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ココがキニナル!

川崎大師の名物「久寿(くず)餅」は、京都の葛餅と異なる理由はなんでしょうか。大師周辺で久寿餅を販売するようになったきっかけは何なのですか。(恋はタマネギさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

水にぬれた小麦粉を再利用したのがきっかけ。大正時代、近隣に味の素工場が設立され、小麦粉を原材料とするデンプンが安価に入手でき店舗が増えた

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2013年09月17日

ライター:河野 哲弥

くず餅ではなく、「久寿(くず)餅」?

寺社仏閣の参道というと、古くは七味唐辛子やお団子店、今ではさまざまな屋台が並んでいるイメージがある。
川崎大師周辺には、それらに加え、独自の「久寿餅」を提供する店が、数多く軒を連ねているのである。
 


厄よけ門をくぐってすぐの「福嶋屋」
 

ほかにも、5~6店の「久寿餅」店が軒を連ねる


それにしても、なぜ「久寿餅」という表記を用いているのだろうか。また、一般的なくず粉を使った「くず餅」と違い、小麦粉を原材料としている点についても、確認をしてみたい。
そこで、1887(明治20)年創業という老舗「住吉屋総本店」に、取材をお願いしてみることにした。



久兵衛さんが作ったから「久寿餅」

お話を伺ったのは、創業以来4代目となる、住吉屋総本店代表取締役の池上利雄さん。
こちらでは「久寿餅」のほかに、「麩(ふ)まんじゅう」と「精進しぐれ」という生麩のつくだ煮を、製造・販売している。
 


店舗入り口にて、のれんと写る池上さん
 

喫茶店も併設、その朝作りたての商品が味わえる


発祥秘話に進む前に、まずは実際の「久寿餅」を、いただいてみることにしよう。
頼んですぐ出てきたのは、和菓子の常識が覆るような、幾何学なアート作品だった。
 


三角形で円を表現した「久寿餅」。一人前400円


以前は黒蜜ときな粉をまぶして提供していたそうだが、「口に入れた瞬間にむせてしまうお客さんが多かったので、このようなスタイルに変更しました」と、池上さんは話す。
発案者は奥さんとのことで、見た目だけではなく、お好みの量を加減しながら楽しめるなかなかのアイデア。

食感はネットリとしているものの、一般の餅とは違って、サクッとした歯切れのよさが際立つ。漆と金粉を連想させる黒蜜ときな粉は、どこか懐かしい感じがする「和」を香らせ、素朴な食材にアクセントをもたらしている。
 


お土産用も各種用意、5人前サイズは1000円


さて、それでは本題に移ろう。
池上さんによれば、「久寿餅」の生みの親は、江戸時代の末期にこの近辺に住んでいた、久兵衛という人であるらしい。
 


よく質問されるので、しおりにまとめてあるそうだ


ある大雨の夜、久兵衛が納屋へ行ってみると、保管していた小麦粉がすべて水にぬれてしまっていた。これを、ひとまず樽(たる)に移しておいたのだが、どうやら、そのまま忘れてしまったのだとか。

翌年、川崎周辺を飢饉が襲ったため、ふと樽のことを思い出した久兵衛。早速確認してみると、水にさらされた小麦粉は樽の底でデンプンに変化していたので、これをなんとか餅として利用できないかと考えついたそうだ。
 


ここで川崎大師が登場


できあがった餅を川崎大師へ寄進したところ、当時の上人から、「久の字に、縁起のよい寿の字を付け、『久寿餅』とするがよい」とのお言葉をいただき、ここに川崎大師名物が誕生したというわけだ。



 

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