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関内の映画館シネマリンが6月に閉館する理由は?/12月にリニューアルオープンする?/再開に至った経緯は?/ビルの内装も本当に素敵です/ジャックアンドベティーの様に定着できる?(ポリポリさんほか)

はまれぽ調査結果!

横浜シネマリンは2014年3月に一旦休館。質の高い作品やドキュメンタリー、古き良き映画などを上映する映画館として12月12日にリニューアルオープン

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2015年01月23日

ライター:大和田 敏子

シネマコンプレックスが登場して以来、ミニシアター、小劇場と呼ばれる映画館は次々に姿を消した。かつては、多くの映画館が軒を連ねていたという関内周辺も例外ではなく、「横浜ニューテアトル」「ジャック&ベティ」そして「横浜シネマリン」を残すのみとなってしまった。
 


横浜ニューテアトル
 

ジャック&ベティ


中区長者町6丁目にある「横浜シネマリン」、投稿にあったように2014(平成26)年3月末に一旦休館し、同年12月12日に再オープンしていたのだ。今回は、その事情を取材し、同館の歴史も含めてお伝えする。
 


一時閉館前のシネマリン




新しい「横浜シネマリン」は、どんな感じ?

まずは、再オープンした「横浜シネマリン」の様子をご紹介!
 


オープン後の横浜シネマリン。外観はほぼ変わっていないように見える
 

入口を入って階段を下りる。劇場は地下1階だ!
 

階段脇にモニターが設置してあり、予告編などが見られる
 

上映中の映画ポスターを掲示。オープン祝いの花が華やか


入り口を入ると、おしゃれなカフェか美術館に入ってきたような印象で、気持ちがいい!
 


ガラスブロックを配した壁が明るい雰囲気の空間を演出
 

チケットカウンターはシンプルな造り
 

広々としたカウンター前。座われる場所もある!
 

通路も明るく、すっきりしている
 

上映予定の映画のポスターもたくさん飾られている
 

劇場内は落ち着いた雰囲気。床に傾斜があるのでスクリーンも良く見えそうだ!




「横浜シネマリン」の歴史は?

ところで、この「横浜シネマリン」、とても歴史のある映画館だということをご存じだろうか? 実は筆者も、何となく昔からある映画館というぐらいの認識しかなかった。そこで、あらためてその歴史を確認してみることに。

シネマリンの前身にあたる「横浜花月映画劇場」を吉本興業がオープンしたのは、1954(昭和29)年のこと。当時、近隣には20ほどの映画館があって、にぎわっていたようだ。
 


1956(昭和31)年ごろの長者町5丁目付近(『横浜市電の時代』より)


ピカデリーなど多数の映画館が林立しているのがわかる。
 


1958(昭和33)年の映画館分布(『シネマシティ ―横浜と映画―』より)
 

上の図にある映画館名(『シネマシティ ―横浜と映画―』より)


ちなみに、上の表の(3)に「横浜花月劇場」とあるのは、「横浜花月映画劇場」と同じ住所。正式名称を探るべく、さまざまな資料を調べたが、1957(昭和32)年から1962(昭和37)年の電話帳には「横浜花月映画劇場」、住宅地図には「花月映画劇場」、『日本映画館・人名・商社名(1959<昭和34>年)』には、上の表と同じ「横浜花月劇場」となっており、正式名は明らかにならなかった。

「横浜花月映画劇場」は1963(昭和38)年に閉館。その翌年、伊勢佐木町の「かつ半」さんがオーナーになり「イセザキシネマ座」と改称し、再オープンした。「イセザキシネマ座」の支配人は「横浜シネマリン」の前オーナー、内嶋一雄(うちじま・かずお)さん(現在、神奈川県興行生活衛生同業組合、副理事長・事務局長)のお父様だったそう。開館当時、大学生だった内嶋さんは、その時から同館に深くかかわってきた。
 


かつてのシネマリンについて話してくださった内嶋さん
 

1970<昭和45>年ごろの長者町5丁目『今よみがえる横浜市電の時代』

イセザキシネマ座は、写真右端のあたりにあった同館は、当初『天国と地獄』(1963<昭和38>年)、『砂の女』(1964<昭和39>年)といった東宝系の映画を多く上映していたが、しだいに日活ロマンポルノなど、ポルノ映画を中心に上映する映画館に変わっていった。
 


