東白楽にある「立派な行き止まり」の謎を調査!
ココがキニナル!
東白楽にあるグリーンベルトのある立派な道路なのに短距離で行き止まり。一体何のために作ったの?急坂で市電の支線とも考えられません。途中の喫茶店も良い雰囲気なので偵察を(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
戦災復興の過程で昭和23年に事業計画されたこの道路は、住民の反対によって工事が中断されたと見せかけて、何とこれで完成しているという。目的は謎
ライター:永田 ミナミ
謎の道路について
さて、チーズケーキを食べ終わったあとで、店の前の謎の道路についてきいてみた。
本田さんが現在自宅のあるこの場所に嫁いできたのは42年前で、そのときすでに道路は現在のような状態だったというから、工事がおこなわれたのはそれより前ということになる。
本田さんが聞いた話では、道路は当初、さらに白幡方向に延びていく計画だったが、道路予定地のどこかの地権者が反対したために工事が中止され、そのまま現在に至るという。道路ができる前は本田さん宅の土地も、もう少し広かったそうだ。
さらに、その後、道幅の広さから大型車が路上駐車をするようになり、緩やかな坂になっていることからサイドブレーキがしっかりと引かれていなかったことが原因の交通事故があったため、道路中央にグリーンベルトが設置されたとのことだった。
なるほどそういうことだったのか
グリーンベルトも42年前には既にあったということだが、正確な時期は長年お住まいのご主人もわからないという。
役所から役所から役所へ
それなら役所に道路工事か都市計画の記録が残っているかもしれない、ということで、横浜市道路局総務課に問い合わせてみたところ、建設課がわかるかもしれないということになったが、今後工事の予定がある計画道路ではないということで企画課に話がまわり、企画課では認定路線図によると現在の管理は神奈川土木事務所になっているという話になった。
50年前の話ということであればこれくらいのことは想定していたので、神奈川土木事務所に問い合わせてみると、土木事務所の仕事はあくまで「現在の管理」なので、事業の経緯はわからないという。
ああ、この取材も行き止まりになってしまうのか、という一抹の不安がよぎる
これくらいのことも想定していたが、確実に雲行きが怪しくなっている、というか行き止まりか、と思ったとき、対応してくださった課長の木村さんが「道路局の路政課かどこかがわかるかもしれないから、問い合わせて連絡しましょう」と言ってくれたのは思いがけない頼もしさだった。
木村さんから1週間ほどで連絡をいただけることになったので、その間に自分でもある程度調べてみることにした。
どこへ延びていこうとしていたのだろうか、と地図を北東に移動していくと
大口駅から延びてくるが途中で細い路地に溶け込む、道幅の広い道路を発見
そしてこんな感じで繋がる計画だったのではと想像して
実際に青い線のルートで歩いてみることにした
地図に起伏は載っていない
翌日、大口駅に向かい、そこから西大口交差点方面に向かった。
写真奥が大口駅方向。余裕のある道幅だが
振り返ると3方向の路地へと消えていく
歩幅で測った道幅がグリーンベルトの道路と同じだったこともあり、これは予想が的中したぞ、ここから東白楽のあの行き止まり道路につながるにちがいない、と1人で興奮していた。
しかし、いざ歩きはじめると
起伏の多い地形が待ち構えていた
しっとりとしたたたずまいの和洋館の間を歩いていくと
右手に白幡八幡神社が見えるので鳥居の前で左折
すると16°を誇る神奈川区最急坂と久しぶりの再会
坂の下から見上げるとあいかわらずこの迫力
その後も路地裏に現れたこんな階段を
早足と鼻歌で怖さを振り払いながらのぼり
振り返って見降ろし
こんな路地を抜けて
孝道山の裏手に出たころには
こんなところに本当に道路を通そうとしたのだろうかと思うようになっていた
そして複雑な階段を降りて
帰途につき、木村さんからの連絡を待つことにした