幻のトンネル「東京6」? 東名高速道路下にあったトンネルはどこに消えたのか?
ココがキニナル!
東名高速道路の下をくぐれるトンネルが東京料金所付近にあります。しかし、東京5トンネルの次が東京7で、6がありません。なにかあったら面白そうです!(向かいの丘さん)
はまれぽ調査結果!
トンネル「東京6」は高速道路の管理用の地下通路。5と7の間に高速道路建設の際に川を付け替えたトンネルはあるが、入り口が埋められた理由は不明
ライター:小方 サダオ
周辺住民は「幻のトンネル」の正体を知っているのか?(つづき)
料金所の近くのお宅に聞き回っていると、敷地内に広い畑を所有するある旧家の男性が、「約50年前、建設地の下を通るトンネルがありました。私は自転車でよく通り抜けていました。長さは20メートルほどで、下に鉄板が張られていて、その下を水が流れていたのです」と教えてくれた。
さらに近所の店の店主に伺うと「近くにある湧水を流す水路のようなトンネルでした。完成後は入口をアスファルトでふさいでしまったために、駐車場のあたりだと思いますが、入口は正確にはわからなくなってしまいました。しかし出口は今でもありますよ」
長さは約20メートルの、湧水(青矢印)の流れるトンネルで、下に鉄板が張られ通行できた
「このあたりには豊富な湧き水が昔からあって、その入口をふさいで地下化にしたために大雨などが降るとそのあたりのマンホールから水が湧き出たりします」
東京5と7の間に入口のふさがれたトンネル(赤線)がある
地下化された入り口付近の下水があふれることがあるという
「祖父によると、そのトンネルは昔からあり、農家が湧水の近くの田畑に通うために作ったトンネルだったそうです。リアカーが通れるくらいの幅はあったようです」と答えてくれた。
そこでその「水路の出口」を探してみることにした。前出の駐車スペースのあたりの入口があったとのことで、「東京5」を通ってその反対側あたりに向かうと、道路の下の草木に覆われた中に、「トンネルの出口」が口を開けていた。
トンネルの入口があったあたり
「東京5」を通って反対側に向かう
道の先にはNEXCO中日本エクストール横浜株式会社の建物がある
以前は山の中腹に口を開けていたトンネルだったという
道路の地下を通る水路のトンネル
出口(赤矢印)は開いていて、水路へとつながっている
巨大な排水溝、といった印象で、前出の店主のお話にあったように、下に鉄板が張ってあり、その下を向う側から来る水が流れていた。
以前は鉄板の上を通行できた
入り口付近にフェンスがあり中に入れないようになっていて、向こう側は入り口がふさがれているからか、真っ暗で何も見えなかった。
トンネルの内部は真っ暗だ
そしてその水が溝を通って下流のほうへ流れて行っていた。今は人は通れず排水溝の役割しかないようだ。
出口で排水溝に合流している
排水溝に流れる水
道路の下を通るトンネル
続いて過去の地図を調べると、同じ場所にトンネルは見当たらなかったが、近くに細い川が流れていた。その川の流れを変えて高速道路の下に通したものが現在のトンネルなのではないだろうか。
現在のトンネルのなる前の川(青矢印)(川崎市北部詳細地図 1962《昭和37》年)
昭和37年と現在の地図を重ねたもの。以前の川を現在の位置に移設したようだ