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横須賀市内に「限界集落」があるって本当?

ココがキニナル!

横須賀には200段の階段を登ったところに住宅が多数あり、限界集落になっているようです。限界集落の状況や、住んでいる人の暮らし?宅配便は届くか?また「空き家バンク」の現状を調査願います。(まさしさん)

はまれぽ調査結果!

車が入れず階段でしか行けない、交通の不便な谷戸の家を中心に空き家が増えている。横須賀市では空き家を減らす対策を行っていて変化が生まれている

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ライター:小方 サダオ

プロジェクトに参加する大学生に話を伺う



その中の、奥まった場所に建つ家が今回の目的地であった。
 


今回の目的地に到着


島さんによると「1966(昭和41)年築の46平方メートルの平屋建て。家主に協力していただき、市がリフォーム費用の一部を補助して学生に貸しています」とのことだ。
 


廊下の左右に2部屋ある


その一室に、今回の制度を利用している学生3人に集まってもらい、質問に答えてもらった。
神奈川県立保健福祉大学、社会福祉学科の2年生の安部君、同大学栄養学科の竹鼻さん、同大学栄養学科の和田さんだ。
 


(左から)和田さん、竹鼻さん、安部君
 

日常生活の一コマを再現してくれる安部君


まずは安部君に今回の制度利用のきっかけなどに関して伺うと「私は2015(平成27)年の3月から友達とシェアする形で入居しています。この制度の第三期の利用者になります。友だちが『シェアハウスに住まない?』と誘ってきたのがきっかけです」と答えてくれた。

また動機に関して伺うと「大学生活の費用に関して、あまり親の世話になりたくなかったので、大学から近く、家賃1万円のこの物件は魅力的でした」と答えてくれた。
 


清潔感がある浴室


島さんは「学生居住家屋は、物件ごとに、男子女子の指定はありませんが、竹鼻さんと和田さんは女子専用のシェアハウス、安部君は男子専用のシェアハウスに住んでいます。この地域は高齢者が多いため、特に福祉大学の学生は心強いのです」と付け加えた。

さらに安倍君は「地域への貢献活動も行っています。足の悪いおばあさんのゴミ出しや地域の清掃活動も行っています。両親は人と関わる仕事である福祉関係の学生にとっては、良い経験になる、と賛成してくれています」と答えてくれた。
 


安部君の部屋


続いて和田さんに話を伺った。
「私は2014(平成26)年の3月から入っていて、第二期のメンバーになります。
きっかけは、まちづくり協議会に『3人でシェアハウスをしませんか?』と持ちかけられたことです。試しに地域のお祭りに参加したところ、この人たちとなら上手くいけそうな直感がして、参加を決めました」と答えてくれた。

島さんは「ここは谷で町内の結びつきが密です。そのかわり人間関係がわずらわしいと思う人には住みづらいかもしれません」と付け加えた。

ここで女性記者が、夜道について心配そうに尋ねると「地域で防犯パトロールが定期的に行われていますし、地域の方の守っていこうというお気持ちを感じているので『110番の家』がたくさんあるような気持ちでいられます」と答えてくれた。
 


街灯はあるが、夜間は暗そうだ



和田さんに地域での活動などに関して伺うと「地域の清掃活動や1人暮らしの高齢者の資源ゴミ回収活動を代わりに行ったりしています」と答えてくれた。

ここでの生活に関して伺うと「宿題やテスト対策をみんなでやったり、誕生日パーティーを開いたりと、毎日が修学旅行みたいな気分です」と答えてくれた。

インタビューを終え、お休みの日にもかかわらず対応してくれた学生たちに感謝をして別れた。
 


山の上は広く普通の住宅地と変わらない印象だ。


次に島さんが、すぐ隣に建つ、空き家バンクで入居者が決まった家を案内してくれた。
「こちらは先ほどの物件と比べて、月々3万9000円と少し高くなりますが、フローリングできれいにリフォームされています」という。
 


入居者が決まった、月々3万9000円の物件


また少し離れた場所の家に関しては「あるサラリーマンが不動産投資の目的で、シェアハウスとして買われた物件です。そちらの家賃は月々3万6000円で、今なら投資目的の方に対しても市からもリフォーム補助を行っています」と答えてくれた。

そしてふもとまで戻ることにした。
 


地元住民は日常的に使用するという細い山道
 

配達中の人に話を聞こうとするが、あまりに大変そうなので控えた


ふもとへと下りる途中、配達中の宅急便と思われるスタッフを見た。後日島さんに伺うと、「宅配便は、各社、配達時間がかかるだけで、必ず配達してくれると言っています」とのことだった。

さらに私たちは階段を下るある年配の女性と会った。そして島さんが市の職員と分かると「作業服姿の高額の工事費を請求する人が現れるんです」と不満を語った。
 


杖をついて傘を差しながらの階段の利用は難しそうだ


島さんは「近所の人を呼んで、お金のことは1人で応対しないようにして気を付けてください」と助言をしていた。

高齢者が多い地区を狙っての犯罪も、ここでは起こりうるのかもしれない。
 


防犯パトロールを実施しているという


ふもとへ戻ると、島さんとブルームバーグの取材班にあいさつをし、お別れをした。



ほかの谷戸の様子は?



島さんより、汐入町3丁目の谷戸にも階段が多い場所があると聞いた。そこでそこに向かうことにした。
 


階段が多いという汐入町3丁目に向かうことにした
 

先ほどの大通りを南下
 

しばらく進んで左折する
 

さらに南に向かって右折すると、いくつもの谷戸への階段が現れる


先ほどの駅前の大通りに再び出て、東に向かって左折、さらに小さな道を右折すると、先ほどのような階段のある谷戸が姿を現した。
 


ひとつの階段を上ってみる


そのひとつの階段から70段ほど階段を上ると、二輪が通れる中腹の道に出た。
 


二輪が通れる山の中腹
 

中腹から伸びる階段は一部破損している


そしてここも階段の上にいくつも家がある。しかししばらく散策したが、空き家はほとんど見つからなかった。
 


階段よりスロープが使いやすい人もいるようだ


そこで空き家率の高いという、先ほどの地区に戻ることにした。
しかし後日島さんに伺うと、汐入町3丁目は汐入町4丁目との境の標高が高いあたりには空家があったようだ。
 


子育て地蔵尊などで知られる、長光寺