閉館直前のイセザキシネマ座(神奈川新聞、1989〈平成元〉年4月8日より)


1986(昭和61)年には、内嶋さんが「イセザキシネマ座」代表となり、正式に同館を引き継ぐ。その後、1989(平成元)年「横浜シネマリン」と劇場名を変え、一般娯楽映画を中心としたロードショー劇場として新装オープンした。

ポルノ映画ファンの減少や、一般映画のロードショー劇場である「横浜ピカデリー」などの盛況ぶりを見る中で、路線変更を考えるようになったと内嶋さんは話す。

「シネマリン」という劇場名は、映画の「シネマ」と横浜のイメージの「海(マリン)」を合わせたものだそう。館内はブルーと白を基調としてイメージを統一した。
 


オープン当初のシネマリン(『映画館物語』より)


「横浜シネマリン」としてのスタートは『男はつらいよ』シリーズ40作すべてを上映する企画だったそう。その夏上映した『赤毛のアン』は大ヒットした。神奈川県で『赤毛のアン』を上映したのはシネマリンだけだったそうで、これでやっていける確信を得たと内嶋さんは話してくれた。

その後、約25年、松竹系のロードショー劇場(洋画・邦画)としてやってきた。春・夏休みにはアニメや特撮ものも多く上映した。

『ガンダム』を上映した時は初回で1日分のチケットが売り切れ、165席しかない劇場にもかかわらず、立ち見を含めて1日1000人の観客が入った。観客はずっと若い人が多かったそうだが、シネコンができてからは、ロードショーはどこで観ても同じという時代になり、若い人は離れていった。
 


1994(平成6)年ころの関内周辺の映画館マップ(「東京シネマガイド」より)


シネコンが増加する以前の1998(平成10)年前後、関内周辺には「東宝会館」「関内アカデミー」「横浜松竹」「横浜セントラル」「横浜オスカー」「伊勢佐木町東映」など、多数の映画館があり、最盛期には全館合わせて23スクリーンがあったという。 
ちなみに「マイカル松竹シネマズ本牧」がオープンしたのは1996(平成8)年のことだ。
 


かつての関内近隣の映画館についても調べてくださった


シネマリンでは、ここ3~4年「慣れている映画館が良い」という中高年のお客さまがほとんどになった。それに合わせて映画のセレクトも変え、単館系の映画も多く上映するようになっていった。2002(平成14)年には小津安二郎生誕100年のイベントに合わせて、活動弁士(無声映画上映中に、内容を語りで表現する解説者)を呼んで小津監督の映画を上映したこともあるそうだ。
常連客も多く、存続を危ぶまれるような状況ではなく、閉館前の12月から3月まで上映した『そして父になる』の客入りも悪くなかったそう。

しかし、ここ数年、新作は35ミリフィルムが極端に少なくなり、1~2本しかないフィルムを全国の映画館で奪い合うような状況。デジタルの機材を導入しなければ難しくなってきたが、その投資を何年で償却できるのかと考えると年齢的にも厳しく、閉館を決意した。

当時のシネマリンのチケット売り場はお客さんと気軽に話ができる雰囲気で、話しながらバナナや飴などを手渡してくれるお客さんもいた。「次は何をやるの?」と楽しみにしてくれる常連客がほとんどだったそう。
 


「今、あのお客さんたちは、どうしているんだろう?」と心配顔


自身は観るなら絶対ハッピーエンドの映画と言い『ジョーズ』を初めて観た時、音だけで恐怖を表現し、観客を惹き込んでいく凄い映画だと感じたと話す内嶋さんは、きっとお客さんが心から楽しんでくれる娯楽映画を愛し続けてきた人なのだと思う。

新生「横浜シネマリン」について内嶋さんは「ずっとロードショー(新作映画)でやってきたので、単館の映画のセレクトはわからないが、せっかくリニューアルし機材を投入して始めたのだから、ぜひ頑張ってほしい!」とエールを送る。
 
 
再生のきっかけは? 新生「横浜シネマリン」新オーナーの元へ≫
 

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