西区戸部町にある黄色い球体シェルターを作るガレージは何?
ココがキニナル!
横浜市西区戸部町4丁目で黄色い球状のシェルター?を作ってるとみられるガレージがあるんですけど、調べてもらえませんか?お願いします。(nobu Gさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
株式会社N.C.Pが販売する防災シェルター「ノア」はしっかりとした技術者によって製作されており、国内外のメディアでも話題
ライター:永田 ミナミ
現場へ
投稿によると「黄色い球状のシェルター?」を作っているという戸部町4丁目のガレージ。まずは実際にシェルターなのかを確認するために現場に行かなければと思ったが、戸部町4丁目のどこにそのガレージがあるのかもわからない。そこでひとまず手元のGoogleマップを頼りにきょろきょろしながら歩いていると、いきなり本物が現れた。ちなみにガレージは正確には3丁目にあった。
静かな住宅街に忽然(こつぜん)と現れた球体に思わず二度見
どうやらこのガレージで間違いないだろう、と思っていると電動工具の音が止んだので、中に入ってみることにした。
中で作業されていた方に取材内容を伝えると、快く応じてくださった。「この球体はシェルターなんですか?」と質問すると「そうそう」と言って見せてくださったのがこのパンフレットだ。
災害から命を守る防災シェルター「ノア」
そういえば震災後、テレビで見たことがあるような、と思ってきいてみると、やはりメディアで何度も取り上げられているそうだ。「インターネットで“シェルター”“ノア”って入れるとすぐ出てくるよ」とのことだったので取材後に検索してみると、すぐに出てきた。
国内外を問わず幅広く取り上げられている
製作者に聞いてみる
ガレージにいたのはAさん(諸事情により仮名)。大磯町で飲料缶の圧縮機器の研究開発や製造などを行う「N.C.P」という会社の田中社長から依頼を受け、鉄工所でも仕事をしながら2012(平成24)年から「ノア」を製作しているという。
ノアについての詳しい情報が載っている株式会社N.C.P公式サイト
田中社長は長年建設業に携わっており、当時から現在「ノア」の内装を担当しているリフォーム会社「湾岸ホーム」と親交があった。湾岸ホームから「防災シェルターとしての強度と密閉性を実現できる技術者」ということでAさんを紹介してもらい、依頼したということだった。
Aさんはこの1年余の間に30台ほど作ったという。納品先は和歌山、三重、宮崎、静岡など全国各地で、顧客も企業から個人までさまざまだ。現在はジグ(型板)を作り、3日半程度で1台製作できるそうだ。
後ろにあるジグ(型板)に穴を開ける位置などが刻んである
ジグはとても精巧に作られている
見た目にはそれほど大きくは感じられないシェルターだが、直径1500mmで定員は6人とのこと。もうひと回り小さい直径1200mmの定員4人のタイプもあるというが、受注のほとんどは1500mmタイプ。大きい方が内部に余裕を持てることが原因のようだ。
素材は強化プラスチック(FRP)。球体のため、あらゆる角度からの衝撃に強く、強度試験の結果、12.5トンの荷重に耐えられるという。また、水にも浮くため、津波や河川の氾濫にも対応できる。
6人乗りの1500mmサイズを2人で乗るとこの余裕(同社ホームページより)