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六角橋商店街にある銭湯「千代田湯」で行われる銭湯寄席はどんな様子?

ココがキニナル!

銭湯寄席が、六角橋商店街内の銭湯千代田湯で行われているようです。ぜひ、レポートをお願いします。(行方不明さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「二つ目」と呼ばれる真打ちになる前の落語家に、機会を与えようと生まれた寄席。2003年7月から奇数月の第三金曜に開催されるようになった、心温まる寄席だった。

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ライター:河野 哲弥

下町人情が残る六角橋ならではの催し

秋分の日を翌日に控えた9月21日(金)、神奈川区にある六角橋商店街の千代田湯で、恒例の銭湯寄席が行われた。銭湯寄席とは、今年で10年目となるこの催しは、奇数月の第三金曜日に定期的に行われるもので、今回で56回目を迎える。
 


細い路地裏が続く、千代田湯前の様子


銭湯寄席を取り仕切るのは、千代田湯のご主人、開発勝二さん(75)。
19時開演の2時間ほど前にお邪魔して、詳しいお話を伺ってみることにした。



「二つ目」に活躍の機会を与えたいと、一念発起

千代田湯に到着すると、寄席の準備はほぼ完了し、後は開演時間を待つだけといった状態の中、開発さんが出迎えてくださった。
 


75歳とは思えない、千代田湯のご主人


まずは、銭湯寄席を開催するようになったきっかけから伺ってみよう。
開発さんによれば、若い頃から落語が大好きで、授業をサボっては寄席通いをしていたらしい。落語家たちと接しているうちに、この業界には独特の師弟制度があることに気付いたそうだ。
 


女湯の脱衣所が寄席の舞台となる
 

脱衣所にあったものは、すべて浴室内に移動してある


一般的に、落語家になるには、師匠に弟子入りすることから始まる。関東の場合、最初は「前座」という見習いからスタート。師匠の身の回りの世話が中心で、寄席などに上ることができないかわりに、給金がもらえる。この次が「二つ目」。寄席に上がることはできるが、まだ名前が知られていないので、実際に呼ばれることはほとんどない。師匠がトリを務めるような寄席に出させてもらうほかは、自分で営業をしなければいけない。「前座」のときに支払われていた給金も出ないのだ。
苦労を乗り越え「真打ち」に昇進すると、真打ち披露目が行われ、晴れて師匠を名乗ることができる。

ある意味、一番苦しい時代ともいえるのが、この「二つ目」なのである。開発さんは、こうした若い落語家たちに練習と活躍の場を与えたいと考え、神奈川県を中心に活動する落語愛好家らの団体「group 噺道楽」を通じて、千代田湯を寄席の場として提供。2003(平成15)年の7月から、銭湯の定休日を利用し、奇数月の第三金曜日に銭湯寄席が開催されることになった。料金は1000円(前売り800円)と、かなり手頃な価格だ。
 


左から定例メンバーの6人。右の2人は真打ちとなり、この「銭湯寄席」からは卒業


寄席で腕前を披露するのは、落語家の各家元などへ声をかけて集まった定例メンバー6人のうち、都合の付く2人が参加する仕組みとなっている。この日は、「二つ目」の柳家初花(しょっぱな)と三遊亭好の助が登場した。ちなみに三遊亭好の助は、マジシャンであるナポレオンズの背の高い方、ボナ植木さんのご子息なのだとか。