南区中村町にある取材拒否のスーパーディープな「三吉橋フライ」とは!?
ココがキニナル!
南区中村町にあるスーパーディープな串揚げ屋さん「三吉橋フライ」を調査してきて!(横浜泥酔男さん)
はまれぽ調査結果!
「三吉橋フライ屋」は少々ディープな雰囲気なので一見では入りにくいが、とびきり安くて美味くて、店主やお客さんもフレンドリーな心地よい店だった!
ライター:吉田 忍
横浜橋通商店街を抜けて、よこはまばし入口交差点を渡る。交差点から三吉橋までは三吉橋商店街。横浜橋通商店街のようにアーケードもなく、ほんの30メートルほどしかない小さな商店街だが八百屋さんや魚屋さん、そして和菓子屋さんがあって下町情緒が残る。
立飲みもある三吉橋商店街
三吉橋の手前には知る人ぞ知る三吉演芸場がある。昭和の初めから大衆演劇の実演定席として親しまれている貴重な演芸場だ。
大衆演劇の定席、三吉演芸場
キニナルに投稿があった「スーパーディープな店」は三吉橋を渡った先にある。
この橋を渡った先の中村町は簡易宿泊所が多いドヤ街でもある。しかし、寿町のような町ではなく、一般住宅があり昭和の下町を彷彿させる町並みである。
頭上を高速道路が通る三吉橋。中村川は、外国人居留地を分離するために掘られた川だという
中村橋を渡るとなだらかな坂道。先に進むと山手に至る
上の写真の右側、二軒目が目指すスーパーディープな店のようだ。しかし、店名を示す看板もなにもない。
近くから見てみる
垂れ幕の裏側には「朝定食」。しかも逆さまに・・・
正式な屋号がない、不思議なお店
キニナル投稿には「三吉橋フライ屋」という垂れ幕の写真があったが、何も書かれていない。
投稿にあった写真。確かに「三吉橋フライ屋」という垂れ幕があった
「あの、こちらは三吉橋フライさんですよね?」と伺うと、
「そうそう、こないだの台風で垂れ幕が飛んじゃったんだ。今、作り直してるところ」
とのこと。
店内はカウンターだけで15人ほど入れる
正式な店名を伺うと、
「あ、うちね、正式な屋号はないんだ。屋号はつけるのヤだからさ、恥ずかしいし」
三吉橋でフライをメインにやっているので「三吉橋フライ屋」という垂れ幕を出しているということだった。
11月末だというのに、アロハシャツで笑顔のご主人、次郎さん
朝定食の垂れ幕については、「今年の初めごろ朝定食もやっていたんだけど、大変だしすぐやめちゃった。3ヶ月か半年くらいやったかな」
何でもすごく気さくに話してくれる。ちょっと入りにくい店かなと感じていたが、少し話しただけで不安は消し飛んだ。
驚きの安さとメニューのバラエティ
生ビールとフライをいくつか注文してお話を伺う。
フライは100円均一。生ビールや酒はほぼすべて300円という強烈な安さ
300円の生ビール
「雑誌の取材やテレビのキタナシュランとか来たけど、全部断ってたんだ。めんどくさいし。グルメサイトには載ってるらしいね。お客の誰かが勝手に出したんだけど」とフライを揚げながら次郎さん。
今回も最初は気乗りしない様子だったが、読者の方から「ぜひ行ってみてほしい」という依頼で、大勢の方が同じようにどんな店なのか知りたいという反応が多いんですよと、お願いしたら、「それなら、いいかな」と取材を受けていただけることに。光栄なことにはまれぽが初めての取材となった。
映画の撮影で店を貸してくれってのもあったね。やっぱり断ったけど
「そのグルメサイト見てさ、店の住所を改めて確認したんだ。へぇ、こんな番地だったんだって」と笑う。
「だってさ、自分の店の住所って覚えておく必要ないでしょ。郵便出すこともないし」
ビールを飲みながらフライが揚がるのを待つ
「営業時間は夕方の5時から、夜中の1時とか2時くらいまでかな。お客さんがいると『閉店です』って言えないからさ、遅い時は明け方の5時半まで開けている時もあるよ。自分も酔っぱらっているからさ、いいんだよ無理に帰ってもらわないでも」
一番人気の「串カツ(2本100円)」と「レンコン(3つで100円)」
「フライでは串カツが一番人気かな。毎朝、市場に仕入れに行っているから、ウチのものは新鮮だよ。普通の魚屋では売っていないようなものも市場にはあるしね。だからウチのメニューはコロコロ入れ替わるんだ。まぁ、その時、市場にあるものってことだね」
フライは300円の鯨以外は全部100円。そのほかの一品料理は、一番高い500円の「皮ハギ刺」以外は刺身盛り合わせや鍋も含めて300円。塩辛は100円だし、たっぷりのゴマキュウリも200円だ。飲物は、焼酎の甕雫(かめしずく)が500円、ホッピーセットとハイボールが400円で、あとは全部300円。
「ホウボウ鍋(300円)」なんてメニューもある