未来都市で人情感じる出会いはあるのか!?はま旅Vol.18「緑園都市編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第18回は、完璧に計画された未来都市のような緑園都市駅。人情あふれる出会いははたして待っているのか!?
ライター:吉岡 まちこ
街の人が口をそろえるケーキの名店がここ!
お客さんが吸い込まれるように次々入って行く。シャッターチャンスをミスった感…
ショーケースの中だけがキラキラ光って見える。ケーキは常に40種類!
相鉄ギャラリーから数分。
ここが、相鉄で一番おいしい、横浜で一番おいしい、いや、東京からだってファンが足を運ぶと言われているお店「ラ・ベルデュール」。開業15年そこそこで“街の誇り”になっているのはすごい。
特別に厨房の中を撮らせていただいた。なんとパティシエが常時26、7名!
オーナーの服部明さんがこれまたすごいかたで、「デパートへの出店のお話もいただくのですが、私の目の届く範囲で味を守って行きたいのです。経営上素材はいくらまでとは考えません。でも素材の良さを謳うこともしません。難しいことは考えず職人としてシンプルに当たり前のことをしているだけです」と、ソフトな外見と反して職人気質。
お客様一人一人に御礼の声がけも忘れない服部オーナー。さすがだ
宮崎のマンゴーを使い採算が取れていないというマンゴーショート(420円)と、プロ向けの講習会で評判だったという卵形の焼き菓子「ウフ・ボヌール」(6個入750円)を買ってお店を出た。
売値より材料費が高かったという「宮崎県産マンゴショート」
いきなり空腹にケーキ。…ぉぉ!マンゴってこんなにおいしかったっけ!?
スポンジは軽く、クリームはおや?と思うほど甘さ控えめ。マンゴを引き立てるために計算されつくされたケーキとみた。
意外と少ないランチの店の中で絶品
ギャラリーで教わったランチのお店は、さらに遠いがどうしても行ってみたかった。
なぜなら緑園都市って大手外食チェーンのお店がほとんどなのだ。
そのお店「ノースプレインファーム」は、ペットショップ「ペットフォレスト」の建物の一角にあった。
レッドミートハンバーグ。つまり赤味98%(セット1,180円)
北海道のオホーツク海に面したオコッペ町で、脂肪をとことんこそげ落として育った牛。
実は自分はハンバーグのぶにょぶにょ感が苦手なのだが、これは肉の味がきっちり詰まって美味!!
そして農場直営なら牛乳ソフトクリームは食べないとでしょ。
一人で撮るには無理がある距離感、しかも待ったなしのソフトクリーム。きつい…
濃厚と言うよりジェラートっぽく爽やかだったが、食べながら内心焦ってきた。
最終目的地「最終処分場」が市の施設のため5時に閉まってしまうから。
やっと着いた最終処分場は、非日常的な光景
住宅街を抜け、周囲が荒涼として来たと思ったら入口だ。なんとなく物々しい感じ
駐車場から。想像していた茶色い平原とは違って、緑の丘を風が吹き抜ける
「神明台処分地」は、昭和48年から横浜市の主に焼却灰を埋め立てて来た。
つまり相鉄による緑園都市構想が起こる以前からだ。そして、この3月に埋め立ては終了している。
敷地の中に入れますか? すぐそこに管理事務所があるので訪ねてみたがもう閉門近いのでNG。
時間があれば誰でも案内してもらえるし、野球場や多目的広場にも入れたらしい。
残念がっていたら所長の高橋さんがパネルを見ながら色々説明してくれた。
広いなぁ~。よく歩いたな~。下方向が駅。管理事務所は上のオレンジ枠の横
「雨水が浸みて地下水に流れ込まないように、5重のシートが敷かれた上に埋め立てていました。しかも配線が巡らされ、破れがないか24時間コンピュータが見守り、万が一破れても自己修復できる仕組みになっています」と、断面の模型まで登場。
5重構造のシート。埋めたらその日のうちに検査済みの土をかぶせてきたらしい
「横浜でこれだけ地平線が見える景色も珍しいですよね~」と高橋さん。
タヌキやキジもいるという。将来は里山になるのかもしれない。
人類が生きて行く上で必ず残してしまう遺産が、生命の台地となって生まれ変わるのも一つの大きな営みである気がする。
やっと写真に応じてくださった神明台処分地管理事務所長の高橋さん(左)と、排水管理係長の鹿島さん
最後に出会った胸のすくような風景が今日の自分へのお土産
まだ陽も高いので処分場の近くを歩くと、映画『バクダッドカフェ』よろしく、抜けるようなシュールな風景が広がっていた。
夏のせいか見かけた住人は少なく、商店街もなく、未来都市っぽい印象は変わらなかったが、会話した方々はみな優しかった。そのギャップが不思議な余韻となる「緑園都市」7時間の旅だった。
7時間の旅の疲れも幸福感に変える玉手箱!? ラ・ベルデュールの焼き菓子
■今回のはま旅「緑園都市駅」周辺
・「喫茶・軽食FLEUR」横浜市泉区緑園2‐1‐6 1F
・「相鉄ギャラリー」横浜市泉区緑園4‐3‐28相鉄文化会館4F
・「ラ・ベルデュール」横浜市泉区緑園5‐29‐20
・「ノースプレインファーム緑園」横浜市泉区緑園7‐1‐4
―終わり―
Hiro-Cheungさん
2016年05月25日 22時55分
私が10代だったころは、荒涼とした(?)ただのだだっぴろい空き地で「横浜のチベット」と呼ばれていたものだったが…。フェリスが出来た頃から生まれ変わって行った緑園のかつての面影はまったくないなあ。時代は変わる。
とうこさん
2014年12月14日 17時09分
こんな家と木しかない辺鄙な所まで…お疲れ様でした。この町は完全なるベッドタウンなので朝と夜には駅のホームが混み合います。バブルの片鱗という視点、流石です。ご覧になった遊歩道、実は西の方にも続いているのですが、バブルが弾け東側の様に整備するのを止めてしまったようです。昔は本格インドカレー屋さんや洋食屋さん、バー等色んなお店があったのですが次々と閉店。今では何もない町になってしまいました(T_T)ちなみに写真にあった駅近くの邸宅はここ数年で建った御宅でバブルとは関係ありませんよ^ ^