世界初の試みがある!? 横浜市のコミュニティサイクル「baybike」って何?
ココがキニナル!
横浜市とNTTドコモが行っているベイバイク。電動アシスト付自転車に変わり、料金も値上がり。利益の為なのかなどがキニナル(Chihirock!さん/ぽぽ1さん/会長さん/Aloha.Rickyさん)
はまれぽ調査結果!
利便性の向上を目指し電動アシスト付自転車へ変更。各自治体の方針で助成金を使い、運営方法や料金は異なる。独立採算性を目指しての料金体系だった
ライター:山口 愛愛
通勤利用が多い横浜では身近な交通機関に
では、横浜市のほうに実際の運営の仕方や利用者の動向などをうかがってみよう。都市整備局都市交通部都市交通課へ。
ベイバイク担当の二見(ふたみ)さん(左)と三川(みかわ)さんを直撃
2011(平成23)年4月に14ポート、自転車100台で開始した横浜のベイバイクは、現在39ポート、電動アシスト付自転車400台にまで増え、1日あたりで400回以上の利用があるという。
「利用者からは”登録が簡易化され支払いもスムーズ。電動アシスト付自転車に変わり漕ぐのがラクになった”などの声も聞いています」と三川さん。
「ただシステムや料金が変更したことで、既存の利用者から問い合わせのお電話を多くいただき、ご理解いただけるように努めています」との話も。
1ヶ月1500円で、その都度30分以内なら何回でも乗れる(30分以降は30分ごと150円)「月額会員」は4月から2000円に。しかし、ほとんどの利用者が継続して使っているとのこと。これは通勤に利用している人が多いからだそうだ。
「平日の朝の利用が多いんですよ」
「ベイバイクの目的として、横浜市内の回遊性の向上、交通機関として使ってほしいとの考えがあります。そのうえで観光にも寄与する。駅前からすぐ、無人のポートからワンウェイ型で利用でき、短い距離を頻繁に使っていただきたい点ではレンタルサイクルのイメージとは違うんですよ」と二見さん。
1回30分以内なら1日に何度でも使える「30くりパス」(1日1389円)があるのも、そのためだ。
全部で39ポート
実際の利用者の乗車時間も休日は30分~1時間が最も多いという。平日は10分~30分が多く、ポートの利用が多いのは横浜駅周辺だそう。
「相鉄線などの私鉄沿線から横浜駅まできて、そこから、みなとみらい方面へベイバイクで通勤されている方が多いんですよ」と三川さん。平日のランチに使う人もいるという。休日は、マークイズ みなとみらいなどの商業施設周辺の利用が多いそうだ。
では、電動アシスト付自転車に変わったメリットはどんなところにあるのだろうか。
「実証実験で何度も乗った」という三川さんは「軽く漕いだだけで進むので運転しやすいです。港の見える丘公園に上がる坂も座ったままで行けるんですよ。山手方面などは坂が多いので、行動範囲が広がると思います」。
ギアで調整でき坂もラクラク
ここまで伺ってキニナルのは、利用ポートの偏りや、電動になったことで充電切れの心配はないのだろうか?
「充電は、運営事務所が残量管理し、3日に1回を目安にバッテリー交換をしています。ポートに自転車がない、満車で返せないことがないよう、毎日トラックで自転車の再配置をしています」。利用者目線では「無人」であるが、アナログな作業がベイバイクを支えているのであった。
ドコモからも話があったようにエリアの拡大についても尋ねてみる。
「ポートは、ほとんどが行政の公有地を使っていて、一部民間企業さんのご協力をいただいています。山手や港方面、横浜駅周辺、元町・中華街駅周辺エリアも増やしていきたいですね」と意欲を示す。
「今後はマンションなどの管理組合や個人などでも、ポートの設置のお声掛けがあればぜひご相談したい。そのためにも我々も広報活動でアピールしていきます」と二見さん。
「ポート数の増加だけでなくエリアを広げていきたい」
二見さんは、「利用数は年々増え、ホームページでは英語表記もつくりましたがポートに英語表記がない、クレジットカードを持っていない人は使えないなど、課題はまだあります。交通機関の選択肢の1つとして身近に使えるように横浜でコミュニティサイクルを確立していきたい」と、今後も改良は続くようだ。
電動アシスト付自転車で名坂もスイスイ
では、ベイバイクの仕組みがわかったところで、編集部・小島とともに乗り心地を試しに出発!
取材をした市庁舎の前にもポートがあるので、ここからスタート。
「横浜市役所」ポート。利用時間は午前6時~午後10時の返却まで(一部を除く)
ベイバイクを利用する際はまずはホームページで登録を行う。クレジットカード決済で申し込む。登録したメールアドレスに鍵となる暗証番号が送られてきた。
スマートフォンの見やすい画面から選択
届いた暗証番号を自転車のキーパネルに入力し、開錠する
ポートのスタンドから自転車を出し出発
バッテリー残量、スピードメーター、あと何km走れるかの表示もあり
山下公園方面へ向かう。基本的には車道の左側を走行。
漕ぎ出してみると軽くペダルを踏んだだけでとグーンと進むことに驚いた。最初のひと漕ぎがラクなうえ、走っているときもペダルが軽く感じられる。
あまり足に負担がかからない
爽快! スピードが出すぎないように注意
山下公園など園内は乗車禁止の場所が多いので注意