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本牧ふ頭近辺で釣れる幻のブランド魚「下根アジ」って、どんな魚?

ココがキニナル!

ブランド魚と言われる魚がありますが、横浜の海にも「下根アジ」と呼ばれるブランドアジがいいて、本牧ふ頭の南側で釣れるそうです。大ぶりで金色にかがやいているらしく気になります。(だいさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「下根(しもね)アジ」は、本牧埠頭あたりの「下根」と呼ばれる場所で釣れる。あまり回遊しないため脂が乗っている。特に10月、11月ごろが旬

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ライター:山口 愛愛

釣船店、打木屋で下根アジ釣りに挑戦

「この時季は関アジがおすすめだよ!」などと、寿司屋でも旬の逸品メニューに躍り出る、ブランド魚たち。地域の環境や季節の条件により、ひと味違う美味しさで魅了する。アジなら、大分県の関アジや、関東でも千葉県の金アジなどが有名だ。そんなブランドアジが横浜にも存在するという。
 
横浜といえば港のイメージが強く、大さん橋に豪華客船が出入りするような姿を浮かべるのではないだろうか。漁港としての印象は薄いかもしれない。大都市の真ん中で幻のブランドアジに出会うことはできるだろうか?
 


横浜港周辺は釣りのイメージが少ないが・・・


投稿にあった「下根(しもね)アジ」を調べてみるが情報は少なく、インターネットでいくつかのブログに辿りついた。幻の下根アジにお目にかかれた人たちは、どうやら「打木(うちき)屋釣船店」というお店から出船して釣り上げたようだ。

さっそく中区山下町にある打木屋に問い合わせると「この時季なら、運がよければ釣れるかも・・・」とのこと。釣り経験のほとんどない筆者だが、運に身を任せることにして足を運ぶことに。
 


打木屋へ。この辺りは古くからの釣船店が残っている


打木屋釣船店では、釣りマニアから初心者の親子連れまで、船に乗り釣りを満喫できる。
午前7時から午後3時までの間、存分に釣ることができる1日船のほか、気軽に楽しめる半日船を1日最大2回(午前7時と12時半)出船している。乗船料は成人男性は5700円で、女性と中学生以下は3200円とお手頃。釣った魚は自由に持ち帰ることができるので、楽しみは家に帰ってからも続く。釣具はレンタル可能(手巻きリール、ビシ、天秤で500円)で、舵を取る船長が基本を教えてくれるので初心者も安心だ。
 


店の中には、お客さんが釣った魚の写真がたくさん


打木屋を営む多田亮佑(りょうすけ)さんにお話を伺うと、打木屋は多田さんの祖父が約90年前に元町近くの川沿いで始めたそう。関東大震災で店が崩壊し、打木屋をはじめ、周囲の釣船店とともに、震災後に現在の場所に移転したそうだ。
 


父親が体調不良のため、今年、店を継いだ亮佑さん


下根アジについて聞いてみると「10月~11月ごろがピーク。ただ自然相手なので、必ず釣れるというわけではないですけど、秋はそれを目当てに来る方もいますよ」とのこと。15年くらい前から、「幻の下根アジ」といわれるようになり、だんだんと人気が出てきたようだ。

下根アジの「下根」とは場所のことを差す。釣り用語の「根」とは海底に岩場が密集する岩礁のこと。魚は岩礁の周りを住みかとして集まるので、釣りやすいスポットということになる。

打木屋は「下根」の近くにある釣り船屋の中でも、特に下根アジの良く釣れるスポットを巡るお店として認識されているそうだ。

下根は本牧の方になるが、本牧ふ頭は埋め立てが進み、現在は「下根」と呼ばれる場所はわずかしか残っていないとのこと。打木屋では、その日の状況によりスポットを変えているが、下根で釣れる確率が高いと判断すれば、当然立ち寄るそうだ。
 


「時間によって釣れる場所も変化する」と多田さん


「下根アジは美味しいのでしょうか?」と釣りに出る前から味わいがキニナル筆者。
「アジは回遊する習性があり、細身のものが多いのですが、下根のアジは場所に根付いてあまり動かず、その辺りは餌が豊富にあるので、肥えて大きいんですね。だから脂が乗っていて美味しいんですよ!」と多田さん。体が黄金色に輝いているのも特徴だとか。

「下根アジが美味しいといわれますが、東京湾は湾が小さく、栄養も豊富なので、一般的なアジもほど良く脂が乗っていて美味しいんですよ。この辺りは、サバやカサゴ、イシモチなども釣れ、みんな美味しいですよ。釣りを楽しんでみてください」と付け足した。
「東京湾のアジは美味しい」。これは意外な発見だ。期待を胸に、午前7時出発の半日船に乗り込み、いざ大海原へ!



己(船酔い)と戦いながら下根アジとご対面

新山下の店の前から出船すると、ハマっ子でも思わずうっとりする港の絶景が広がる。ベイブリッジの真下を通り、本牧方面へ。
 


ベイブリッジをくぐり、本牧方面へ


最初のポイントに着き、船を停めた。
さぁ、スタート。船長に釣り方を教えてもらったのだが、上手く餌が着けられず、戸惑う筆者。週に1度は乗船しているという常連の小田島さんが丁寧に教えてくれた。
 


餌の取り付けが肝心


まずは、魚のミンチのコマセ(まき餌)を釣り糸の中ほどにある仕掛けのカゴの中に入れる。釣り糸の先端にある2本針にはイカを赤く染めた餌をつけ、海底まで落とす。海底に着いて、リールが止まったら、1メートル巻き、竿を振ってコマセをまき、さらに2メートル巻いた高さで待つのがここでのアジ釣りのポイントだそうだ。
 


コマセを9割くらい詰めて海に沈める
 

リールの止め方、巻き方を教わる


あれ? 竿が引っ張られた感触があった。なんと、1番最初に筆者がヒット!
 


突然、竿がしなった


興奮しながら、リールを巻くと、小さな赤い魚が跳ねる。タモ(網)で引き寄せてもらい、針を外す。
釣り上げたのは、小ぶりのカサゴ。
 


ビギナーズラックで釣れたカサゴ
 

針を外し、小さな魚は海へ返す


教えてもらいながらでも、自分で釣り上げた手応えに、釣りの面白さが分かってくる。
ほかのお客さんたちも、徐々に当たり出し、何匹も釣り上げていく。

竿を数回、上下に動かしコマセをまき、一度引き上げて餌を入れ直して、また糸を垂らす。不規則な波のゆらぎにバランスを保ちながら、この動作を何度か繰り返す。
海面にずっと視線を落としていると酔いそうだ・・・そんな風に思った瞬間。グーンと引っ張られ、竿が大きくしなった。強い力で海の方へ引き寄せられる。腕に力を込め、なんとかリールを巻く。
 


竿の先が真下を向きはじめた
 

竿を支えてもらいリールを巻く


海面にうっすら魚の姿が見えた。「慎重に上げてね」の声に従い、ゆっくりと竿を上げる。