健康・スポーツ分野／エネルギーを高める中国伝統の「太極拳」

次は日本最大の中華街で習う、中国伝統武術の「太極拳」。
初級クラスにおじゃまして、いつも通りのレッスンを体験させてもらった。この日は先生1名、生徒7名のレッスン。

関節や筋をほぐして気血の流れをよくするという「抜筋骨（ばっきんこつ）」からスタートし、「気功」「太極拳」へとプログラムが進行する。
　

全身からボキボキと音が…

途中、醍醐枝充子（だいごえみこ）先生が「気」の流れについて説明。
「気」とは、生きている人や物が持っているエネルギーのこと。意識のあるところに「気」は通り、「気」が弱まると病気やケガなどが起こりやすくなる。だけど力んではダメ。「気」は力を入れると止まるので、心身をリラックスさせることが大事だそう。
　

丁寧に教えてもらえるから初心者でも大丈夫

いくつか流派があるが、ここで習えるのは「正宗太極拳（せいそうたいきょくけん）」（※「正宗」は中国語で「伝統ある／正統な」の意味）。全99の型がある。
初心者クラスではそのうち基本となる14の型を練習。

開始前は「ゆっくりした動作だし、余裕」なんてタカをくくっていたのだが、ここで撃沈！
「右腕を上げ、それを包み込むように左手。…一歩前へ。…右手を腰のところで握り…」。
って、ついていけませんっ！
やったこともない体勢に四苦八苦する有様。
　

どうしても肩や腕に力が入ってしまう

醍醐先生曰く、初心者は特に「意識する＝力が入る」になりやすい。まずは言葉を聞こうとせず、型をとにかく見てマネするようにすると自然と覚えられるそう。
「太極拳」が身につくと、血行やリンパの流れが改善されると共に、インナーマッスルも鍛えられる。基本14の型は5〜10分で通せるので、これを覚えてやるだけで、高い健康効果が期待できるのだとか。
　

先生は片足立ちでも全くフラつかず静止！

終了後は、身体が温まり、肩甲骨まわりがほぐれた気がした。

中級者クラスでレッスン後、汗だくになっていた生徒の髙橋さんにお話を伺う。
　

始めて5年目。型がすっかり板についている

空手の師範だった髙橋さん。腰痛の改善が目的だったが、それ以外にも思わぬ効果が。
「ストレスに強くなり、人からは『性格が柔らかくなった』と言われます。心構えが変わり、何か問題があってもいちいちぶつからず流せるようになったのかも」。
なるほど、「気」を意識するということは、肉体的にも精神的にもゆるやかに構えるということにつながっているからだろうか。

元々武術に興味があり、会社帰りに通いやすいという理由でこの教室に決めた由紀江さん。
　

始めて7ヶ月。「肩こりがラクに！」

「仕事中に疲れたら『抜筋骨』をやるなど、ストレッチ感覚でふだんの生活に取り入れています」
特別な道具を使わずできる「太極拳」。覚えてしまえば、自分でもどんどんできるところがいいなと思った。

教室は毎週火曜日18:50〜20:00に開催。料金はチケット制で5回分1万円、入会金は6千円。渋谷駅前本部教室と共通チケットあり。


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