ベイスターズを陰で支えるクリーニング士の関村英樹さんに密着!
ココがキニナル!
横浜DeNAベイスターズにはどんなスタッフがいるの?どのようにしてチームの力になっているのですか?選手との関係もキニナル。(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
球団内でクリーニングを行うパイオニアは、クリーニング士の資格を持った関村さんをはじめ、どこの球団にも負けないキレイなユニホームに仕上げていた。
ライター:山口 愛愛
横浜DeNAベイスターズの貴重な戦力となっているスタッフに密着し、ふだん、目にすることのできない仕事ぶりを紹介していく。前回の入来(いりき)祐作さん(用具担当)に続き、今回はクリーニング担当の関村英樹さんを中心としたスタッフに密着。
実は球団内でクリーニングまで行っているところは、セ・リーグではDeNAベイスターズのみ。スタッフの高い技術と選手との信頼関係に迫る。
現在クリーニング担当は4人。代表して関村英樹さんに伺う
チームのためなら徹夜の洗濯もなんのその!
取材日は11月23日に行われたファンフェスティバル2013の翌日。前日に選手やコーチがそろってユニホームを着用したため、シーズンオフの中では洗濯物が多い日だというのでクリーニング倉庫に潜入した。関村さんに話を伺いながら、作業を追っていく。
関村さんは横須賀市の追浜町出身で、横浜育ち。小学生のころから(DeNAベイスターズの前身の)大洋ホエールズのファンで、憧れの選手は俊足の屋鋪要(やしきかなめ)さんだったという。作業場のあるDeNAベイスターズ練習場(横須賀市)も馴染み深い場所だ。
「(当時は、横浜)ベイスターズか、横浜F・マリノスに関わる仕事ができたらいいな」と幼いころから漠然と夢を抱いていたそうだ。
主な仕事場はクリーニング倉庫
関村さんは元々「株式会社ベイスターズサービス」(当時のベイスターズ商品を扱う関連会社)でグッズ販売を担当していた。一方、当時の横浜ベイスターズは ユニホームなどの洗濯を、クリーニング業者に外注していたが、球団の経費削減策として1997(平成9)年から球団内で行うことになった。
クリーニング士の資格を持ったスタッフが担当したが、2年後に退職したため、当時、サービス担当の中で最も若かった関村さんが抜擢され、クリーニング士の国家資格を取り、後を引き継ぐ形となった。1999(平成11)年から15年間、クリーニングを担当している。
毎日、洗濯物は山積み
関村さんは、半年間「神奈川県クリーニング学院」に通い、100点は出ないといわれる(Yシャツのアイロン)実技試験に99点で合格。プロ野球界初の自社クリーニングは、国家資格を持ったクリーニング士の腕とスタッフのチームワークで今も継続されている。
「経費削減のために、他球団も自社クリーニングを取り入れようと検討していて、今年も色々な球団が視察に来ているんですよ。クリーニングスタッフ4人でやっていますが、どこのチームのユニホームよりキレイだという自信があります」と関村さん。
ユニホームが白くなるまでにはいくつもの工程がある
選手が試合や練習で身につけたユニホーム一式をクリーニングすることが任務だ。
「選手の戦闘服でもあり、ステージ衣装でもあるので、失敗できないプレッシャー、責任と誇りを感じている」と気を引き締めている。
監督、選手のステージ衣装がここでキレイに蘇る
横浜スタジアム、東京ドーム、神宮球場、西武ドームなどの試合終了後にユニホームを回収し、クリーニング倉庫で洗濯して、球場に届けるサイクルで仕事をしているが、過酷なスケジュールになることもしばしば。
ユニホームはホームとビジターで4枚ずつあるが、試合前や試合中に選手が着替えるため、3連戦中は、基本的に同じユニホームを着回すことになる。ユニホー ムは試合開始の6時間前に球場に届けなければいけない。例えば金曜日に神宮球場でナイターがあった場合、試合後にユニホームを回収して、午後11時ごろに 球場を発ち、関村さんが車でDeNAベイスターズ練習場まで運ぶ。徹夜で洗濯をし、終わるのは朝5時ごろ。
デーゲームが13時からであれば、7時には神宮球場に届けなければいけないのだ。
ファームの試合と1軍の試合と両方のユニホームの洗濯をするので、シーズン中はとくに忙しい。
巨大洗濯機が深夜に稼動することもしばしば
「幼いころからチームのファンですからね、徹夜であってもこのチームのためにやれるのであれば辛くありません! 選手に気持ちよくプレーをしてもらいたいという思いで、仕事をしています」と笑顔を見せる。