未来都市で人情感じる出会いはあるのか!?はま旅Vol.18「緑園都市編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第18回は、完璧に計画された未来都市のような緑園都市駅。人情あふれる出会いははたして待っているのか!?
ライター:吉岡 まちこ
駅の中からすでに「はま旅」が始まっていた
航空写真を見ていると気になることがあまりに多かった「緑園都市」。
押し寄せる蜘蛛のようなゴルフ場と、広大な空き地に挟まれた謎めいた地形。
果たしてどんな風景どんな人との出会いがあるのでしょう。
私、吉岡が、路地やけもの道を動物的カンで(?)歩く特技を生かし、さっそくぶらり旅に!
googleマップで見ると、まるで都市シュミレーションゲームで作ったような設計だ
相鉄いずみ野線のドアがあく。通常ならすぐ改札口を出るところだが、ここは「関東の駅百選」にも選ばれた駅。
選ばれた理由のひとつがホームにある。
これは珍しい!上下線両方のホームに「庭園展望室」
駅に展望室という発想そのものがユニーク。そんなに眺めが良いのかな?出てみよう…
草、草…。眺めは、ごく普通に駅ロータリーを見おろす感じ
さらに「ギャラリー」まであるのが駅百選のもう一つの理由。改札を出て正面にあった。
残念ながら何も展示はなかったが、予約先着順を競う時もあるとか
緑園都市駅が開業したのは35年前。
古くからこの駅を知っている駅員の金子さんが「昔は地主さんの家しかない一面の野山でしたね。夜になるとホームにカブトムシがいっぱい落ちていましたよ」と教えてくれた。今そんな駅があったら夏休みは大人気だ。
駅なのに切手の販売、宅急便の取次ぎ、と駅員さんたちも大忙し。左が金子さん
駅から出てもこうして色々話が聞ける人との出会いはあるのか、それが今回のテーマであります。
「それならすぐそこの喫茶店がこのあたりでは古いですよ」との情報を得、駅とはとうとうお別れ…。
人のいない戸建て街へ。創業18年でも老舗
駅から出たはいいけれど人もまばら。
一日の利用者が1万数千人もいるとは信じられない。
またしても駅員さんに助けてもらいシャッターを押してもらうことに
改札を出るとすぐイイ感じの遊歩道が目に入る。
南万騎が原駅方面に向かって線路両脇に延々と1キロ、そして途中からは線路は地下に潜り、このまま遊歩道がその上に続く。
「四季の径」。駅を降りるとすぐに緑陰あふれる散歩道が
静かな通りにコンクリート打ちっぱなしのモダン建築が並ぶ不思議な光景
駅の周りにはこうしたやたら近未来的な建物がいくつも並んでいるのも緑園都市の特徴だ。
聞くところによると「横須賀美術館」等を手がけた建築家・山本理顕氏のデザインだという。
駅で聞いた「喫茶・軽食FLEUR(フレール)」もそういうビルの1階にあった。
「FMヨコハマのフジタ君も駅のこっち側には来てくれなかったのよ」とフレールの奥様とご主人
「フレール」は18年前からあるというザ・喫茶店という感じでなんとも落ち着く。
「うちは安さが売り。でもうちより長く商売している店もあるからそっちのせてあげてよ。あと、この街はケーキも有名だね」とオーナーの植松さん。そんなに人のことばかり宣伝して…良いかたです。
650円の本日のランチ・チキンライス定食に後ろ髪引かれるが、ここはまだ午前中。先は長いので我慢。
規則正しく戸建てが並ぶ西口一帯への道はけっこう坂道だ。
緑園都市の住宅街は、駅ができてから10年間かけて開発造成され、ちょうどできあがったころにバブル期がやってきた。
その片鱗はあちこちに。
駅から数分ですごい邸宅発見。かわいい動物トピアリーの植木
ここはスペイン? シェスタ(昼寝)したい
優雅なマンション街で立派なギャラリー発見
駅の東口へいったん戻る。
しばらく行くと「相鉄ギャラリー」という気になる文字が。
『清水徹 写真展 ヨーロッパの街角散歩』という企画だ。
ヨーロッパも写真も大好きな自分としては、迷わず寄り道。無料だし。
先出の山本氏の師・原広司氏の建築。京都駅ビルを作った人
スペースの貸し出しはなんと無料。でも応募者の中から厳選するらしい
緑園都市出身、いつかこのギャラリーに出品したかったというカメラマン清水徹さんの奥様
クロアチアの写真が鮮烈なすごくいい写真展とギャラリーでした。
顔写真はダメよとおっしゃるセレブ風なギャラリー・スタッフの女性に、緑園都市の魅力を聞いてみた。
「モダンで“高い”ですね、住んでいる人も意識も。7割が私学の中学に進学させるほど教育熱心な人が多いです。
おいしいお店? クリスマスには予約したケーキを受け取る人で長蛇の列ができるくらい有名なお店がありますよ」。
他にランチのお店も教えてもらった。それは後ほど!