横浜「1000ぶら」商店街探訪vol. 46 「元町限定」を求めて横浜元町商店街を行く! 老舗店の宝庫を堪能!
ココがキニナル!
横浜「1000ぶら」商店街探訪vol. 46 「元町限定」を求めて横浜元町商店街を行く! 老舗店の宝庫、歴史ある商店街を堪能!
はまれぽ調査結果!
香炉庵の「横浜元町あんプリン」と愛知屋坪﨑商店の「横浜元町麦酒」を購入。元町商店街は老舗店の宝庫。奥深い歴史に触れた!
ライター:大和田 敏子
老舗店が多い元町。その歴史に触れる!
キニナル看板を見つけた。
「元町手造り家具」の文字が目を引く
1928(昭和3)年創業の松下信平(まつした・のぶへい)商店。
「元町は、昔は家具の街だったんだよ」と話してくれたのは、創業者、松下信平さんの後を継いだ、現在80代の2代目ご主人(写真は残念ながらNG)。この日は不在だったが、今は息子さんが3代目を継いでいるそうだ。
家具やインテリア、小物などが並ぶ1階店内
横浜開港後、山手に多く暮らしていた外国人から、家具の修理を習い、次第に、修理だけでなく、家具を造る職人が育ってきた。これが、元町が家具造りの街として栄えるきっかけだったという。松下信平さんはそうした職人を雇い、店を営むようになったそう。
2階は家具が中心
松下信平商店で扱っている家具は、サクラやナラの無垢材を使った家具。注文に応じて1つずつ造るところから発展してきた家具造り、今もオーダーメイドの家具も多く造っている。職人さんの数は減ったが、今も元町には家具店が多いのだそう。
「高価に感じるかも知れないが、2代、3代にわたって長く使える家具」と松下さん
量販店で扱っている家具とは違う味わいや重厚感があるように感じられる。こういう家具を大切に使っていく暮らし・・・あこがれです!
インテリアや小物類はほとんどが輸入物で、直接仕入れに行くことも多いそうだ。
中国製のランプ(9500円~)
イタリアやドイツ、スペインなどの食器や小物
車のミニチュアはインドネシアや中国のもの
こちらは日本製
中国製のハンギングチェアー(8万円)。「気持ちいい! もう1000ぶら終了でいい?」
・・・というわけにもいかないので、再び、外へ。まだまだ暑い!
気をつけて見てみると、元町には家具屋さんがとても多かった。また、歴史のある商店街だけに、店先に創業年を掲げている店もかなりあった。
「近沢レース店」1901(明治34)年創業
「アライ(荒井鈑金製作所)」1872(明治5)年創業
こうしたお店に取材交渉するも、責任者不在や事前アポなし取材不可などで、なかなか話を伺うことができない。そんな中・・・
老舗の食器専門店「TAKARADA(タカラダ)」
「ESTABLISHED IN 1882」の文字がある
1882(明治15)年創業の「TAKARADA」、合資会社宝田商店、専務の宝田博士(たからだ・ひろし)さんに話を伺うことができた。博士さんのお父さまが4代目だそう。
気さくに取材に応じてくださった宝田さん
同店は、戦前は、オーダーメイドの家具を中心に生活雑貨を取り扱う店だったという。こちらも家具店だったとは驚きだ!
「不二家さんと一緒にソーダ水を売っていたこともあるようです」と宝田さん。
当時の元町の様子、右手奥の赤い看板に「FUJIYA」の文字が見える
(画像提供:(c)新関コレクション)
ちなみに「不二家」は、関東大震災以前は元町にあり、その後、伊勢佐木町に移り、さらに銀座に移ったのだという。
さまざまな商品について教えていただいた
食器専門店になったのは戦後になってからだそう。
山手に暮らす多くの外国人が元町で買い物をしていたし、滞在期間を終えて帰国の際におみやげを買う機会も多かった。そのため元町はモノが売れるという評判になり、ノリタケ、ナルミなどの国内の有名メーカーが商品を置いてほしいと持ち込むようになり、「TAKARADA」は、それらを扱う食器専門店になったのだという。
ロイヤルドルトンの「プリンセスパドーラ(648万円)」。同店で最も高額な商品だそう
その後、海外のメーカーも扱い始めた。今はきちんとした代理店があるが、当時は直接メーカーさんとパイプができていたので、マイセン、ウエッジウッド、ロイヤルコペンハーゲンなどの食器も多く扱っていたそう。
1980年代からはオリジナル商品が中心に。こちらは電子レンジにも対応
バラをモチーフにした食器のシリーズ
オリジナル商品を始めた当初は、横浜市の花であるバラをモチーフとしたものを販売した。
元町のシンボル、フェニックスをモチーフにしたものも発売
ちなみにこちらのティーカップは3564円(税込み)。
ロイヤル・イングレーズド・ブルー・フォト・プレート
手持ちの写真や画像から、ロイヤル・イングレーズド・ブルー・フォト・プレートにする技術は、タカラダ独自のものだそう。価格は税込で3万5640円~。文字入れなどにより料金が加算される。
宝田さんの幼いころの写真をプレートにしたものも飾られていた。・・・何だか微笑ましい!
グラスに名前などを入れることもできる
3階に工房があり、こうしたオーダーに応じた食器も作っている。
5年ほど前からアンティークの食器も扱い始めたそう
素敵な食器に囲まれて、すごく幸せな気持ちになる。
1000ぶら企画と伝えていたので、宝田さんが「ウチで1000円以内で買えるものだと、これかな」と持ってきてくれた。
小さなケーキなどを焼くときの器(税込540円)
ちょっとしたおつまみなどを入れてもよさそうな、かわいい食器。タカラダのオリジナル商品だが、ランドマーク店でも販売しているとのこと。せっかく持ってきていただいたのだが、テーマの「元町限定」には合わないのであきらめる。・・・どうもありがとうございました!
「元町限定」は見つかるのか?
さあ、どうしよう・・・。
バッグ専門店なら、元町限定のちょっとした小物などあるのではと立ち寄ってみることに。
お邪魔したのは、1989(平成元)年創業の「キタムラK2 元町本店」
ありました、元町限定商品! 5色です(税抜2万9000円~税抜3万4000円)
当然ながら全く手の届かない価格・・・。
でも、ちょっと持たせていただきました。素敵!
いつか「10万円持って商店街をお散歩!」を企画してほしい。すぐに行きます。迷わず行きます!
「あの、1000円以下で買えるものは・・・」と伺ってみると・・・
今治タオル(税抜700円)
これなら1000円以内。OKかと思ったが、「キタムラK2」の他店舗でも購入できる品ということで、涙を飲むことに・・・。そもそも残額708円では税金分が不足だった。お騒がせしました!
それなら1946(昭和21)年創業の「フクゾー」さんは? 元町限定販売のタオルとかあるのでは・・・。
お邪魔します!
「あの~、1000ぶらという企画で・・・」とお話すると、店長さんが1000円以内で買えるものを選んでくれた。
こちらに並んでいるタオルはどうでしょう?
タオルクロス(600円+税)肌触りの良いタオルだ~!
クリアファイル(税込300円+税円)
左の3つはエンブレム(650円+税)、ワッペン・小(450円+税)
どれも残金708円で買える・・・と思ったところで、再び「元町限定」の壁。こちらの店以外でも買えるとのことで断念!
わざわざ商品を選んでいただいたのに、すみません。