違反者だらけ? 横浜市内の6ヶ所ある喫煙禁止地区、実際に罰則の過料を払っている人はどれくらい?
ココがキニナル!
横浜市で指定されている喫煙禁止地区で、月ごとにどの程度の取り締まりが行われどのくらいの人が罰則(2000円の過料)を科せられるの?(Aloha.Rickyさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市資源循環局職員により毎日取り締まられ違反者は月200~300人ほど。乱暴な態度や知らなかったとシラを切り通す者もいる
ライター:濱屋 亘
「横浜市資源循環局」でお話を伺った
横浜市の喫煙禁止地区での取り締まりの実態が知りたい。そんなキニナルを受けて、12月某日、横浜市資源循環局・業務課でお話を伺ってきた。
「横浜市資源循環局・業務課」。横浜市営地下鉄「関内」駅下車、徒歩約3分
とても丁寧に取材に応じてくださった、業務課・地域連携推進担当の秋本様
現在横浜では、「清潔できれいな街づくり」を目指した条例がいくつかあり、ポイ捨てや不法投棄、放置自転車など、その内容はさまざま。
今回投稿にあった「喫煙禁止地区」にかかわわるものは、2007(平成19)年9月1日に施行された「横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例」。
これは「ポイ捨て防止条例(1996<平成8>年4月1日施行)」に、喫煙禁止地区等という内容を加えたもので、現在はこの条例に基づき、喫煙禁止地区内を市職員が年末年始を除く毎日(土日祝を含む)5人1組の班で4班巡回、違反者にはたばこの火を消すよう指導し、過料(2000円)を徴収している。
禁止されているのは、屋外での喫煙行為で、たばこを吸うだけでなく、火のついたたばこを持つことも含まれている。また、禁止地区は路上だけでなく、公園やバスターミナルも含むという。現在、電子タバコなどの扱いについては検討中とのこと。
「ポイ捨て禁止」マーク。ポイ捨て禁止も、引き続き市内全域で実施中
条例で喫煙行為が禁止されたエリア、つまり「喫煙禁止地区」となっているのは現在6ヶ所。市の中で特に美化を推進するべく設けられた「美化推進重点地区」のうち、とりわけ「“屋外の公共の場所”での“喫煙を禁止する必要がある”と認められる地区」が対象で、ターミナル駅周辺など、人通りが多く、歩きタバコなどによる火傷や焼け焦げの被害が想定されるエリアが選ばれている。
現在「喫煙禁止地区」として指定されている6地区
エリア内では、路面にロゴマークが貼られたり、看板が立てられたりしているので、それと知ることができる。
路面に貼られた「喫煙禁止」のロゴマーク
また、「美化推進員」と呼ばれる市職員が、2007(平成19)年から、年末年始を除く毎日(土日祝を含む)巡回にあたっている。
「美化推進員」の制服。スタッフは総勢20名程。1チーム4~5人構成のシフト制
取り組みの結果、違反数は減った。しかしそれでもまだゼロではない。2012(平成24)年度だけでも、6地区全体での過料処分件数は2977件。月毎の数にそれほど変動はないというから、ひと月約200~300件。日に約10件ほどの計算となる。
過料処分件数の推移
2009(平成21)年度から2010(平成22)年度にかけてほぼ半減しているのは、美化推進員が巡回していることが喫煙者のなかで認知され、喫煙禁止地区内での喫煙をやめるようになったからだという。
美化推進員の巡回人数は増えたが、検挙の数が増えていないことについては、推進員の姿を見かけた喫煙者が自主的に指定エリアでの喫煙を心がけるようになったのではないか、と秋本さんは推測する。
また、こうした取り組みと並行して、喫煙禁止地区では各所に喫煙所が設置され、喫煙者が利用できるようになっている。しかしそれでもなお路上には、ポイ捨てされた吸いがらが散乱する。最近では、他府県から来た人や、若い世代も目立つと言う。
「ハマ・マナステーション」付近。喫煙所の外で吸い、そこで吸い殻を捨てて行く人の姿も
市ではこうした現状を受けて、条例についてもっとよく知ってもらうべく、周知キャンペーンを実施するなどして広く呼び掛けている。取材当日もキャンペーンの予定があったので、実際に参加させてもらった。