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京急北久里浜駅近くの奇抜な謎の建物の正体は?

ココがキニナル!

横須賀市の北久里浜駅近くに歪んでいる建物がある?なぜ、そんな形になっているの?(619さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

北久里浜駅近くにあるマンション「ナヴィール北久里浜」がアンバランスな形になった理由は、建物・人・社会のつながりを重視し、計算しつくされたから

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ライター:カメイアコ

倒壊寸前? 斜めすぎるマンション



かの偉大で異色の建築家アントニ・ガウディ作『サグラダ・ファミリア』が、2026年完成予定というニュースに胸を熱くして久しい。ガウディが構想した設計図にようやく技術が追いついたのかと思うと、どれほど難解かつ前衛的なデザインだったかがうかがえる。

 

ところで神奈川のサグラダ・ファミリアはいつ完成するのか
 

そう、なにを隠そうライター・亀井は建物フェチである。散歩中に通りがかった工事現場をぼーっと眺めたり、動画サイトでマンションの解体映像を見たり、廃墟写真集を読み漁っているときは、唯一何も思考せずにいられる至福の時だ。

するとそれを知ってか知らずか編集部・小島が「亀井さん、横須賀市の北久里浜駅近くにすごい建物ありましたよ!」とものすごくざっくりと報告してくるではないか。

 

行くしかないっしょ北久里浜駅
 

京急線北久里浜駅改札を出て、線路沿いに徒歩1分ほど進むと右側に例の“すごい建物”が見えてくる。

 

なんとまあ
 

「いやー自分、これ地震が起こってそのままにしていると思うんですけど、どう思います?」と小島。いやさすがにそんなわけないっしょ。でも今にも倒れてしまいそうな感じ・・・わざとだとしてもなぜこんな形に。

 

何がすごいって
 

不思議の国のアリス症候群になった気分になる・・・
 

“すごい建物”の正体は「ナヴィール北久里浜」という9階建てのマンションだった。一番目をひくのは、駐輪場のそばの小さな建物。よく見てみると建物全体がアンバランスで奇抜なのだ。「不思議の国のアリス症候群」のように、大きさなどが通常と異なって感じてしまう。

 

2色づかいで、格子も斜めになっていたりして
 

現代のガウディ現るか、などと思いながら、こういう挑戦的な建物にした理由が俄然キニナってくる。さっそくオーナーさんに突撃してみよう。

「この建物は、増田実建築研究所(ますだみのるけんちくけんきゅうじょ)にデザインを依頼しました。1995(平成7)年施工です。1〜2階に病院が入っているので、病院の名前を忘れてしまっても建物の特徴を伝えるだけで地域の人が分かってもらえるという利点もあります」とオーナーさん。

 

斜めになってる非常灯って初めて見たかも
 

「ナヴィール北久里浜は2棟目です。実はここから徒歩1分ぐらいの場所にある1棟目も増田さんにお願いしました。こちらのマンションは、『hanako』や有名な建築専門誌の表紙を飾ったこともありますよ」

 

こちらが1棟目の石留(いしわた)ビル。流線形でブルーが特徴
 

海や潮風を連想させるデザイン
 

この青いドア、いい!
 

2階部分はテナントが入っていて、通り抜けできる
 

まあるい窓ガラスがおしゃれ
 

1987(昭和62)年に建てられたということで、当時としてはとても目をひく建築物だったそう。非常に反響もあったようだ。デザイナーズ系マンションのはしりといえるだろう。

 

前衛的なデザインで建てようとした経緯はどのようなものだったのか
 

ナヴィール北久里浜が建てられた当時は、ちょうどアサヒビールタワー(アサヒビール本所吾妻橋本社ビル)の上に、筋斗雲(きんとうん)がついたことがとても話題になった時代でした。そこからヒントを得て、せっかくだからシンボルとなるような目立つ建物にしようと考えたことがきっかけです」とオーナーさん。

ナヴィール北久里浜の住民の方の反応は? と伺うと「最初はびっくりされますけど、見慣れるものですよ。お友達を呼ぶときにナビゲートがとてもスムーズのようですね」とのこと。

 

たしかに、目印になり初めて訪れる人も迷わずこれそうだ