四六時中海水に浸かっているベイブリッジの橋脚のサビは強度的に問題ない?
ココがキニナル!
ベイブリッジなど、橋脚が海水に浸かっている橋は錆びやすいような気がするのですが、錆を防ぐためにどのような加工がされているのでしょうか。(恋はタマネギさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ベイブリッジの水面下の部分はコンクリート製、鋼製の橋脚が錆びないのには塗料を何層も塗り重ね、ひと目で破損がわかる技術などが使われていた!
ライター:すがた もえ子
海の近くでは鉄製品が錆やすい、という話をよく耳にする。だから手入れが大変なのだというが、それではずっと橋脚が海水に浸かっている橋はどうなのだろう。
塩水に四六時中浸かったまま、晴れの日も嵐の日も海の中。
あっという間に錆て劣化してしまいそうな気がするが、横浜ベイブリッジは今日も変わらず悠然とたたずんでいる。
横浜港のシンボル・横浜ベイブリッジ
いったいどんな加工がされているのかとてもキニナルので、ベイブリッジを管理されている首都高速道路株式会社へ直接お話を伺ってみることにした。
ベイブリッジの管轄は首都高速道路株式会社
今回お話をお伺いするために、ベイブリッジの管轄である首都高速道路株式会社本社(東京都千代田区霞が関)へと向かった。
首都高速道路株式会社本社が入っているビル
5~9階が首都高速道路株式会社
今回ご対応いただいたのは、首都高速道路株式会社技術部技術推進課課長の住吉英勝(すみよし・ひでかつ)さんと、同課長代理の蔵治賢太郎(くらじ・けんたろう)さんのお二方だ。
住吉さん(右)と蔵治さん
1989(平成元)年9月27日に供用が開始されたベイブリッジは、横浜国際航路を横断し、上層は首都高速道路、下層は国道357号線が走るという2層構造の橋で、横浜を代表する観光シンボルの一つになっている。
施工業者数32社(元請のみの数)で建設され、橋長は860メートル、塔の高さは(海面から)175メートルという巨大な斜張橋(しゃちょうきょう)だ。
ベイブリッジの橋脚の現在の状況
ベイブリッジの橋脚部分だが、水面下となる部分は鉄製ではなくコンクリートで作られているのだという。
「コンクリートバージ製作」という方法を用いている(画像提供:首都高速道路株式会社)
コンクリートバージとは、コンクリート製の四角い船のようなもので、ほかの場所で製作したものを船で架橋地点へ運搬。そこへ大黒ふ頭内のヤードで作られたプレキャストコンクリートケーソン(コンクリート製の杭)を大型クレーン船で建て込み、沈設させるという行程がとられている。
プレキャストコンクリートケーソン(画像提供:首都高速道路株式会社)
プレキャストコンクリートケーソンを大型クレーン船で建て込む様子(画像提供:首都高速道路株式会社)
橋の基礎となるプレキャストコンクリートケーソン(直径10メートル、長さ最大で75メートル)は主塔基礎では9本、端部橋脚基礎では6本用いられており、海水に沈んでいる部分(海水に接する部分)には鋼材は使用されていないのだという(骨組みには鉄筋・鉄骨を使用)。
海面から見えている塔の高さは175メートルだが、海水で見えない水中部分には、最大で75メートルもの基礎が築かれていた。ベイブリッジの基礎部分には30階建てのビルほどの巨大なコンクリートの杭が沈んでいるのだ。
コンクリートの基礎の上に主塔下部を建設(画像提供:首都高速道路株式会社)