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横浜駅の「みなみ東口」はいつまで仮設通路なの?

ココがキニナル!

横浜駅のみなみ東口から中央郵便局前に繋がる通路はいつまで仮通路?/フェンスがある通路の奥は何がある?/東口は再開発が遅れている気がする(タッカーさん、時航研さん、なみきさん)

はまれぽ調査結果!

みなみ東口の仮設通路は、平成30年代半ばの完成予定で整備される。フェンス奥は管理運営上の設備がある。東口は開発しづらい立地のため遅れている

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ライター:小方 サダオ

事業の進歩について



横浜市都市整備局に仮設通路について話を伺うことにした。

再開発を担当しているという、都市整備局都心再生課の遠藤拓也(えんどう・たくや)さんに伺うと「横浜市ではエキサイトよこはま22という計画に基づいて、駅周辺の開発に合わせて順次歩行者ネットワークを構築していきます」という。

「エキサイトよこはま22」とは、2009(平成21)年12月におおむね20年後のあるべき姿を探りながら策定されたそう。「国際化への対応」「環境問題」「駅としての魅力向上」「災害時の安全性確保」などの課題を解消し、「国際都市の玄関口としてふさわしいまちづくり」を進めるための指針となる横浜駅周辺の大改造計画のこと。駅とさまざまな地区との回遊性を高める狙いもある。

 

回遊性を高める歩行者ネットワークを構築する
 

東口の計画に関しては「現在『エキサイトよこはま22横浜駅みなみ東口地区地区計画』として都市計画手続きを行っているところです。地区内の歩行者用通路と地下から新設するデッキレベルまで縦に移動できるターミナルコア(TC)を、都市計画における地区施設として位置付けています。TCは、みなとみらい線・みなとみらい駅のエスカレーターやエレベーターのある吹き抜け空間のようなイメージです」という。

 

周辺をTCとして整備する
 

みなとみらい駅に直結する巨大な吹き抜けの空間
 

遠藤さんによると、仮設通路も「みなみ通路」の一部としてTCとともに整備されるとのこと。
また、当初のスケジュールでは「みなみ東口」の通路はいつ完成する予定だったのか伺ったところ「『エキサイト横浜22』はあるべき将来像を示した計画であり、具体的なスケジュールは示しておりません。民間事業によるところが大きいので、詳細な工程は確定していません」とのことだった。

 

整備される予定のTC(緑矢印)
 

TCの形成イメージ図
 

「地区内では平成30年代半ばの完成を目指して再開発事業の検討が進められており、再開発ビルが歩行者ネットワークの一部の機能を担うこととなります。地権者による再開発事業になりますが、現段階では準備組合(市街地再開発組合の設立を準備する権利者による団体)もできていません。権利者間で再開発計画を合意してから事業がスタートするので、具体的な完成時期はまだ固まっていません」という。

東口の南側は開発が遅れている印象について伺うと「JR、京浜急行、地下のみなとみらい線といった鉄道の線路が錯綜しており、鉄道に影響を及ぼさないようにする必要があるので、慎重に計画する必要があります」と話してくれた。

 

東口の南側は線路などがあり開発しづらい立地だという
 

続いて、横浜市都市交通経営担当課長の栢沼伸茂(かやぬま・のぶしげ)さんに、仮設通路に関して伺うと「仮設通路は『エキサイトよこはま22』の計画を見据えて暫定的に作ったものです。敷地はJRと郵便局の土地を借りて、2004(平成16)年ごろに作ったものです」とのこと。

フェンスでふさがれた場所に関して伺うと「通路のメンテナンスは相鉄企業株式会社に委託しています。この場所は、管理運営上重要な設備もあるのでフェンスを設置しています。通路の奥の取材はお控え願いますでしょうか」と答えてくれた。

 

