東白楽にある「立派な行き止まり」の謎を調査!
ココがキニナル!
東白楽にあるグリーンベルトのある立派な道路なのに短距離で行き止まり。一体何のために作ったの?急坂で市電の支線とも考えられません。途中の喫茶店も良い雰囲気なので偵察を(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
戦災復興の過程で昭和23年に事業計画されたこの道路は、住民の反対によって工事が中断されたと見せかけて、何とこれで完成しているという。目的は謎
ライター:永田 ミナミ
地図で確認
グリーンベルトもある立派な道路なのに短距離で行き止まり、とはいったいどんな道路なのか。
ちなみにグリーンベルトとは、主に都市計画において保護または設置される緑化帯のことをいうが、都市と郊外の間に設けられた公園緑地や農村地帯を含めることもある。
そしてその道路とは、こんな道路である。
東白楽駅から横浜上麻生道路を70メートルほど南下したあたりから北東に延びる
いや、延びたと思ったらすぐ行き止まる赤い部分である
なるほど上麻生道路に近い道幅を持つ「立派な道路」だが、100メートルほどですぐに行き止まってしまっている。道路の中央に見える緑色の部分がグリーンベルトのようだ。
そして現場へ
なかなか興味をそそる道路だなと考えながら東急東横線東白楽駅を出て、歩いていくと見えてきた。
広い道路と見事な大木に育ったグリーンベルト
正面から眺めるとこんな感じで
東神奈川方面に通り過ぎかけて振り返るとこんな感じである
植込みの小枝にかけられたこのプレートが偵察目標の喫茶店か
そして少し歩くと見えてきた
自家焙煎の喫茶店、グリーンメドウズである
高原の別荘地のような静かな緑のなかにたたずむ喫茶店の雰囲気に、いきなり偵察から始めたい気持ちにもなったが、ひとまず道路の全容を把握するためにやり過ごした。
もう突き当たりが見えているしコーヒータイムまであと少し
ということで緩やかな坂をのぼっていくと
こんな感じで道は行き止まりになり
私有地のなかへと消えていくので
折り返さざるをえない
ということで喫茶店の偵察へ
グリーンメドウズにて
坂を降りて店のドアを開けるときは60%くらい高原にいる気分になっていた
店内に入り、取材内容を伝えると快く応じてくださった。
店内の雰囲気によって高原別荘地気分は80%まで上昇
そんな喫茶店を1人で切り盛りしている本田さん
喫茶店「グリーンメドウズ」は、現在の場所に開店したのは15年前だが、それ以前は上麻生道路を北上して東白楽駅を過ぎたあたりの平川町に「本田コーヒー館」という名前で16年営業していたという。
もともとは2代続く「本田コーヒー店」というコーヒー豆の卸専門のお店であり、1970年代にコーヒーを提供する喫茶店が一般化したこともあって「本田コーヒー店」とは別に喫茶店「本田コーヒー館」を開店したそうだ。
当時は1981(昭和56)年に喫茶店数が15万4100店舗とピークを迎えた時期で、コーヒー豆の取引先は回りきれないほどあった。しかし以後の喫茶店の減少と、また年齢のこともあり、15年前に自宅の一画である現在の場所に店を移したが、現在も喫茶店の裏でコーヒー豆を焼いているという、まさに「自家焙煎の店」である。
壁に貼られた「コーヒー豆挽売価格」が卸専門店からの長い歴史を物語る
コーヒーの好みは人それぞれだから、自分がおいしいと思う味で出しているという本田さん。「合う人には合うし、合わない人には合わない。それはしかたがないこと」と笑う本田さんの言葉は、歴史に裏打ちされた達人のそれである。
いろいろ歩きまわったあとだったのでチーズケーキセット(600円)を注文
メニューには「各コーヒー付」とあったが、達人にまかせてブレンドに
チーズケーキはしっとりしていて濃厚で、つまりとても美味しかった。そしてこのチーズケーキは本田さんの手作りである。
チーズケーキはインターネット販売の話を持ちかけられたこともあるそうだが、忙しくなるのも困るし、お店に来てくれたお客さんにコーヒーと一緒に食べてもらいたい、ということで断ったそうだ。
カウンターの奥で静かな時間を過ごすのも好きだという本田さん
「とにかくコーヒーが売れてくれたらそれでいいの」と微笑む本田さんが、ここに移っていちばんよかったのは、ウグイスの声がよく聞こえることだという。
ちなみに店名の意味は「緑の牧草」と聞いて、高原気分は100%に