港南区にあるバス停、“下車ヶ谷”と書いて“かしゃげと”。その由来は?
ココがキニナル!
港南区に下車ヶ谷(かしゃげと)と言うバス停が有るのですが、このバス停の由来を教えて下さい。(ヨコさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
かつては武相国境の尾根だった場所。昭和に入り、バスの終点となったことから「車を降りる場所」から付いた名前なのではないかという説が有力
ライター:田中 大輔
先日の「コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!」でも取り上げた通り、横浜市内には一見しただけでは読めないような地名が数多くある。
今回はその中のひとつ、「下車ヶ谷」についてのキニナルをいただいた。
“げしゃがたに”と思いきや、これで“かしゃげと”と読む。
問題の“下車ヶ谷”は、住所表記には使われておらず、あるエリアを指す地名ではない。
今現在、この名前が確認できるのは神奈中バスの停留所の名前としてだけだ。
いったいどんな謂われがあってこんな名前が付けられたんだろうか。
確かに“かしゃげと”
現地に向かう前に、まずはバス停を持っている神奈川中央交通(以下:神奈中)に問い合わせてみた。
広報担当者からは、社内で調べるので時間をくださいという返答。
というわけで、こちらはひとまず調査をお願いして、その間に現地へ向うことに。
下車ヶ谷停留所は港南区にあり、上永谷駅から上大岡駅を結ぶ路線の途中にあるバス停だ。県道22号線沿いの日野2丁目交差点辺りがその場所に当たる。
実際に現地に行ってみると、たしかに“かしゃげと”。
右側のローマ字がなければ読めそうにない
一般に“下車”は“げしゃ”だし、“ヶ”を“げ”と読ませるのもあまり聞かない。あまつさえ、“谷”を“と”だから、知らなければおよそ読めるはずもない。
なぜこの名前で、なぜこんな読み方なのか。
周辺で地元の人に聞き込みを行ってみた。
地の人がいない住宅街
下車ヶ谷バス停付近は、その名の通り谷状になっている場所。
県道22号線の両側は高台になっていて、その上に住宅街が見られる。
上永谷から来て左側の高台から。新しい建物が目立つ
住宅街なので、人の姿は見かけるがどの人に聞いても「分からない」という答えばかり。
昔からある神社やお寺も近くにはないようで、調査は難航。
なかなか上手くいかない中、ようやく出会えたのが近くに30年以上住んでいるという高橋さん。
ワンちゃんの散歩中にお話を聞いた高橋さん
ところが、高橋さんから返ってきたのも「うーん、分かんないねぇ」という答えだった。
近所に知っていそうな人はいないか聞いてみると、「この辺り一帯(上永谷駅から来て右側の高台)は日本鋼管(NKK)の寮だったところで、家が建ったのはわりと最近だから歴史に詳しい人は少ないんだよね」と教えてくれた。
途方に暮れかけるが、「日野病院は昔からあるから、そこで聞いてみれば?」とアドバイスをもらうことができた。