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西区戸部町にある黄色い球体シェルターを作るガレージは何?

ココがキニナル!

横浜市西区戸部町4丁目で黄色い球状のシェルター?を作ってるとみられるガレージがあるんですけど、調べてもらえませんか?お願いします。(nobu Gさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

株式会社N.C.Pが販売する防災シェルター「ノア」はしっかりとした技術者によって製作されており、国内外のメディアでも話題

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ライター:永田 ミナミ

製作者に聞いてみる(つづき)

キニナル製造過程だが、FRPに熱を加え、成形した上で真空に近い状態を作り出して素材を密着させる「真空成形」という方法を取っている。通常FRPの成形は手作業であることが多いが、これは熟練のAさんだからなせる技なのだそう。
 


なかに見えるポールを中心に立て
 

底に緑色の部品を敷き床面と床下の収納スペースをつくる。上の黄色い円形の部品は扉


扉の外周にある黒い部分はパッキングで、このあと外側にさらにもう1周パッキングを貼り付けて密閉度を高めてから、本体に取り付けられる。
 


球体下部に穴が開いており、4ヶ所に把手が付く
 

覗き窓もあるので外の様子を確認することも可能(同社ホームページより)


Aさんが外装を組み立てると、ガレージの所有者でもある「湾岸ホーム」が内装を仕上げるそうだ。
 


ガレージの壁にはマンションなどの外装リフォームに使う足場も
 

完成した内装はこのような仕上がりに(同社ホームページより)
 

壁面にはウレタン材を貼ってあり、非常時の衝撃を軽減


やはりこの黄色い球体は目立つようで、近くの小学校の子供たちが先生に連れられて見にきたこともあったそうだ。
 


たしかに子供たちにしてみたらタイムマシンな魅力的な乗り物に見えるかもしれない


重さは約125kgあるが、運送会社の人は2人で持ちあげてしまうというから、大人なら2~4人で移動可能だ。
 


女性2人でも持ち上げられている(同社ホームページより)




開発者にも聞いてみる

さて、続いて開発者である株式会社N.C.Pの田中社長に話をうかがった。

防災シェルター「ノア」は、東日本大震災後に田中社長が開発に着手し、震災からわずか半年後の2011(平成23)年9月に出荷を開始した。出荷前から数百件の予約が集まるなど注目を集め、震災から2年経った現在でも常に実験を繰り返し改良しながら生産を続けているという。Aさんに製作を依頼した経緯についてはすでに説明したとおりである。

発売開始当初は静岡にも製作拠点があったが、現在では注文数も一段落し、西区戸部町のガレージ1ヶ所での生産で対応できているそうだ。完成後はガレージとN.C.Pで2度検査をして安全性を確かめた上で、全国に出荷される。
 


圧縮強度、海面投下、衝撃など耐久実験を行う
(同社ホームページより)


キニナルお値段だが、4人タイプが53万5500円、6人タイプが71万1900円で運搬設置費と現地組み立て代金は別途必要になる。
 
 
 
取材を終えて

西区戸部町3丁目のガレージで作られている球体は、東日本大震災発後に開発された防災シェルターだった。
 
震災発生から2年半、決して忘れることはないものの少しずつ遠い日の記憶になりつつあるかもしれない3月11日。できればこのようなシェルターを使う日が来てほしくはないが、遠い日の記憶になっていくということは使うべき日が近づいているということでもある。
 
最近の相次ぐ台風による被害によっても、自然の力は、人間の予想を遥かに超えた脅威となりうるということを思い知らされた。備えあれば何とやら、どんなに来てほしくなくても必ずいつか来る「その日」のための備えとして、防災シェルターも選択肢の一つとなるだろう。ただし、直径1.2メートルか1.5メートルの置き場所があるかどうかはくれぐれも事前に確認を。


―終わり―
 

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  • 江戸川乱歩の「鏡地獄」を連想してしまった。生き残っても精神状態が??かな。

  • これ、ベストハウス?で見た!まさか戸部で作ってたとは(ノ´∀`*)

  • 売れてるのか?置く場所がない!

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