横浜で国産初の連節バス「ベイサイドブルー」がデビュー! 車両発表会をレポート
ココがキニナル!
横浜駅東口と水際線沿いを結ぶ新たな連節バス"BAYSIDE BLUE(ベイサイドブルー)"が発表されました。(まっくすさん、HIDANAGAさん、白髪ハウルさん、ナチュラルマンさん、soraさん)
はまれぽ調査結果!
「ベイサイドブルー」はメタリックブルーの外観が目を引く。走り出しが非常に静かで、車内は落ち着いた雰囲気だ。横浜駅~山下ふ頭間で6月運行開始に向けて、今後は道路や停留所の整備と試運転が進められる。
ライター:若林健矢
ハンマーヘッド敷地内で、連節バスを先行体験!
あいさつが終わると屋外に移動し、いよいよベイサイドブルーとご対面! 今回はCIQホールの出入り口からバスに乗り、ハンマーヘッドの敷地内を1周するという試乗体験が行われた。さっそくバスに乗り込み、乗り心地を確認してみよう。入口はバスの前方にあるドアになり、後ろのドアから降りる。しかし、この連接バスの降車ドアは2つあるので、真ん中と後ろのどちらのドアから降車しても大丈夫だ。
国産初の連節バスに一足先に乗車!
発車してすぐにあることに気づいた。バスの音が驚くほど静かだ。というのも、ベイサイドブルーはハイブリッドバスなのだ。そのため発進時はモーターの力だけで動き出し、ある程度スピードが出たところでエンジンの力も加わって加速する。一方停車時は、減速する際に発生したエネルギーを電気に変換し、バッテリーに給電した後、発進時に利用する。つまり、ある程度速度が出るまではエンジンを使わないため、静かでスムーズな発進ができるのだ。
港をバックに青い車体が走る! 全長はなんと18メートル
ハンマーヘッドのバス転回場で右に大きくカーブする。その際、幌(ほろ)で車体が繋がっているため、車窓から車体の前後が見えてしまうほどの迫力。単車のバスではこのような見た目にはならないので、連節バスがいかに長いかがよく分かる。
車内からもバスの前後がよく見える
外から見るとこんな風に曲がっている
転回場でUターンした後、ハンマーヘッドの一般出入口に近い第2駐車場まで直進し、再び右に大きくカーブ。そしてバスは停車し、降車となった。外から見ると、やはり連節バスのカーブは迫力満点だ。
第2駐車場を大きく回って、試乗は終了
外観はメタリックな青、車内は落ち着いた雰囲気に
停車したベイサイドブルーをもっと詳しく見てみよう。外観はメタリックな青色で、窓周りが黒で統一されている。このボディはただの青一色ではなく、光が当たっている部分は明るい青に、当たっていない部分は深みのある青にと、角度によって微妙に見え方が変化する。高級感があって、とても惹きこまれる印象だ。
シンプルな色合いで非常にカッコいい!
同じ青でも、見る角度で色に明るさや深みが生まれる
背面は最近のバスとほぼ同じ形
車体のいたるところに、ベイサイドブルーのロゴマークや文字が白く描かれている。ベイサイドの「B」をイメージさせるデザインだが、見方によっては波にも見えるし、海上を飛ぶカモメのようにも見える。これにもまた横浜らしさが出ているように感じた。
青い車体に一際目立つロゴマーク
車両のいたるところにあしらわれている
天井部分にもさりげなくベイサイドブルーのロゴマーク
また、一見気づきにくいが、バスが停車した際、歩道側に微妙にバスが傾く。これで歩道とバスとの段差が軽減され、乗降しやすくなる。車いすで乗車する場合も、真ん中の出口からはスロープが伸び、ベイサイドブルーの「利用しやすい」ポイントは、こうした面にもきちんと表れているようだ。
乗降時は歩道側に車体が傾き、段差が軽減される
真ん中のドアからはスロープも伸ばせて、車いすの乗客にもやさしい
今度は車内を見てみよう。上品かつ爽やかな外観に対して、床は木目調、座席がライトグレーと、こちらはかなり落ち着いた印象。外観は分かりやすく目を引く印象だったが、車内はシックなデザインの良い雰囲気。
暗めの木目調にライトグレーのシートで、外観とは違った雰囲気に
連節バスの後部側
通常のバスは運転席側にしかない案内表示が、ベイサイドブルーでは貫通路の前後にも搭載されている。全部で3ヶ所あることで、混雑時にも次の停留所がどこか分かりやすい。
貫通路の前後にも次のバス停などが表示される
この連結部分はぐぐっと曲がる。走行中はここに立ち止まらないように
また、座席の注目ポイントは、後ろの車両の最後部座席が4人で向かい合って座る「ボックスシート」になっている点だ。これはバスの中では非常に珍しい。電車でよく見るものよりも座席の間が広く取られているため、家族や友達と座る場合も、知らない人同士で座る場合もゆったりと利用できる。
向かい合って座る座席は、バスでは非常に珍しい
この大型車体が功を奏し、通常の路線バスでは約60名の定員数が113名となった。これで1人のバス運転手で今まで以上に多くの乗客を運ぶことができる。バス1両の価格は、車体そのものが約8800万円で、そこにデザインやラッピング等の費用も含めると合計約1億円。ベイサイドブルーは4台導入されるので、約4億円ということになる。