瀬谷高校近く、柵で閉鎖された「森の中に消える道」。謎の道の真相は?
ココがキニナル!
バス停西部病院前から瀬谷高校に歩いていくまでの道の途中の林に謎のガードレールと柵らしき物があります。何でしょうか(odakyuugoさん)
はまれぽ調査結果!
旧道の上から新道を整備した際に重ならなかった部分が残されたもの。道路の下の市民の森に下りやすい入り口などとして使用されていた
ライター:小方 サダオ
新道ができた後の「森の中に消える道」の様子は?
投稿の道にはガードレールがつけられていて、道としての利用を想定しているようにも思える。旧道が残され整備されたのは、新道が出来た後も何かしらの用途があったためなのだろうか。近隣住民へ、この道の利用についての聞き込みを始めた。
近所に住む女性からは「市民の森の中に遊歩道の整備のために車が入っていたことがあります。しかし数年前から、源流の森を守る制度の対象になり木を切るのは禁止されているため、最近は森の中で作業する車は見かけません」と伺った。
森は和泉川の源流に当たる
また年配の地元住民からは「違法駐車だと思いますが、あの道路が駐車スペースになっていました」との答えも。
市民の森と無関係な車の駐車スペースになっていた時もあるようだ
そして古くからこの地に住む女性からは「15年ほど前ですが、いつも閉まっている柵が開いていて、軽トラックがあの道路を使って森に下り、森の中で作業をしていているのを見ました。杉の木を細かく切って運び出したり、苗木を運んだりしていました」
「また市は市民の森として借りていて、みどり税(市域の緑の減少を防ぐための財源確保の目的の税金)から土地の管理者が手入れをするための代金を払っているのです」とのこと。
土地の所有者が森を手入れしているという
投稿の道は森の中に入りやすい道路といえる。土地の管理者などが市民の森の整備のため投稿の道を使っていたこともあったようだ。
さらなる情報を求めて、登記謄本を取ると、投稿の土地を所有するHさんが、2010(平成22)年に横浜市に土地を売却しているのが分かった。
土地の位置と形状を示した図面
そこで相鉄線瀬谷駅の近くに住む、Hさんのご子息に話を伺った。
投稿の道路の以前の様子については「旧道として使われていた時はガードレールはなく、崖を下りる下り坂になっていて、それがその道の坂道の部分にあたります」
旧道時はガードレールがなかったという
「『なぜ残っているか』については推測ですが、新道が作られた時に、父が余ってしまった旧道を残すようにしたものの、そのままでは危険なためガードレールを設置したのではないでしょうか?」
「その道の近くの森の中には泉があり、ホタルが生息する場所がありました。私たち家族は、その道に車を停めて野草を取ったりしたこともあります」
「しかし野草を取ったりすることは、自分達の土地であっても、森林の環境を変えることが問題となり、禁止されるようになったのです」
1977(昭和52)年の航空写真。投稿の道路(青矢印)の舗装部分が覗いているのは、頻繁に利用されていた時期だったからだろうか
「また道路の下にゴミが捨てられることがありました。柵をするようにしたのは、それを防止するためかもしれません」と答えてくれた。
新道ができた時に土地の所有者が、森に下りやすい旧道にガードレールを設置するなど利用しやすい形にして残したのかもしれない。以前は森へ下りる道として使われたものの、現在は地主であっても野草取りなど森林への干渉が規制されるようになったため、「旧道の残留物」の利用価値も少なくなったのではないだろうか。
さらにゴミが捨てられることや前出の駐車スペースに利用されることなどもあり、土地の所有者が柵をするようになったのかもしれない。
市民の森の木の伐採は土地の所有者であっても出来ないという