吉田町のカクテルから生まれた!みなとねこスイートポテト編
ココがキニナル!
横浜土産の新顔、「みなとねこスイートポテト編」がキニナル(YAM-3さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ケーキ屋さんで出してもそん色ない、まったり滑らかで激ウマな横浜土産だった。誕生までにさまざまな人の縁が生んだ感動のドラマもあり、今後のみなとねこシリーズの展開にも期待大!
ライター:はまれぽ編集部
2018(平成30)年6月に新横浜駅にあるグランドキヨスク新横浜で、横浜土産のニューフェイスとして登場して以来、「パッケージが可愛すぎる!」「お土産とは思えない。ケーキ屋のスイートポテトより美味しい!」と話題になっている「みなとねこスイートポテト編」。遂に編集部にもキニナル投稿が寄せられた。
しかし、このお菓子、考えれば考えるほど謎が深まる。
そもそも「スイートポテト編」って事は「みなとねこ」にはほかのシリーズもあるのか? なぜに猫がキャラクターなのか? なぜにスイートポテトなのか?
さらにこのお菓子、バーの集まる中区吉田町発祥という、これまたお菓子土産の概念を打ち砕くコンセプトらしい。こうなるとお酒大好きのはまれぽ編集部おばさん吉田(編集長じゃないよ)としては「同じ名前だ!」という恩着せがましいセリフを口にしながら吉田町に繰り出したい・・・いや、嘘・・・この「スイートポテト編」に続く未来型「みなとねこ」を探りたい!
というわけで、吉田町に繰り出した。
「みなとねこスイートポテト編」発祥の地
いやー、いいね! 吉田町。ドランカーにとっては本題を忘れてバー巡りしたくなる光景が広がる。
この日は台風接近中、そして午後4時の取材ということで人はまばら
そんな町の中で、ひときわかわゆいねこちゃんが目を引く「BarreL PoD(バレル ポッド)」。この店こそが「みなとねこスイートポテト編」発祥の地だというのだ。
ねこちゃんがこんにちわ♪
あれ? カフェでもケーキ屋さんでもお菓子メーカーでもないぞ!?
そもそもバーでスイーツを作ること自体大変なことだと思うし、ましてやお土産屋さんで売るようなスイーツを作るなんて無理なのでは?
どこから見てもバー
バレルポッド店内はトレードマークのねこちゃんがいっぱいで、女性も仕事帰りに一杯気軽に立ち寄れそうなおしゃれな雰囲気。しかしながら特にお菓子の試作品が作れるような場所はないと見た。
シャレオツ♪
バレル ポッドに集まる人の「縁」から生まれた「みなとねこスイートポテト編」
「みなとねこスイートポテト編」の生みの親はバレル ポッドのオーナー原田将樹(はらだまさき)さんと、マネージャー・ソムリエの倉本淳哉(くらもとじゅんや)さん。2人とも男前である・・・。
左から原田さん、倉本さん
まずは、一つのバーが横浜のお土産の新顔を生み出した経緯をうかがった。
「自分たちだけで『みなとねこスイートポテト編』を一から作った訳ではなく、バーに来るお客さんとの縁から完成したんですよ」と原田さん。
「横浜って何もないよね。横浜は日本のバー発祥地だから、バーから生まれたスイーツがお土産になれば、面白いよねっていうお客さんとのおしゃべりから、じゃあ、やってみようかな、っていう流れで」
とはいえ、おしゃべりだけではキオスクで販売されるようなお菓子はできないだろう。
「常連さんがキヨスクの人だったんですよ。その人が『お菓子の工場知っているよ、紹介しようか?』って紹介してくれたり、『お菓子のパッケージはこれくらいの大きさが理想的だよ』なんていう売れるお菓子のトレンドをアドバイスしてくれたんです。その出会いがなかったら、このお菓子は誕生していません」
まさに毎日人が立ち寄るバーだからこそ起きた奇跡。常連客すら魅力的だったからこそできた銘菓に違いない。
なめらかしっとり! これケーキ屋さんの味だよ!
花より団子、お話より味だ。スイーツ誕生の軌跡をうかがった後は、高レベルと評価されるその味を試してみようではないか!
スイートポテトをうっとり見つめるねこちゃんがかわいい!
「みなとねこ」というかわいいキャラクターは、イラストレーターでもある原田さんの奥様作。お店のロゴも奥様が描いたそう。破るのがもったいないキュートな袋を開けると・・・!
大きすぎず、小さすぎず
ほっこり素朴な風合いのスイートポテトが顔を出す。小腹がすいた時に軽くつまめる丁度良い大きさ。バレル ポッドは、料理自慢のダイニングバーでフードが充実している。お店でも1個単位で注文できるので(1個300円/税込・以下同)、お酒の後のデザートとしていただくのも良い。
二層に分かれたポテトのクリーム
フォークを刺し入れてびっくり。するりと吸い込まれるフォークの感触。や、や、やわらかい! 更に内部はペースト状のスイートポテトクリームが2層に分かれているではないか! しかも使用しているのは国産の紅あずま。いやがうえにも期待が高まる~!
吉田「う、うまーい!」
口に入れたスイートポテトは、驚くほどしっとり。箱売りされているお菓子って、もっとパサパサしていない? ポテトのペーストは、舌の上で溶けていくような滑らかさだ。さらに甘すぎず、紅あずま本来の素材の甘さが際立つ。実は甘いものが苦手な吉田、もっと甘いスイートポテトを想像して覚悟していたのだが、これはもう一つ軽くいけちゃう味。バニラアイスを乗せたアレンジスイーツにしても相当美味しいはずだ。
倉本さんによれば、これをさらにオーブンで焼いたホカホカの「みなとねこ」を楽しむ人もいるそうだ。夏は冷やして、冬は温めて・・・四季を通じて愛されそう。これは噂通り、ケーキ屋さんのスイーツレベルを超えている!
かわいいねこちゃんで家族崩壊寸前!?
スイートポテト編でこの味のレベルを叩き出した以上、後続のシリーズに期待が寄せられるのは間違いないと思うのだが。
「今、言われて初めてプレッシャーを感じました(笑)」と原田さん。
バーテンダーの作ったスイーツだ。味が良ければ良いほど「さすがバーテンダー、舌が確か!」と思ってもらえる。逆なら逆の評価が下るだろう。
発売日からこれまで、売れ筋横浜銘菓の平均売り上げを軽く超えてきた「みなとねこスイートポテト編」。販売店の要望は「次の一手となる続編を早く出すべきだ」とのことで、既に動き始めている。
かわいいねこちゃんのパッケージも、続編だからこそ変わった感を出すために、がらりと変えたいとか。
「でもこのパッケージでイラストを描いてくれている妻とは何度も喧嘩しましたよ。家庭が崩壊するかと思いました(笑)」
箱売りのスイーツを販売するのは初めて。箱を積み重ねたとき「みなとねこ」が見えるように、文字の置き場やねこちゃんの置き場にもかなり悩み、話し合いを重ねたそう。
招き猫ならぬ家庭崩壊の危機を招いた猫!?
「バーがお菓子を販売できる訳がない」「きちんとマーケティングデータ取ったの?」など心配してくれるからこそ出てくる辛辣な意見も聞かされた。
またバーの営業時間は午後6時から午前5時。仕事が終わった後、昼間に稼働している工場やパッケージ制作の会社との打ち合わせが辛く、体力的に限界の日が続いたという。
今があるのは困難に負けず、続けて良かったという満足感と「みなとねこ」シリーズを通して、吉田町というバーが名物の町を沢山の人に知ってほしいという強い思い。
このひと箱に、苦労あり