新年早々、東神奈川駅前にひっそりと佇むナゾの旅館に突撃!
ココがキニナル!
東神奈川にある「のぞみ旅館」がキニナル。宿泊施設にしてはひっそりとしたところにあって、どんな人が泊まってるのかも気になります。また、開業はいつ?ぜひ取材してみてください。(junskaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「のぞみ旅館」は55年前の1958(昭和33)年に創業。工場関係者や近所の方が親戚の宿泊施設として利用している!
ライター:松宮 史佳
新年早々「のぞみ旅館」に突撃!
「22mからバンジー」「108杯のわんこそば」そして「へび首巻き」と怒涛の取材を終え、「お正月は実家に帰ってゆっくりしよう」とベッドに横たわった元日の朝3時、携帯のバイブ音が!
いやーな予感がして携帯を見ると、新年のあいさつは一切なく「年明けの記事はどーなってるんだ?!」というメガネ悪魔からの原稿催促メール。「・・・今年も悪魔は変わりない」ことを確信。
・・・元日の昼過ぎ。“東神奈川駅前に佇む「のぞみ旅館」を取材して”という自身もキニナル投稿を取材するため、旅館へ問い合わせ。
すると、「お正月なのにお休みじゃないんですか?!」と驚く女性。「フリーライターなので(ホントは悪魔のせいで)お休みはないんですよ」と松宮。「大変ですねえ・・・」と女性。「旅館もお休みないですよね。・・・お疲れ様です」と思わず松宮が言うと、“休みでないのはお互い様”なのを再認識し、笑い出す二人。
「うちは本当に何もないので・・・取材に来てもらってもかえって申し訳ない」と言う女性に「ぜひ宿泊&取材をさせてください!」とお願いすると、取材OK!
翌日、はま旅「神奈川・東神奈川編」でも降り立ったJR東神奈川駅へ
駅前にある「のぞみ旅館」に向かう。駅近なはずなのにどこにあるのか? 10分住宅街で迷っていると・・・
ひっそりと佇む「のぞみ旅館」を発見!
宿泊道具が入った重い鞄を地面に置き、入口で休んでいると・・・
「そんな所じゃなくて中にどうぞ(笑)」と女性の姿が!
どうやら到着しない松宮を心配し、入口で待っていてくれたようだ。・・・さり気ない心遣いがうれしい。「どんなお話を伺えるのか」とドキドキして中へ!
オーナーにインタビュー
オーナーの望月恒子さん&娘さんの宮下浩美さん
「のぞみ旅館」は55年前の1958(昭和33)年に創業。オーナーの望月さん(以下、お母さん)は静岡出身。親戚が東京・荒川区で旅館を営んでおり、3年ほど手伝った経験があったので「便利な駅前の土地を探して旅館をオープンした」そうだ。「今はうちだけだけど、昔は駅前に旅館が9軒あった」とか。
いただいた名刺を見て「望月さんだからのぞみ旅館?」と言うと、娘さん(以下、浩美さん)が「そう(笑)」と答えてくれる。
かわいい門松は浩美さんの手作り
旅館は3階建て。1階は事務所兼住居、2階と3階に和室7室が完備。お風呂&トイレは共同。若いお客さんの中には“旅館=部屋にお風呂とトイレが完備”と思っている人もいるため、「お部屋は和室でトイレ・お風呂は共同だけどいいか」と「事前に確認するようになった」そうだ。
なお、宿泊料は素泊まりで4000円。20年ほど前までは朝食を出していたが、「年だし、作るのが大変になってしまって。コンビニもあるからいいかなと(笑)」…ということで現在食事は出していないが、「食べ物などの持ち込みOK」 。また、「洗濯は無料で行ってくれる!」というのもポイントが高い。
玄関にはきれいな花が飾られている
数年前にお父さんの久次(きゅうじ)さんが逝去。現在は1月7日で82歳になるお母さんが旅館を切り盛りし、浩美さんが手伝っている。
すると、「・・・旅館はボケ防止のためにやっている(笑)」とお母さん。「ボケ防止!!!」と松宮。「いや、ホント! 年を取って刺激がないとボケちゃいますよ!」と浩美さん。おもしろすぎる!
「のぞみ旅館」は7室しかなく、「収容できる人数は最大で14人ほど」。収容人数が限られているため、一切宣伝していない。「和室・トイレ&お風呂は共同でもいい」と言ってくれるお客さんや常連客を大切にしたいので、利益を追求するのではなく「マイペースで営業している」そうだ。
お父さんの趣味だった仏像&浩美さんの作品
1995(平成7年)に神奈川区にあった浅野ドック(民間の造船所)が閉鎖するまでは「毎日ほぼ満室だった」。しかし「ここ4~5年は不況のせいか、お客さんの数はかなり減った」とか。だが長い付き合いの常連客も多く、「仕事で長年常宿にしている工場関係者や冠婚葬祭で親戚を呼び寄せるご近所の方」などが利用している。
印象的なお客さんを伺うと、創業時は「島根県の大根島から女性が花を籠に入れて売りに来ていた」とお母さんが答えてくれる。昔は根が付いたままの花を「庭に植えませんか?」と一軒家を訪ねていたらしい!「よく売りに来てたから繁盛していたと思う」とお母さん。今とはまったく異なる花売り事情にびっくり!