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【横浜の名建築】ベーリック・ホール

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第17回は、山手の西洋館の中でも最大級の大きさを誇る『ベーリック・ホール』。細部まで美しく、華やかでドラマチックな歴史を持つ魅力的な邸宅でした

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ライター:吉澤 由美子

見逃せないポイントがたっぷり 繊細で上品な装飾

(続き)

カーテン上部を隠すカーテンボックスは波のような切れ込みや彫刻がほどこされている。
 


リビングの天井は3.84mもある

 

暖炉の模様は菊ではなく、ロゼット文様。エジプト発祥で欧州でも伝統的な意匠


さらに、リビング北側にはパームルームと呼ばれる部屋が付属しており、そこは玄関と同じ白黒のチェッカーフロアに大きなアーチ窓がぐるりと配され、壁には獅子頭の壁泉(へきせん)がある。
 


パームルームの中心から壁泉を眺める


ここは中庭的なくつろぎの場所。港が見晴らせたため、北向きに作ったとされている。
夏の暑い時期には特に過ごしやすい場所だったはず。
 


壁泉の上にある窓は虹色に輝くタイルで飾られている。このタイルはとても貴重なもの


玄関から左手に進むと客間の先にはダイニング。壁の一部がへこんでいて床の間風に見えるが、イギリス人に言わせると食堂はもっとも英国の雰囲気を感じる場所らしい。

へこんでいる部分はアルコーブで、本来はチャイナキャビネット(陶磁器=ボーンチャイナを飾る棚)を置く場所だったらしい。
 


ダイニングも窓の面積が広く、陽光にあふれている


奥にはキッチン。ここには、創建当時から使われている年代もののアメリカ製シンク(流し台)がある。
壁一面に作り付けられた食器棚も当時のもの。
 


ホウロウが分厚いので手触りは石のよう


キッチンから廊下に抜けると、ドアの奥に地下への階段がある。
昔はボイラー室などがあった地下には昔のドアノブや瓦といったものが展示されている。

玄関から見えた階段は、廊下の壁際にある。優美なディティールが品よくまとまったデザイン。
 


階段の窓はアイアンワークがあり、色ガラスがはめられていたらしい
 

巻貝のような手すりに繊細な足
 

踏み板の横にも彫刻


2階には、夫婦それぞれの寝室と子ども部屋、そして客用寝室。部屋ごとに壁は違う色に塗られているが、これは壁の塗料を剥がして一番下から出てきた色を再現したもの。
 


2階の廊下は落ち着いた雰囲気


子ども部屋の壁は、ターコイズブルー。磨き壁というフレスコ技法の塗り方で、漆喰が乾かないうちに塗料を重ね、押えるように磨くことでなめらかな質感になる。美大チームが1ヶ月がかりで再現したもの。

子ども部屋とはいっても、創建時にはすでに20歳だった息子の部屋。ここでは、バリエーションを楽しんでもらうため、小さな男の子の部屋として再現されている。イスやベッドも一回り小さくかわいい。