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女装した人達が踊る戸塚の「お札まき」はどんな祭り?

ココがキニナル!

毎年7月14日に行われる戸塚で女装した人達が登場する「お札まき」というお祭り。地元では有名らしいですが、どんなお祭りなのですか?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

八坂神社で女装した踊り子がお札をまく厄霊除け行事です!

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ライター:松野 孝司

昔は江戸や大阪でも行われていたが、今に残るのは戸塚だけ



「和服美人がお札をまいて歩くお祭りがあるんですが、取材してみませんか」

7月某日、編集部からの誘いを二つ返事で引き受けた記者は、7月14日、その「お札まき」なる祭りが行われる、戸塚町の八坂神社へ。
 


午後になると八坂神社には参拝客が三々五々と集まってくる
 

「お札まき」でまかれるお札そのものは参拝すると1枚もらえる


ご存知の通り、戸塚は江戸時代、東海道の宿場町として栄えた街だ。

戸塚駅から八坂神社にかけての道、江戸時代の旅人も通ったであろう東海道にも屋台が立ち並び、やきそばのソースの香りやベビーカステラの甘い香りが漂い、子どもたちのはしゃぐ声が響き渡る。

まさに由緒正しい日本の夏祭りという趣きだ。
 


懐かしいスマートボールの夜店も
 

射的や輪投げなどの昭和チックな店が子どもたちに人気
 

地元の商店街の皆さんもとれたての完熟トマトを販売


八坂神社は1572元亀2にできた古い神社で、通称「お天王さま」と呼ばれ地元では親しまれている。階段を上り、鳥居を潜った左手には、「お札まき」についての解説が記された碑が建てられている。

それによると、お札まきは元禄年間(1688~1704年)に始まったとされている。江戸中期、江戸や大阪でも盛んに行われていたが、やがて自然消滅してしまい、現在では戸塚だけに残されているという。

文化・風習の面でも貴重なものであり、そのため
1991平成3に横浜市指定無形文化財に指定されたそうだ。
 


境内にはお札まきについて記された碑が




踊り子衆は“和服美人”ではなく“女装美人”



ところが碑を読み進めていくと、“キニナル”文面を発見。それはこうだ。

「男子十数人が姉さんかぶりに襷がけの女装をして裾をからげ、渋うちわを持ち、うち音頭取りの一人はボテカズラをかぶります」

ちょっと待て。男子? 女装?
聞いてないよォ~。
祭りの主役は和服美人ではなく“女装美人”ではないか。騙された・・・。
してやったりとほくそ笑む編集部の顔が頭によぎるが、文字通り後の祭り。いまさら仕事を放り出すことはできない。気持ちを切り替えてお仕事、お仕事。
 


噂の和服美人たちが登場
 

一人だけ島田髷のかつらをかぶったお嬢様。“彼女”が今宵の主役


というわけで、ここで「お札まき」について整理してみよう。

①横浜市戸塚区戸塚町の八坂神社で毎年7月14日に行われる。
②八坂神社の祭神は疫病神「牛頭天王」。元禄年間に流行したコレラを退治してくれるといわれたのがそもそもきっかけ。
②踊り子の男性は八坂神社の氏子から選ばれる。
④そのうち、リーダー格の男性のみは島田髷のかつらをかぶる。
⑤その男性が「正一位八坂神社御守護」と摺られた五色(青、赤、黄、緑、白)の札をうちわで煽って天に舞わせる。
⑥札を家の戸口や神棚に貼ると厄除けになると伝えられている。


以上だ。こうしてまとめてみると、祇園祭と同じ御霊信仰に基づく厄霊除けの行事であることがわかる。