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横浜の趣きある茅葺き屋根の古民家がある場所を教えて!

ココがキニナル!

横浜市内にある茅葺屋根の建物で、現在でも現役(住居、物置等)の建物ってあるの?(にゃんさん)/一般に公開展示されている古民家は、市内にどれくらいあるの?(ねこぼくさん)

はまれぽ調査結果!

総数は不明だが、一般公開の茅葺き屋根の古民家は市内に複数存在する。個人宅もあるので、プライバシーに配慮して鑑賞されたい。

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ライター:松崎 辰彦

茅葺き屋根の家を求めて



ここ横浜にも少なからず茅(ススキやチガヤなど)を材料にした茅葺き(かやぶき)屋根の家が残っている。火事に弱く経年劣化する素材であること、扱える技術者が少ないことなどからあまり目にすることがなくなった茅葺き屋根だが、日本の“故郷(ふるさと)”のたたずまいを象徴するものとして、多くの都会人に郷愁の心を抱かせる。
 


趣のある茅葺き民家(写真:横溝屋敷)


しかし、現在茅葺き屋根を新たに建造するのは都市部では実質的に不可能だ。都市計画法第9条20項を基に行政が指定した防火地域・準防災地域では、火災に弱い茅葺き屋根を新築することができない。

横浜市都市整備局企画部都市デザイン室の小田嶋鉄朗さんに、横浜の茅葺き屋根の現状を聞いてみた。
 


小田嶋鉄朗さん


小田嶋さんいわく「横浜に茅葺き屋根の建物がどれだけあるか、総数の把握はしていません。ただ、茅葺き屋根の建物の多くは文化財や歴史的建造物の対象として調査されています」とのこと。

「歴史的建造物」という制度に関しては、「横浜市認定歴史的建造物ってどんな制度?」でもとりあげたが、「文化財」がおよそ創建年代の古さに判断基準が置かれ、古色を伴った建築物が多いことに対して、「歴史的建造物」には昭和以降の比較的新しい建物が散見される。

「地方にいけばまだ茅葺きの家屋は少なからずありますが、横浜で茅葺きの建造物は珍しく、価値があるといえます」
多くは市の運営する古民家園のような形で、展示物として一般公開されているが、投稿者が述べるような「現役の」茅葺き民家もある。まずは公開されている古民家から見てみよう。



かつての暮らしを伝える



横浜市営地下鉄ブルーライン舞岡駅から歩いて約30分。舞岡公園の中にあって人々を迎えているのが「小谷戸(こやと)の里」という一画である。
 


「小谷戸の里」への案内板


「小谷戸の里」の茅葺き民家「旧金子家住宅」は、明治時代後期に戸塚区信濃町に建築された金子邸を1994(平成6)年に移築したものである。
 


「小谷戸の里」の中にある旧金子邸


整形四ツ間取りと呼ばれる8畳の部屋を4室、「田」の字に配置した明治後期の典型的な造り。1995(平成7)年に横浜市の歴史的建造物として認定された。
 


中は広い


子どもたちの宿泊体験など、さまざまなイベントを開催し、かつての日本の暮らしを後世に伝えている。
 


カマドに火が入っている
 

さまざまな民具が置かれている


内部では昔日の農家のさまざまな備品を展示している。風合いに満ちた品々を眺めるだけでも、質実なかつての日本人の生活が想像できる。