横浜「1000ぶら」商店街探訪vol. 46 「元町限定」を求めて横浜元町商店街を行く! 老舗店の宝庫を堪能!
ココがキニナル!
横浜「1000ぶら」商店街探訪vol. 46 「元町限定」を求めて横浜元町商店街を行く! 老舗店の宝庫、歴史ある商店街を堪能!
はまれぽ調査結果!
香炉庵の「横浜元町あんプリン」と愛知屋坪﨑商店の「横浜元町麦酒」を購入。元町商店街は老舗店の宝庫。奥深い歴史に触れた!
ライター:大和田 敏子
「元町限定」は見つかるのか?(つづき)
外に出ると、辺りは薄暗くなっていた。
路地を曲がってみると、ずらりとタバコが並ぶキニナル雰囲気の店が・・・。
「Humidor Sugishima(ヒュミドール スギシマ)」という店
株式会社スギシマ代表取締役、杉島匠(すぎしま・たくみ)さんに話をうかがった
まずは店名の由来をうかがった。
タバコには湿度管理が重要で、特に葉巻は、室温18~20度、湿度70%を保つ必要がある。特に冬場などは放っておくと状態が悪くなり、割れてしまうのだそう。ちなみに、英語なら湿度はhumidity(ヒュミディティー)。「Humidor (ヒュミドール)」はフランス語だが、お客さまのために常に良い状態でタバコを管理しているという意味を込めていると話してくれた。
辞書で調べてみると、Humidor には、タバコ貯蔵箱という意味もあるようなので、そのままズバリの店名なのかも。
湿度や温度を厳しく管理している部屋もあった
こちらの店の創業は、1868(明治元)年。タバコを専門に売るようになったのは昭和40年代からで「杉島タバコ」という店名だったそう。それ以前は、砂糖、塩、タバコの販売店だったという。
さかのぼると、ダンロップの商標や、ウォーターラバーバック(氷嚢)と書かれた看板も残っていたりと、さまざまな商品を扱ってきたことがわかる記録が残っているそうだ。
お店は「元町百段」にちなんで「百段館」と名付けられたビルにある
ビル建立の記念のプレートにある「元町百段」周辺の風景を写した写真では、同店に「自転車」の看板があり、明治の終わりごろは、そういう商売だったことがわかる。
「元町百段」とは、元町から山頂の浅間神社に上がる階段が、101段あったことから、そのように呼び親しまれていたもので、関東大震災で崩壊してしまったという。
めずらしいタバコを見せていただいた。
ゴールデンバット。左から順に、昭和10年代、戦争中、現在のもの
昭和10年代のものには「7銭」、戦時中のものには「平時定価8銭、戦時負担額15銭」と書かれていて、パッケージの変化と併せて時代背景が感じられた。
巻きタバコの作り方も見せていただく
現在「ヒュミドール」で扱っているのは、紙巻、葉巻、パイプ、嗅ぎタバコなど、約1200種類。扱い店が少ない品も多いので、横浜だけでなく、神奈川県という広いエリアからお客さんが見えるそうだ。
パッケージのカラフルさ、豊富な種類にも驚く!
パイプもたくさんある
ライターの扱いも多く、Zippoライターのオリジナル彫刻加工も行っている
サービス精神旺盛の杉島さん。タバコの歴史や中世ヨーロッパでの嗅ぎタバコの風習などについても話してくれて、タバコを吸わない筆者にとっても、興味深く、嗜好品の世界の奥深さを感じた。
日も暮れて、閉店準備をする店も増えてきた。ここはもうビールでも飲んで終了といきたいところ。いい感じの酒屋さんが・・・
「愛知屋坪﨑商店」です
「愛知屋坪﨑商店」は、1890(明治23)年創業。
初代は「愛知屋」という酒屋で修業し、のれん分けでこの元町に開業したらしいと、現店主の息子さん、坪崎満(つぼざき・みつる)さんが話してくれた。
日本酒の品ぞろえがすごい!
ここも日本酒だ~!
問屋さんだけでなく、蔵元さんとも直接取り引きがあるので、ここまでたくさんの種類のお酒を取りそろえられるのだそう。現在は約150種類の日本酒があるという。
ワインの種類も日本酒と同じくらいある!
日本酒とワインをメインにした酒のセレクトショップのような店として営業しているという。なるほどすごい・・・と店内を見回しながら「元町限定の品とかってないですか?」と伺ってみると・・・
「横浜元町麦酒、ありますよ」と教えていただく
10年ほど前、都内の業者さんからの売り込みをきっかけに作ったのだそう。
横浜元町麦酒は全部で5種類(税込、各410円)
青のラベルのものがスタンダード。赤、黄色のは、ワイン用のブドウ果汁を加えたもの。一番左のブルーにベイブリッジなどのイラストがあるのが黒ビール、その隣の元町のシンボルタワーを描いたラベルのはブラウンビールだという。
元町らしいラベルのブラウンビールに決定!
