、もともと猫はいないと言われた灯台はパスして、海沿いの遊歩道をどんどん歩いて行く。
そしてまたトンネルに突き当たる
この間、今回も猫ゼロ匹・・・。
「たたら浜園地」に期待を託すべし
トンネルをくぐって、前回2匹の猫に出会った「たたら浜園地」へ向かう。
さぁて、今回も会えるかな?
だがトイレの前にもその周辺にも、猫の気配はない
園地内に入ってみると・・・
樹林地の入り口は、いまだに閉ざされていた
海沿いもひと通り歩いてみたが、猫不在
今回もなかばあきらめかけてトイレのほうに戻る。すると「おやっ?」。
トイレの横の茂みにおるではないか、モコモコしたものが
声をかけるとすぐに近づいてきてポーズを決めた
右耳のカットの形、きれいな尻尾、そしてこの人懐っこさ
しばらくすると茂みの中からまた1匹登場
でも、今回もこの2匹だけかなぁと思っていたら・・・
茶トラの後ろに初めて見る猫が
ただし、この子は近づくと遠ざかり
すぐに茂みの奥へ消えていってしまった
それから間もなく、ニコニコと笑みをたたえたお婆さんがやってきた。
人懐こい2匹の猫は急ぎ足でお婆さんのもとへ
さらに男性も現れて、二人で猫たちにエサを与え始めた
男性に聞いてみると、ほかにもこの辺りの地域猫の世話をしている地元の人たちが何人かいて、それぞれ決まった時間にエサをやりに来るという。
どうりで人懐っこいわけだ。
ちょうど何回目かのエサの時間に鉢合わせて、ラッキーだった。
男性は「どうしても懐かない猫が1匹いるんですけどね」と笑って言う。きっと先ほどのすぐ去ってしまった猫だろう。
話を聞いている間に、男性が「おっ!」と言って通りのほうを指差した。「初めて見る猫がいますね」。
キジ猫がちょこんと座ってこちらを見ていた
まだちょっと小さいようだ。新人さんか?
舌をペロンペロンさせながら近づいてきた
よく見るとけっこうカワイイ
もう一つの猫スポット、「展望園地」へ
男性は、ほかにも猫がいそうな場所を教えてくれた。そこは、通りを隔てて少し離れた海沿いの展望園地。
「その駐車場近くのトイレ周辺にもいることが多い」と言われて、行ってみた。
だが、トイレの周りをぐるりと歩くも猫は見当らず
続いて展望園地に上がってみる
園地内のこういう生垣の中にもいると、男性は言っていた
いくつかあるその緑のサークルを一つずつ覗いていくと・・・
いた
奥を覗くともう1匹。親子だろうか、白黒の柄が対照的だ
でもこの2匹はとても警戒心が強いので、すぐに離れてあげた
展望園地でもうしばらく猫を探すが、この2匹以外は見つからなかった。
ここも、まだ去年の台風の影響による通行止めがある
そんな光景を確認して展望園地を降りると・・・
歩道の茂みからフラリとさっきのキジ猫が現れた
後ろ髪を引かれる目線で見上げられる
別の茂みから例の「2番目」君もヌッと顔を出した
「バイバイ、またね!」と言われた気分
そろそろ日が傾き始めた時刻、観音崎をあとにすることにした。
結局、第2回の取材で出会った猫は6匹。一応、1回目の3倍だ!
取材を終えて
おそらく昨年の台風15・19号が来る前までは、猫たちはもっとずっとたくさんいたのだろう。だが、数は少なくともそれぞれに個性的な猫たちに出会えた。
また、一度目の取材で撮影した2匹と再会できたことが、とても嬉しかった。
すでに書いたように、この取材から間もなく、神奈川県下に外出自粛要請が出された。しばらくあの猫たちと会えないかもしれない。だが、いつかまた出会うときも、元気な姿を見せてほしいと心から願う。
―終わり―
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TIMEさん
2020年05月02日 01時54分
こんにちは。東京から観音崎までよく自転車で通う者です。一時期、ネコがほとんどいなく、心配していましたが、ご丁寧なレポートをありがとうございます
Koko0713さん
2020年04月17日 17時42分
こういうネコを調べるレポートをしっかりやるのはハマレポの一番嬉しいところ
ヒナさん
2020年04月13日 19時16分
癒される記事をありがとうございます。
やっぱり動物は良いですね。早く終息し、また気軽に動物園へ行ったり観音崎公園へ行ったりできる日が来ることを願うばかりです。