「ホタルの里」から廃墟群となった横須賀市田浦町の今は?
ココがキニナル!
横須賀市田浦町は、10年ほど前に「ホタルの里」として町おこしをしていたと記憶しています。今はホタルはいるのでしょうか。どうなったのか現状を教えてください。(619のキニナル)
はまれぽ調査結果!
横須賀市田浦町のホタルの里は一部現在も行われているが、高齢化のため継続が難しい地域もある。谷戸の廃墟は過疎化や開発の立ち退きによってできた
ライター:小方 サダオ
田浦4・5丁目のホタルの里に向かう
まずは田浦町4・5丁目から。国道16号線から、山に向けて進む。
田浦町4・5丁目のホタルの里があるあたり(青矢印)(Googlemapより)
横須賀と横浜を結ぶ国道16号線
車がすれ違うのが困難な細い道路も多い。
京浜急行のガード下
JR線の線路を横切る
山のふもとのエリアに入る
それまでは住宅地が続いていたが、JR線の線路を越えると山に近くなる。すると住宅がまばらになった。山沿いの道に電信柱があり、その先の藪が生い茂った中に、廃墟群が姿を現した。
入り口には針金が張られ立ち入り禁止の看板がある
山を登る階段があり、その先にはさらに廃屋が並んでいた。
山沿いの階段
整理のためと思われる番号が記されている
草木に覆われた街
放置されたウルトラマンの人形
谷戸にできた廃墟群、ということで、以前取材した横須賀の限界集落問題を思い出した。その時は高齢化による過疎化が原因であったが田浦町の場合は、開発業者による立ち退きによってできた廃墟であった。
木々に覆われた家屋群
廃屋の並ぶ谷戸を戻り、近くの山を上ってしばらくして下りると、ホタルの里として整備された場所に出た。
ホタルの里として整備された場所と廃墟
この道の先にホタルの里がある
廃墟となった住宅地の突き当りが、竹などで手すりが作られ観賞者のために整備されたホタルの里になっていた。
パイプで整備された場所もある
住宅地を流れるホタルの現われる川
廃墟となった家屋
田浦大作町に向かう
続いて国道16号線まで戻り、隣りの田浦大作町に向かった。
田浦大作町のホタルの里が残っているあたり(青矢印)(Googlemapより)
山のふもとにあるというホタルの里を目指し、住宅地の中の細い道を進む。すると住宅地の中に流れる川が見えてきてホタルの里の看板が立っていた。
枝分かれする道
ホタルの里の看板
山のふもとに建つ家
国道16号線から歩いて25分くらいかかって、山のふもとに着いた。ふもとには階段があり、その上に住宅が数軒あったが、どの家にも住人がいた。
その中の1軒に住むNさんに話を伺うと「30年ほど前に一度、この町にも開発の話がありました。しかしここの地主が山を売りたがらず、横須賀市に寄付してしまったのです。住人の立場からは、開発されて新興住宅地になってくれると良かったと思っています」
「不便で生活はしづらいです。子どもは出て行って私が残っているだけです」と答えてくれた。
階段を上った先にある家
また元気に階段を上ってきた初老の女性に伺うと「私は祖父が住んでいたこの山の土地を買って、住んでいるのです。こんな不便な場所は、この土地を、売ろうとしても買ってくれる人はいないでしょう」と答えてくれた。