みなみ通路を管理するための設備がある場所
 



横浜駅周辺の歩行者ネットワークを確認



横浜駅周辺の大改造計画にともなって、仮設通路は本整備されるという。
それでは前出の横浜駅周辺の歩行者ネットワークはどの程度整備されているのだろうか。

横浜駅の中央口を西口から東口に向かい、きた東口、きた西口、みなみ西口、そしてみなみ東口の通路を回ってみた。

 

中央口(赤矢印)から、北口(緑矢印)、南口(青矢印)と回った。ルート(オレンジ矢印)
 

各出口付近と通路の様子


やはりみなみ東口は仮設だけあり、特に天井がガラス張りで整備されたきた東口と比べると外観の差を感じさせた。
続いて「エキサイトよこはま22計画」の図にあるデッキレベルの歩行者ネットワークも見てみることにした。

 

デッキレベルの歩行者ネットワークの一部(緑線)を確認してみることに
 

東口駅前からそごうとスカイビルの間を目指す
 

はまみらいウォーク(青矢印)横浜ベイクォーター方面の歩道(緑矢印)ベイクォーターウォーク(紫矢印)
 

歩行者ネットワークの現在の様子

 
「エキサイトよこはま22」の計画にある歩行者ネットワークは部分的にできているようで、前出の”回遊性”の感覚は感じられた。



エキサイトよこはま22横浜駅みなみ東口地区計画とは



仮設通路の本整備にも関係する「エキサイトよこはま22横浜駅みなみ東口地区計画について(都市計画素案説明会お知らせより)」を詳しく見てみると、計画されている場所は西区高島2丁目地内、面積は約2.5ヘクタール(2万5000平方メートル、横浜スタジアム約0.9個分)だという。

 

西区高島2丁目が開発地区だ
 

地区内については、商業・業務施設や倉庫、鉄道施設などが立地しているが、鉄道により分断され、低利用地や未利用地が多く、駅直近の立地特性を生かした土地利用がなされていない状況だという。

さらに、隣接するみなとみらい21地区及び平沼地区とのアクセス性などに課題があり、また横浜駅東西を一体的かつ円滑に移動・回遊できる立体的な歩行者ネットワークを構築する必要性があるとのことだ。

 

地区内に整備される予定の歩行者ネットワーク。仮設通路(オレンジ線)
 

地区内の歩行者ネットワークの計画に関しては、吹抜けにより各階からの視認性に配慮した空間を作り、来街者などのガイドとして機能するTCを整備するという。

また横浜駅の東西を横断できるルートとして、横浜駅東口の地下街と直結する歩行者用通路A(紺矢印)、TC、歩行者用通路B(赤矢印)の一部を整備し、みなみ通路である歩行者用通路B及び歩行者用通路C(青矢印)と連続させて、JR南改札へと繋げる予定だ。

 

歩行者用通路A(紺矢印)・ B(赤矢印)・C(青矢印)とTC(緑丸)を連続的に整備する
 

次に横浜駅周辺地区とみなとみらい21地区をつなぐ歩行者動線として、帷子川横断デッキとTCを繋ぐ位置に歩行者用通路D(緑矢印)と、横浜駅周辺地区と平沼地区をつなぐ歩行者動線として、現在整備中の東横線跡地事業の一部として歩行者用通路E(黒矢印)を整備し、歩行者用通路Bと連続させてTCと繋ぐという。

 

歩行者用通路D(緑矢印)・E(黒矢印)により、みなとみらい21地区方面(桃矢印)をつなぐ
 

次に本地区内の回遊性を高めるため、TCを中心に地区内を一巡できるルートとして、道路を整備し歩行者用通路B・D・Eと繋げるという。

 

道路(紫矢印)を整備して、歩行者用通路B(赤矢印)・D(緑矢印)・E(黒矢印)とつなげる
 

この歩行者ネットワークが、横浜駅東口周辺地区とみなとみらい21地区などをつなぐ役目になるようだ。

では、周辺住民にこの事業に関して話を伺ってみた。