横浜駅周辺の津波対策を教えて!
ココがキニナル!
横浜駅周辺は海抜がかなり低いけど、津波対策はしているの?具体的な対策や避難場所などを知っておくべきだと思うのですが・・・。(ねこぼくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
津波発生時に避難施設として協力してくれる民間施設を増やしたり、東日本大震災の教訓を反映した横浜駅改造計画を目指している
ライター:はまれぽ編集部
津波への対策
政府の地震調査委員会では今後30年以内に70%以上の確率で東海地震が発生する可能性が指摘されている。2011(平成23)年3月11日の東日本大震災以降、横浜市でも地震に対するさまざまな対策に取り組んでいる。
東日本大震災で甚大な被害が発生した原因は、地震そのものの規模もさることながら、史上最大級ともいえる津波の襲来であろう。横浜市では市は従来、阪神・ 淡路大震災のように建物の倒壊による人的被害を想定していたが、東日本大震災の発生による津波被害を受けて、市民の安全確保のため、迅速な避難行動が取れ るよう同年にガイドラインを作成、2013(平成25)年には内容を一部改訂している。
投稿にあった横浜駅周辺の対策も含め、横浜市危機管理室でお話を伺った。
危機管理室
市では原則として津波警報が発表された場合は「避難勧告」、大津波警報になると「避難指示」を発令するとしており、その範囲は8区(鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ケ谷区、磯子区、金沢区)約470町丁にわたる。
この中には投稿にあった横浜駅周辺も含まれているため、実際に津波が発生した場合の対処法と市の具体的な対策はどうしたらいいのかを危機管理室危機管理課の小林芳和(よしかず)担当課長と同室情報技術課の中台(なかだい)秀樹担当係長にお話をうかがった。
対応してくれた小林担当課長(左)と中台係長
小林担当課長によると、横浜市では、市にとって津波による浸水の面積と深さが最大となる「慶長型地震」をモデルに、地震の規模を示すマグニチュード8.5を想定している。
予測される津波は最大で約4.0メートル、満潮時では海抜約4.9メートルの地点(沿岸部分)まで達することを見込んでいる。津波が到達する時間は地震発生からおよそ70~100分で、津波による被害の範囲は最大約36平方キロメートルに及ぶとみている。以下の画像は、津波の到達が予測される「浸水予測区域」の範囲
画像は横浜駅を含む西区(横浜市ホームページより)
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横浜駅の住所は南幸1丁目(東急、相鉄、横浜市営地下鉄、横浜高速鉄道)と高島2丁目(JR東日本、京急)にまたがっており、どちらも避難対象区域となっている。
西区の避難区域一覧(横浜市ホームページより)
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市では、この予測をもとに、さまざまな対策をとっている。
まずは、携帯電話に配信される「緊急速報メール」(一部非対応の機種あり)や、浸水予測区域の89ヶ所に設置した屋外の防災スピーカーで一斉に伝える「津波警報伝達システム」を設置し、津波に関する情報を周知している。
このスピーカーは津波以外の災害時にも利用される。
臨港パークにあるスピーカー
横浜市は起伏が多い地形や自動車などの騒音によって、放送が届きにくいことなどからこれまで屋外スピーカーによる周知は行ってこなかったが、小林担当課長によると津波警報伝達システムは、浸水予測区域をすべてカバーしているのだという。
今回の投稿とは直接関係ないが、「横浜にはなぜ防災無線がないのでしょうか? 今後の災害対策を考える上でこれがないとマズい気がしますが/鉄男さんのキニナル」の疑問にも答えることができた。