保土ケ谷区の広大な緑地「カーリットの森」、火薬工場だったころの姿は?
ココがキニナル!
保土ヶ谷区「カーリットの森」に以前火薬工場があったらしく、ビックリです。どういう経緯で無くなったか、また現在の「たちばなの丘公園」が荒れ放題!?調査して!(Ashさん、ホトリコさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「カーリットの森」は、かつて日本カーリット株式会社保土ケ谷工場があった場所。工場移転は人口が増加し住宅が増えたため。
ライター:松崎 辰彦
「カーリットの森」とは
キニナル投稿にある「カーリットの森」と呼ばれている地域は、横浜市保土ケ谷区と旭区にまたがる約60ヘクタール(60万平方メートル、横浜スタジアム約23個分)の野趣豊かな緑地である。
およそ中央の緑の部分(赤丸内)が「カーリットの森」(Google mapより)
道路に面した一部が、横浜市により2011(平成23)年から「たちばなの丘公園」として公開されている。場所は相鉄線和田町駅から相鉄バス19系統「新桜ヶ丘団地」行きに乗り、「県公社住宅前」で下車、徒歩5分。
すべて徒歩では和田町駅・上星川駅からおよそ30分と決して近くはないが、広く穏やかでさまざまな変化に富んだ“緑の回廊”は、人びとの憩いの場所として親しまれている。
たちばなの丘公園
整備された空間
この森はかつて産業用火薬などを扱う日本カーリット株式会社保土ケ谷工場(1919〈大正8〉年建設)の敷地であり、同社はこの中で火薬を製造していた。たちばなの丘公園には当時使用された土塁(どるい:土を堤防状に盛り上げたもの)がそのまま残され、往時の火薬製造の様子が文章と写真を掲載した説明板により紹介されており、横浜ひいては日本の産業史の中でも貴重な展示となっている。
広い公園に多くの人が行き交う
「たちばなの丘公園」から入り「カーリットの森」全体を歩いてみよう。まず目につくのは今述べた土塁である。
土塁が見える
土塁のそばには説明板がある
土が大きく盛り上がり、その中に火薬製造に必要な部屋である「工室」がある。工室が一つひとつ隔離されているのは、事故に備えての安全対策であろうことは容易に推測できる。
柵で閉じられている
レンガ造りの入口
土塁にはいくつもの「工室」がある
この中でどのような作業が行われたのか
説明板も日本カーリットの生い立ちや各々の部屋の解説など、詳細に記述している。
たちばなの丘公園と火薬製造の歴史
土塁の役割の説明
工室の説明がされている