ここって本当に公園!? 腰掛けが3つあるだけの「上大岡第三公園」の経緯に迫る!
ココがキニナル!
上大岡西3丁目14に「上大岡第三公園」という公園がありますが、とてつもなく小さい石造りの腰掛けが3つあるだけの、公園とは言いがたい場所です。何故このような公園ができたのか?(YAM-3さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「上大岡第三公園」は、車道や坂といった周辺の生活事情によってできた。腰掛けはここで休憩する人のため必要なもので、面積的に3つが限界だった!
ライター:濱屋 亘
「上大岡第三公園」に行ってみた
「公園なのに公園とは言い難い場所」って、一体どんな場所だろう。
地図で位置を確認して、早速現地へと向かった。
公園所在地は港南区上大岡西3丁目14番
公園があるのは、京急本線「上大岡」駅から歩いて約10分の場所。着いたのは午後3時をまわったころで、公園なら子どもが遊んでいてもよさそうな時間だったが、利用者の姿はなかった。
ここが
「上大岡第三公園」
階段を上ると
腰掛けが3つ
それ以外は何もない
別角度から撮影。住宅街の端っこにポツンとあって、公園内には人影もない
現地に着いて思わず口にしたのは「え、狭っ!」の一言。砂場もないし、鉄棒もないし、なんだか公園というイメージからは程遠い・・・。とりあえず、買い物帰りと思しき親子連れがやってきたので、ここで子どもを遊ばせたことがあるか聞いてみたところ、30代と思しき母親は首を振り「ここは遊具もないし、遊ばせるならあっちですね」と、別の方角を指さした。
近隣には、いかにも公園! といった感じの「上大岡公園」がある
その後もしばらく公園の腰掛けでじっと座って待ってみたが、スーパーの袋を両手に下げた主婦と、近隣の住民らしき男性が通ったきり、とくに遊びに来る人はなし。なんだか不安になってきたので、後日、公園の管理元である港南土木事務所に行って、お話を伺ってみた。
「港南土木事務所」に行ってみた
事務所は、横浜市営地下鉄ブルーライン「上永谷」駅下車、徒歩約2分
あったあった、ここだ
取材に入って早速、先日からずっとキニナっていたことを聞いてみた。「上大岡第三公園はとてもこぢんまりしていて、とくにこれといった遊具もありませんが、公園なのでしょうか?」
丁寧に取材に応じてくださった(左から鈴木さん、仲田さん、佐々木さん)
この質問に、仲田さんは迷うことなく「公園です」と頷いた。
話によると、上大岡第三公園はその面積が74平方メートルしかなく、これは現在横浜市にある2644個の公園の中で2番目に小さい(2014<平成26>年3月31日時点)。整備するにあたってかかった費用は資料が残っていないため不明で、また、園内には砂場や鉄棒といった遊具も置かれていないが、それでも、れっきとした公園なのだという。
ちなみに、一番小さい公園は旭区にある「鶴ヶ峰まちかど広場(65平方メートル)」
そもそも公園とは、都市公園法第2条に該当する土地のことで、平たく言うと、周辺エリアに住む人たちの利用を考えて整備された、緑地や広場のこと。つまり、鉄棒や砂場があるかどうかといったことは、公園の定義とはならないのだそうだ。
公園に関わる資料を開きながら説明していただいた
ちなみに、私たちが一般に「公園」と呼んでいるものにはいくつか種類があって、上大岡第三公園のような市が管理している公園は「都市公園」と呼ばれている。
その役割は「良好な都市環境の提供」「都市の安全性の向上」「市民の活動の場、憩いの場の形成」することにあり(国土交通省のHPより)、つまり上大岡第三公園も、そこにあると周辺住民の生活に役に立つから、作られたことになる。
市が管理している公園は「都市公園」に位置付けられる
では、この場所が作られた経緯とは? その目的とは? はたしてなんだったのだろうか。