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横浜市営地下鉄ブルーライン、「上り」と「下り」が同じタイミングで到着しがちなのはなぜ?

ココがキニナル!

市営地下鉄ブルーラインですが、上り・下りの電車が同時刻に到着するのがほとんど。ホームが混雑し、時には危険です。このようなダイヤの組み方には理由があるの?(イェティさん、戸塚大革命さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

基本は全くの同時刻に到着することをさけるダイヤを組んでいるらしいが、ラッシュ時のちょっとした出来事で起こる時間のズレが同着を招くという。

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ライター:クドー・シュンサク

一番近いところでは昨年、2013(平成25)年の5月4日にダイヤ改正を一部行った横浜市営地下鉄ブルーライン。印象的には、ブルーラインを利用した際、確かにホームに電車が同着していることもあったような、混雑でホームがごったがえしていたような。
しかし、それは他社の電車を利用した際も、上りと下りが同時に到着したことがあったといえばあった。

ちなみに、ブルーラインの中でも乗降者数が多い4駅の時刻表を確認してみると、こんな感じ。
 


上から、横浜駅、新横浜駅の時刻表。赤い文字が同時到着時間(クリックして拡大)
 

戸塚駅、上大岡駅の時刻表(クリックして拡大)

 
詳しくお伺いをたてたいと思います。



緻密なダイヤをつくる「スジ屋」

横浜市交通局があるのは横浜市営地下鉄ブルーラインの高島町駅。地図を見て誘導してくれるのはメガネくん(編集部・宮城)。「こっちですよぉ」と誘導してくれた5秒後「あぁ逆だったぁ」と言って「あれぇ? こっちか」と続け「そっちでした」と言う。
今日も絶好調な仕上がり、おネエ言葉メガネくん。
 


到着
 

おじゃまします


お話を伺うのは横浜市交通局高速鉄道本部の運転課長である神田さんと運転係長の畑沢さん。
 


よろしくどうぞ


上りと下り、電車が駅に同着するというのは問題としてこれまでにあがったことはあるのかとまずは尋ねてみる。
この後にでる写真左側の畑沢さんいわく「過去に、横浜駅で電車の同着がそこそこあったというのは問題としてあがっていたので、ダイヤを調整し同着による混雑を現在では緩和させている」とのこと。
 


「全部の駅でまったく同着がないというのはダイヤで極限までは減らせるが・・・」


「ラッシュ時に発車が遅れることや、車いすの方を誘導するのに時間がかかるなどの理由で時間にズレが生じてですね、同着が起きてしまうというのがおそらく回答としてはふさわしいのでは」と写真右側の神田さんが続けた。
 


混雑する横浜駅と新横浜駅が同着で重なることがないようにはなっているという


上りと下り、各車両の間隔「運転時分」を7分30秒と8分のパターンを用意。それらをさまざまに組み合わせて、混雑が見込まれる駅では同着がないようダイヤは組まれているそう。

冒頭の時刻表では分刻みでこそ同じ時間になっていたが、秒単位でみると、ほとんど同着にはなっていないそう。ただ、南区の蒔田駅においては、ダイヤの構成上、多少同着せざるを得ない時間帯もあるとのこと。
 


こちらが市営地下鉄ブルーラインのダイヤの原本
 

ダイヤの見かたを解説している神田さん


市営地下鉄ブルーラインは全32駅。ラッシュ時には34本の電車が同時に線内を運行。繰り返すが、混雑時の時間調整はおよそ分刻みではなく、しっかりと秒刻みで運行している。しかし、各駅に停車するごとに乗客が多いために起こる混雑、乗り継ぎなどのほか、イレギュラーなことが起きると秒刻みの時間調整にもズレが生じ、上りと下りの電車が駅に同着してしまうという。
 


緻密なダイヤを作成するのは交通局にいる「スジ屋」という方


現在は局内にひとりしかいないという「スジ屋」さん。全駅の到着時刻や乗り継ぎ客の多さ、電車の本数調整などのバランスを確認・計算し、ダイヤ表の時間軸に合わせて“スジ(=鉄道の運行計画を表した線)”を入れる人。
 


この方(写真奥)がダイヤを作成する「スジ屋」の石井さん


電車がスムーズに運行できるよう、陰で支えるスジ屋さん。通常は取材に対応しないそう。
次回のダイヤ改正は来年の夏ごろを予定しているとか、どうとか。
さらなる乗客の利用の便を良くすべく、新たなスジが引かれ、新しいダイヤが作成される。

「交通局では、安全な運行の提供がお客様への最大のサービスであると考えております。どなたにも安心してご利用いただける市営交通を目指しています」と神田さん。

横浜市交通局を後にし、ではでは、ブルーラインに乗って横浜駅、桜木町駅、新横浜駅の同着の風合いを確かめに。
 


いってみたいと思います