店内の一角にある試飲カウンターで飲ませていただくことに
ちょっとしたおつまみ付で、販売価格プラス50円の460円でいただく。
こちらでは、その時々でお勧めの日本酒、ワイン、焼酎の試飲ができる。ほかでは置いていないお酒も多いので、そうしたお酒をお客さまに知っていただきたいという思いから、このような有料試飲のスペースをつくったのだという。
ビールを注いでいただきました。・・・いただきます!
暑い中歩き回り、カラカラになった喉にビールがうれしい!
ちょっと個性的な味のビールかも・・・。
残額と考え合わせて、おつまみ200円分も追加
ここまで来て「元町」と名のつくビールも見つけることができ、ホントに、疲れが癒されるひとときだった!
660円をお支払い
残額48円となり、1000ぶら元町商店街終了!
とにかく暑かった! それでも夜には、さすが少し涼しくなり、元町商店街の方々の優しさを思い返し、気持ちの良い風にあたりながら帰途についた。
取材を終えて
元町商店街には、老舗の店が多く残っていて、ファッションの街というだけでない、さまざまな歴史に触れることができて、楽しい取材だった。
けれども、チェーン店も多く、飛び込みでの取材が難しい店が多かったのは残念。また、元町発祥でも、多数の店舗を展開しているところも多く、元町でしか買えない限定品には、なかなか出会うことができず、思いのほか苦戦してしまった。
そうした中でも、お話させていただいたお店の方々が、1000円以内で買えるものを熱心に探してくださって、温かい気持ちになれた。
皆さん、無理を言って申し訳ありませんでした!
―終わり―
店舗情報
香炉庵
住所/神奈川県横浜市中区元町1-40
電話/045-663-8866
定休日/不定休
営業時間/10:00~19:00
和の店ひより
住所/神奈川県横浜市中区元町5-190-1
電話/045-228-7318
定休日/月曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌日定休)12/30~1/4 お盆休み
営業時間/10:00~18:00
松下信平商店
住所/神奈川県横浜市中区元町2-85
電話/045-641-0303
定休日/月曜日
営業時間/10:00~19:00
TAKARADA(タカラダ)
住所/神奈川横浜市中区元町3-118
電話/045-641-0057
定休日/不定休
営業時間/10:00 ~ 19:30
キタムラK2 元町本店
住所/神奈川県横浜市中区元町2-95
電話/045-662-1601
定休日/元日のみ
営業時間/10:00 ~ 19:00
フクゾー
住所/神奈川横浜市中区元町3-127
電話/045-651-2801
定休日/月曜日
営業時間/10:30~19:00
Humidor Sugishima(ヒュミドール スギシマ)
住所/神奈川横浜市中区元町3-115百段館ビル1F
電話/045-641-0084
定休日/月曜日
営業時間/10:00 ~ 19:40
愛知屋坪﨑商店
住所/神奈川県横浜市中区元町5-196
電話/045-641-0957
定休日/第3日曜日
営業時間/9:00 ~ 22:00(月~土)13:00~19:00(日・祭)
参考文献
横浜元町ショッピングストリートHP
http://www.motomachi.or.jp/
よこはまいちばんさん
2015年08月27日 09時59分
元町限定を探すのに苦労されてましたが、それ以前に今では元町の事業者廃業が進んで全国チェーンや新規参入業者も増えて、近所にあるような店がたまたま元町にある程度で、わざわざ元町へ出向く価値が無くなったと実感している。新規参入業者が廃業物件を入手して積極的に複数店舗を展開している様子もあるが魅力は一切感じられず。元町独自の事業者も事業拡大の一環で、ターミナル駅などの商業施設に支店を開設するのも一因かと。やはりわざわざその街へ出向かないと入手出来ない、その地に根差した老舗(昭和初期以前創業)の商品を見たり買ったり・・・それら環境が利便性と引き換えに失われてしまった事は、外来型商店街の魅力をも失わせてしまって衰退にも繋がりつつある現状は大変残念に思える。規模が大きくも特徴がない伊勢佐木町が一足先に衰退気味なように、これまでファッション系特徴だった元町も異業種混在で遅ればせながら衰退気味へ。
セカさん
2015年08月26日 16時18分
元町の塾に通って石川町でボウリングして角のゲーセンで遊んでと子供の頃は結構行ってたけど、歳をとった今は信濃屋さんもないし元町にはプライベートでは用がないのですっかり足が遠のいてしまった。小売も飲食も厳しい時代で観光に頼らざるを得ないからチャーミング用の記事広告かな?
dojaneさん
2015年08月25日 12時33分
横浜生活も40年を超え、お盆に久しぶりに元町をブラリしましたがあまりの閑散さに驚きました。個性的なお店が少なくなりチェーン店ばかりが増えてきたですね。元町らしさがなくなってきたなぁと、かつてのハマトラ娘だった家内も同感と。