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港南区にあるバス停、“下車ヶ谷”と書いて“かしゃげと”。その由来は?

ココがキニナル!

港南区に下車ヶ谷(かしゃげと)と言うバス停が有るのですが、このバス停の由来を教えて下さい。(ヨコさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

かつては武相国境の尾根だった場所。昭和に入り、バスの終点となったことから「車を降りる場所」から付いた名前なのではないかという説が有力

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ライター:田中 大輔

難航する調査に一筋の光!



下車ヶ谷停留所から歩いてすぐのところにある日野病院は、1959(昭和34)年からある病院。
長く地元にある病院ということだから、なにか知っている人がいるかもしれない。
と、期待したが、残念ながら「こちらでも分からないです」という答えが返ってきたのみ。

取っ掛かりを求めて、港南区役所にも電話で問い合わせてみるが、こちらも分からないとのこと。
さらに、調査をお願いしていた神奈中からも、「停留所が設置されたのは1979(昭和54)年8月2日というのは分かったんですが、それ以外のことは資料が残っておらず分かりませんでした」という連絡が・・・。

頼みの綱がブチブチと千切れていく中、藁にすがるように向かったのは港南図書館。
 


上永谷駅近くにある港南図書館


図書館の職員さんに協力してもらい、郷土史コーナーを中心に資料を探したが、地元の歴史について書かれた本にも下車ヶ谷についての記述を見つけることはできなかった。

現在でも地名として残っていれば状況は違ったのだろうが、バス停にその名を残すのみの下車ヶ谷は人々の記憶からも記録からも抜け落ちてしまったようだ。

分からず終いかと諦めかけたときに「地元の郷土史研究グループを紹介しましょうか?」と職員さんが申し出てくれた。



蛇の道は蛇! 港南歴史協議会に聞く!



図書館で教えてもらったのは「港南歴史協議会」という郷土史研究グループで、単なる趣味人の集まりではなく特定非営利法人(NPO)にもなっている信頼のおける会だ。
 


ホームページも立派な港南歴史協議会


早速、電話で事情を説明すると、「いろいろ説があるんですよ」という答えが!
ようやく訪れた調査の進展に胸を躍らせながら話を聞いてみた。

「まず、あの辺りでは“谷”と書いて“やと”と読む傾向があるんです。例えば、“大谷”と書いて“おおやと”とか」。
“やと”は一般的には“谷戸”と書かれ、谷の合間の集落を指す言葉。古い地名を調べるとよく登場する名前だ。

谷戸の表記や読み方は地方によって差異はあるが、“谷”を“やと”と読ませるのは珍しいケースだそうで、「下車ヶ谷の“と”は“やと”のことだと思います」。

下車の部分ついては、「あの辺りはかつて武相国境の尾根だったんです」。
確かに今でもその名残のように高台が残っている。
 


バス停のある県道22号だけが低い場所にある。昔はもっと険しかったのかも


「昔は(山が険しく)超えることのできなかった場所で、昭和の初めごろにはバスの終点になりました」と話は核心へ迫る。「そのため、そこで車を降りなければならない。そこで“下車”が付いたんじゃないかと考えています」

なんと! ということは、下車ヶ谷は意外にも新しい地名ということになる。
読み方については、“かしゃがやと”が訛って“かしゃげと”という音に変わったんじゃないかとのこと。
 


KashagetoはかつてKashagayatoだったのかも!?


ほかにも、山が急で荷車からなにもかも下ろさなければならなかったから、という説もあるそうだが、港南歴史協議会では上記の「車(自動車、バス)から降りる説」を取っているそうだ。



取材を終えて



考えてみれば、下車(げしゃ)という言葉は、人が自動車や汽車に乗るようになってから一般的になった比較的新しい日本語のはず。
その言葉が定着するまでの間に“かしゃ”と呼ばれていたことがあっても不思議ではない気もする。

てっきりもっと古い名前だと思っていたが、実はわりと新しい名前だった可能性が高いようだ。ハテナな地名を調べてみると、こういうビックリに出会えることが多い。
あなたの周りにも、そんな難読地名やバス停があるかもしれない。もし見つけたら、ぜひキニナルに投稿を!


―終わり―
 

この記事どうだった?

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  • 約40年来すぐ近くに住んでますがネーミングの由来は確かによく知りませんでした。2枚目の俯瞰写真右に写る「すき家」の看板から左へ奥に伸びてる細い道が当時の旧道で、ちょうどここでS字カーブをして右手の上永谷方面へ向かい、今は5メートルくらい嵩上げされ広い環状2号ですが、当時はほんとに細い谷底の道でした(平戸まで断続的に旧道が残りますね)。当時は撮影地点真下に駐車場付きコンビニ的な「日野マーケット」がありそこがバス停でした。上永谷方面からこの辺りで谷を直進してきた道が鎌倉街道方面へ峠を下りはじめるところでしたのでゆえに「下車ヶ谷」なのかも??

  • やが「谷戸」からやと、はわかるのですが、「下」を降りる意味で使うときも「か」と読むのだろうか。下船も「げせん」だし、下馬「げば」という言葉もある。ちょっと疑問アリ。下車は「げしゃ」ですよ。もちろん、「げ」でも他の意味もあるから、わかりませんが、下の方の車という解釈はできないのだろうか。

  • こういう調査は自分もたまにしますのでワクワクして面白かったです。ところで,自分は神奈中のマニアなんですが,「谷」と書いて「やと」と読ませるバス停は他にもみかけますね。神奈中のバス停だけですと,金堀谷(横浜市泉区岡津町)→かなぼりやと,領家谷(横浜市泉区岡津町)→りょうけやと,霧ケ谷(横浜市緑区霧が丘)→きりがやと,中谷(横浜市泉区三ノ宮)→なかやと,小谷(藤沢市獺郷)→こやと,とあります。神奈川県特有の読み方なのでしょうか?

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